教養教育も難しい−受講対象の制限−

理学部 佐野 隆志(数学)

 私は、教養教育では「数理・物質」領域の「数理科学」を担当しています。これら講義は受講対象学生を制限することなく開講されています。数年前に、三種類のコース分けが導入されましたが受講制限をかけられるわけでもなく、多様な学生の対応を余儀なくされています。しかし「積み重ね」の必要な学問分野では、以前にも増して支障が生じていると感じます。「数理科学」に関して言えば、高校三年生で学ぶはずの「数学III」(微積分の初歩)や「数学C」(行列の初歩や曲線の扱い)を全く学ぶことなく入学する(理系)学生が増え始めています。また一方で、大学に入って初めて微積分を勉強できる機会がもてた、という奇特な(文系)学生に出会うこともあります。工学部では昨年度から教養教育の「微分積分学I,II」を必修科目として指定していますが、そのような要請のある講義に受講制限をかけないのは、厳格なる評価導入に相反していると感じます。GPA制度の導入を意味あるものとするためにも、なにがしかの「受講対象制限」の導入を希望します。それと同時に、講義内容の難易度などを GPA に反映させる、すなわち、各領域・分野ごとに難易度や(教育上必要な)厳格さなどについて評価し、授業の重み付けを行うことが必要だと思います。

 おまけ:大学を4年間で卒業したい、もしくはチャンスがあれば
大学院への進学を考えているフレッシュな皆様へ

 毎年、新入生(自分の専門学科の学生には特に)の方々に対して、「大学を4年間で卒業する」ための次のようなアドバイスを行っています。
@1年生のとき「だけ」(強調!!)は真面目に講義に出ましょう。また
 (初めて一人暮らしをする人は特に)朝、起きるようにしましょう。
  高校までの真面目なリズムがまだ?維持されている1年生のときに
 (できるだけ)単位を集める。興味のない科目内容だとしても、不満を
 あまり感じずに聴講に耐えることができる?ときにこそ、講義に出て
 (ついでに)「教養」を深める、のが"いいんです"。また、1年生のとき
 だけは、バイトにあまり熱中しないほうがよいと思います。
A学科単位で開講される(必修)科目(特に語学)は、みんなで一緒に
 単位をとりましょう。
  いろいろな「教養」をすべて自力で学ぼうとするのは“体によくない”
 と思います。みんなで一緒に勉強をする機会をもって、自分の不勉強
 を知る、理解を深め合うなどの楽しみも感じてもらいたいです。また、
 他専門の友達のほかに、自分の所属学科!で友達を作ることも大切
 だと思います。
B大学院に進学することが許されそうな人は、進学を意識しながら勉
 強していきましょう。
  特に理系の学生は博士前期課程=修士課程までは行っても、得を
 することはあれ損をすることはまずない、と私は思います。ただし、就
 職活動で失敗したからといって「でも・しか進学」するのはつまらない
 ので、大学院でしっかり勉強するぞ、と考えて学部生のときから研鑽
 を積んでいってもらいたいです。

 次は医学部の片野 由美さんお願いします。

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