学生いろいろ

工学部 佐藤 力哉(高分子化学・有機化学)

 授業改善というほど立派なことは言えませんので、他学科とはちょっと異なる学生分布をしている私の所属する専攻で行っている授業で感じることを簡単に書かせていただく。

 ご存知のように、独立専攻は学部を持たない専攻であり、そのため様々な学科を出た学生が集まり構成している。従って出身学科が物質系あり、機械系あり電子情報系ありと異なった基礎知識を身に付けた学生の集まりとなる。その学生たちの必修科目に「生体センシング機能科学概論」がある。これは、修士1年次に開講され、いわば生体センシング教員の研究紹介を兼ねる科目で、担当は各教員が1コマずつ行うことになっている。授業を受ける学生もいろいろな学科出身者であるのと同じように、教える側もそれぞれ専門が異なり、聞く方も、教える方も大変である。私の場合も専門が化学であることから、つい化学では常識と思われることは、あまり説明もしないで、進んでしまうが、機械系、電子情報系の学生にとっては説明不足もいいところで、このことから端を発して、講義内容が分からなくなっていくようである。このようなことから、なるべく講義中には基本的な事も丁寧に説明しているつもりであるが、それでも聞く側にとっては難解なところもあるらしく、時々とんでもない事を質問してくる学生がいる。これを良く聞いてみると、まだ私の説明が不十分であり、専門的すぎるためであることが良くあり、反省させられる。

 この授業で考えさせられることは、講義が一方的に教員から学生に教えるだけでは学生はついてこないということである。専門的に同じ興味で学んでいる学生たちに対しては、一方的に知識を与えるやり方もいいであろうが、全く違う分野の学生に、このやり方で講義を行っていては学生はついてこない。そこでいろいろ工夫しながら講義をするわけであるが、この経験を学部学生の講義にも役立てようとするのであるが、いかんせん人数が多すぎる。いろいろな学生も20人程度であれば対応できても、100人を超えるとなると難しい。ただ、異分野の学生に向けた講義を経験し工夫することは、従来の一方的に知識を与えるだけの授業を改善するためのヒントを得る助けになるのではないかと思う。

 次は農学部の林田 光祐さんお願いします。

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