山大の「顔」

理学部 尾方 隆司(数学)

 公募中ということで楽しみにしていた山形大学のキャッチフレーズが、先日発表された。佳作5編が3フレーズに補作されて、使用されるということである。その補作の1つに「地域に根ざし世界を目指す」があったが、同じような内容の文を近くの大学が使っていることを耳にしていたので、ちょっとインパクトが弱いかな、という感じがしている。

 ところで、「山大」という時、一般の人たちは一番に何を連想するであろうか。わが国には、「山大」と略称される大学が3つある。そのいずれの大学でもかまわない。どんなことをその大学の「顔」として思い浮かべるか、という問いかけである。人だけとは限らない。世界に誇れる業績なら申し分ないし、建物でも、地名でもいい。だが、「何々県の顔」と混同されて、見当違いな言葉が飛び出すかもしれない。個々の視点からいろいろ挙げられるだろうが、残念ながら、誰もが「大学の顔」として思い浮かぶものがない のが実情である。勿論、学長がその大学の「顔」には違いないが、よっぽど特別な学生でない限り、例えば,「山大マインド」を受講しない限り、学長に会える機会などないであろうから、その大学の学生でさえ学長を「顔」として上げ難いのではないかと思われる。ましてや一般人には思い浮かばないだろう。

 昨年実施された事務職員の「蔵王SD合宿セミナー」において提言された話題の一つに、大学正門付近の整備に関することがあった。これなどは、大学の顔作りの一環としてとらえられる。提言を参考に、じっくり計画をたてて山大の「顔」となるよう、是非、整備を実現してもらいたいものである。正門の真正面に立派な松がある。自転車で側を通るとき、チラッと目にするだけで、立ち止まって、ジックリ鑑賞することがなかった。前から根元になにかの像があるらしいと思っていたので、この文を書くにあたり、詳しく周りを眺めてみた。なんと・・・。ここではその様子を報告することはしないでおこう。(このことに関して、詳しい事情を知っている方がおられたらお教え願いたい。)

 いままでは,国立大学という因数でくくられていたので、その枠組みのなかでの評価ということであったが、法人化された今後は、その外壁がなくなり、個々の大学が、特色をもち、中味で評価される時代となった。研究、教育の一層の充実をはかる一方、より優秀な多くの学生が入学してくるようPRする必要がある。そのためにも、山大を具体的なイメージで語ることができるよう、シンボルの創造、つまり「顔」作りが急務であると考える。

 次は工学部の中野 政身さんお願いします。

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