スポーツ実技はリフレッシュタイム?

教育学部 長井 健二(体育学(運動学))

 現在,一部の学部を除いて選択授業として「スポーツ実技」が開講されている。前期は特に多くの学生が受講し,様々なスポーツ活動を楽しんでいる。学生達は,生き生きとした表情をしながら受講している。私の教養教育の講義中とは全く異なるさわやかな表情である(単に私の講義力がないだけという話もあるが)。学生達が技術の優劣にかかわらず,一生懸命取り組んでいる姿を見るとき,大学教育におけるスポーツ実技の教育的意義などは,理念としては当然必要であるが,現場ではどうでもよいとさえ感じる時がある。すなわち,スポーツを通して云々とか,生涯スポーツの時代に云々とか,健康・体力が云々とか,そういう問題ではなく純粋にスポーツそのものを楽しんでリフレッシュしている時空間そのものが,大学生活のスパイスになっており,そういったことが重要なのではないかという気になったりする。私は,スポーツ実技の中でテニスを担当している。受講生の多くは初心者である。初めのうち空振りしたり,ホームランになったりしているような状況がいつの間にかラリーが続くようになっていく。もちろん個人の特性で上達の様相は一様ではない。しかしながら確実にうまくなっていきながら楽しんでいる様子は,指導冥利に尽きる(実際は指導力より学生のやる気によってうまくなっている?)。ある時,やむを得ない事情で休講の予告をしたら,学生達から「なぜ休講にするんですか?私たちだけでもやらせて下さい」と言われてしまった。こんな言葉を講義でも聞いてみたいと思いながら「授業料1回分返すから」と冗談を言ったものである。

 それにつけても,学生達がこんなにやる気があって楽しもうとしてるのに,山形大学のスポーツ環境の何とお粗末なことよ。テニスコート一つにしても,座布団を敷いたようなつぎはぎの人工芝コート2面と水はけの悪い土のコート3面である。雨が降ればしばらくお手上げ状態。高校の施設より貧弱だという学生達の嘆きを聞く時,より快適な環境であれば,もっと授業効果が上がるのにと思わざるを得ない今日この頃である。

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