遠隔(SCS・リモート)講義の工夫

農学部 小沢 亙(地域計画学)

 「リサイクル社会と食料・農業」 昨年退職された綱島不二雄先生が代表者となり,昨年まで総合領域で開講していたオムニバス方式の講義です.本学の特徴である分散キャンパスを活かすために導入されたテレビ講義システムを初めて利用し,その後SCS,リモート講義と,一貫して遠隔講義を主にしてきました.通常の対面式の講義とちょっと違う遠隔講義で,私がどのような工夫をしてきたかを書きます.

 当たり前の話ですが,遠隔講義はカメラとそれを映し出すスクリーン(モニター)を介していますので,相手の様子が見えるようで見えません.講師側では受講者のいる講義室のカメラで撮影されている画像は見えますが,対面のように講義をしながら目を色々なところに向けることができず,真剣に聞いてくれている学生の反応が分かりません(寝ている学生や話をしている学生は分かりますが).反応が分からないということはどの程度理解してくれているかも分からないわけで,メリハリ(強弱やテンポ)を付けることが難しい状況でした.このため,初の講義はわずか40分で終わってしまいましたし,学生の感想でも「この方法はやめた方がいい」というものでした.

 そこで考えた工夫は「ミニレポート」と「突然質問」です.

 「ミニレポート」とは,授業の最後に出席カード程度のものに質問や感想を書いてもらうものです.この質問や感想について,次の回で充分な時間をとって解説・報告を行います(多いときには半分以上の時間を使ったこともあります).理想的には資料として配付もした方がいいと思います.これをすることによって,間違った理解を防ぐこともできますし,学生の授業参加意欲を高めることができます.

 「突然質問」とは,講義の途中に学生の考えを問う質問を何人かに行うものです.学生番号でもいいですし,映し出されている講義室側の画像を見ながら「真ん中の列,後ろから3番目の左側に座っている君」でもいいのですが,指名し発言を求めます(TAにマイクを持って走ってもらいます).「突然指名されてびっくりしたが,先生と話ができておもしろかった」という感想がありました.

 以上の工夫を対面講義と同じだと思われる方も多いと思いますが,それほどの違いはありません.ただ,メリハリをより強くするように意識しながら授業を行うことが重要なだけです.

 小白川の教室に学生がいる場合約140名を相手にしますが,鶴岡(農学部)の教室では最大50名です.是非多くの先生に遠隔講義にトライして頂き,分散キャンパスのメリットを最大限に引き出して欲しいものです.

 次は人文学部の阿部 成樹さんお願いします。

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