山大マーク 運営諮問会議
第1回運営諮問会議議事録
平成12年6月6日(火)
12時30分から14時40分まで
山形大学事務局第一会議室
1開  会
2学長挨拶
3委員の紹介
4会長及び副会長の選出
5議   事
(1)大学概要等説明
(2)討議
6閉   会
 出席者   會 田 雄 亮  東北芸術工科大学長  
井 上 みやま 国際コミュニケーションレディースクラブ会長 
金 森 義 弘 山形県副知事 
後 藤 和 弘 元山形市教育長 
鈴 木 昭 憲 秋田県立大学長 
三 浦   新 株式会社山形銀行代表取締役会長
水戸部 知 巳 財団法人山形県企業振興公社プロジェクトマネージャー
毛 利 秀 雄 岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所長

欠席者 國 井 一 彦 山形県医師会長
鈴 木 傳四郎 山形県商工会議所連合会会長

 列席者  学 長 成 澤 郁 夫     人文学部長 ● 木 紘 一
 教育学部長  丹 羽 健 市 理学部長 鬼 武 一 夫
医学部長 仙 道 富士郎 工学部長 奥 山 克 郎
農学部長 上 木 勝 司 附属図書館長 近 藤 慈 夫
附属病院長 堀 川 秀 男 事務局長 齊 藤 秀 昭
学生部長 加 藤 静 吾 庶務部長 七五三掛 哲郎
経理部長 中 川 義 明 施設部長 加 太 孝 司
庶務課長 山 ● 淳一郎

1 開  会  山?庶務課長から,開会の辞の後,会長選出までの進行役を務めさせていただく旨述べられた。

2 学長挨拶  成澤学長から,次のような挨拶があった。 1) 各委員におかれては,山形大学運営諮問会議の設置に当たり,快く委員をお引き受けいただき,また,本日は,御多忙中にもかかわらず御出席を賜り感謝申し上げる。 2) この「運営諮問会議」は,国立学校設置法の一部改正により,平成12年4月1日から,全ての国立大学に設置されたもので,特に,「教育研究上の目的を達成するための基本的計画に関する重要事項」等について,高い見地から種々審議願い,学長に対して助言又は勧告をいただくことになるものであり,大変重要な会議と認識している。 3) 今,国立大学を取り巻く環境は,極めて厳しいものがあり,本学としても,さらなる大学改革に向けて鋭意努力しているところであるが,各委員の忌憚のない御助言等をいただきたい。

3 委員の紹介  成澤学長から,各委員の紹介があり,次いで,本学の各学部長をはじめとする列席者の紹介があった。

4 会長及び副会長の選出  山?庶務課長から,山形大学運営諮問会議規則第5条に基づき,会長及び副会長各1人について,互選により選出する必要がある旨説明の後,諮られた結果,会長には水戸部知巳委員,また,副会長には會田雄亮委員が選出された。  次いで,水戸部会長から,社会の変化に伴い,教育の問題についても,その変化に対応した取組みが必要になっている状況下において,運営諮問会議の役割は,大変重要なものと認識しており,各委員の率直な御意見等をいただくことで,この会議を実りあるものとしたいのでよろしくお願いしたい旨挨拶があった。

5 議  事  (1)大学概要等説明  最初に,成澤学長から,本学の概要について,資料に基づき,次のような説明があった。
1)本学は,6学部,学生数約1万人を擁する総合大学であるが,他大学に比較すると,キャンパスが4地区(小白川,飯田,米沢,鶴岡)に分散しているのが特徴的である。
2)本学を取り巻く状況として,まず,「独立行政法人化」の問題が挙げられるが,最近の情報としては,去る5月26日に,文部省から,国立大学の独立行政法人化についての考え方と今後の方針が示されている。
それによれば,文部省や大学としても,従来,通則法の下での独立行政法人化は,国立大学にはなじまないとして反対の立場を採ってきたが,大学の特性に合わせた調整法あるいは特例法での対応ができれば,独立行政法人制度は大学についても十分適合するとの考え方に立ったということである。
今後,調査検討会議が設置され,組織運営,人事,評価,中期目標の在り方や名称等の課題について,具体的制度作りの議論が開始されることになっている。文部省としては,平成13年度中には,調査検討会議の議論を取りまとめ,平成14年度以降,法令・運用基準等を整え,準備のできた段階で移行させたい意向である。
なお,財政措置については,独立採算制ではなく,現状を下回らないよう運営交付金等の措置を採ることとされている。
3)一方,平成10年10月に出された大学審議会答申では,大学改革の方向性が示されているが,その中で,第三者評価機関の必要性が提言されたことを受け,本年4月1日から,その機関が設置されたところであり,今後,大学の活性化のために,評価結果をどう生かしていくかが課題となろう。
4)本学における大学改革の取組については,大学改革特別委員会において,山形大学のあるべき姿」の中間まとめをベースに,専門委員会や各学部等で鋭意審議中であり,8月末を目途に取りまとめるべく努力している。
 中間まとめでは,「本学の21世紀における活路開拓とあるべき姿」として,「学部教育の改善充実」,「大学院及び研究機構の改善充実」,「地域社会との連携」,「国際交流の推進」及び「自己点検・評価の事項」について検討事項を区分し,その方向性とそのための取組について議論を行っているところである。
 なお,「自己点検・評価」については,大学全体の取組として,平成13年度に大学基準協会の加盟判定審査を受けることとして,現在,その準備を進めている。
5)また,就職については,最近の経済状況を反映して,大変厳しい状況にあり,特に,教育学部における教員採用数の減少による影響等も相俟って,その対策に苦慮しているのが現状である。
6)最後に,新聞等で報道されている「学寮」の問題のこれまでの経緯等についてであるが,本学の学寮は,学生の福利厚生施設として,300人定員,2人1室仕様の規格で運営されていたが,ここ数年,老朽化や学生の個室志向の影響もあり,定員に満たない状況が続いていた。
このような中で,平成9年に,学寮生により事務室が不法に占拠されて以来,職員の立入が不可能な状態に陥り,正常化に向け数々の努力をしてきたにもかかわらず,何ら進展が見られないことから,平成11年度の入寮募集を停止することとした。
その後,何回かの話し合いを持ち,正常化への努力を行ってきたものの,何ら合意に至らなかったことから,やむを得ず,平成12年度以降についても,入寮募集停止の措置を採った。
そして,このたび,本学としては,このような状況をこれ以上放置できないと一時閉鎖の措置を採ったものである。
新聞では,大学側が強硬姿勢を採っているのではないかとの印象を受けるような報道もあるが,学内の合意や協力を得ながら,一日も早い解決に向け努力しているので御理解を賜りたい。


続いて,各学部長から,教育研究活動の現状と課題について,資料に基づき,それぞれ説明があった。


(2)討 議 概要説明を受け,各委員から,次のような意見等が開陳された。
(○:各委員, ●:大学側)
○教育学部の就職の問題は,深刻に受け止めている。早く40人学級から30人学級となるよう,国として教育界に手を差しのべてほしいと願っており,やはり,この分野に大学側と地域社会が一体となって声をあげていく必要があると思っている。
いじめや不登校の問題にしても,臨時教員等の特別措置をすれば目に見えて成果が表れていることから,40人に1人の教員体制の是正は必要であると思っている。

○教育学部の夜間大学院(学校教育臨床専攻)の設置構想は,意義深いものと思う。 現職教員の再教育の観点では,平日の夜間にとらわれることなく,土・日の利用も必要なのではないか。その際は,例えば,「霞城セントラル」を利用する方法も考えられるのではないか。県当局にも考えていただきたい。

○地域に密着した大学ということも大事と思うが,地域に関係なく全国から学生を集めることを考えていただきたい。そのためには,大学としての特色を持つことが重要である。例えば,英語分野でのネイティブスピーカーによる授業等を売り物にするというのも一つであり,何か特徴を持って全国にアピールすることを考えていただきたい。
教養教育についても,例えば,理工系の学生にどのようにしたら文系も含む幅広い教養を身に付けさせることができるかなど,改めて考える必要があるのではないか。


 ○地域との連携の中に特徴を出していこうとすることは,一つの考え方なので,ぜひ,成功できればと願っている。農学部に伺いたいが,人材供給という面で,県内への就職状況はどうなっているのか,また,県内入学者の割合が他学部と比べて低いと思われ,教育面を通しての地域貢献をどう考えているのか教えていただきたい。

●県内入学者は10%前後で推移しており,県内就職者の割合も低い状態である。そうい意味で,教育した人材を地域に帰すということでは,地域性は弱いと思う。今後の課題である。
○県内では,産業構造別に見ると,電気産業が最も多く,次に食品産業となるが,農学部ではどうか。
●食品への就職は多い。次に,環境,公務員ということである。
○近年,大学からの採用数も減少傾向にあるが,私どもにおいては,人文学部,教育学部の学生を採用している。最近の学生気質をみると,フットワークが軽いというか,広く浅く人と付き合うことがうまいので即戦力になっているが,企業の立場から言えば,ルールを守るという基本的なことが大事であるにもかかわらず,その認識が低いと感じられる。社会における基本を身に付けさせるという教育的配慮をぜひお願いしたい。 また,私の経験から,山形は,ベンチャー起業の申請が多い県と思っている。その有力なバックアップをしているのが山形大学であると言えるし,先生方のアドバイスをいただくことで製品化が可能になるということもあり,先ほど,各学部から,地域との連携という話が多々あったが,企業との連携もぜひお願いしたい。 なお,地域との連携を考える場合,山形のためにという狭い視野だけではなく,世界に向かって活躍することを考えていただきたい。そうすれば,結果として間接的に地域に貢献することになるのではないか。大学からよき人材を生み出す姿勢を示す必要があると思っている。

○各学部に共通しているのは,地域との連携ということと思うが,理想は世界に羽ばたく方向で,ぜひ進めていただきたい。 外国人留学生に対しては,できる限りの支援をしたいと思っているが,大学に国際交流会館が設置されてはいるものの,1年限りで退居となる事情も考えれば,留学生の宿舎という点では,不十分と思われ,学生寮に一般学生と混住し,地域とも交流できるような配慮をぜひお願いしたい。 また,国際交流関係の会議等の場において,山形の国際交流の事情を提言していくことも必要であると思っている。

○よき人材を育てるという意味では,山形大学の特徴等について,高校生や教育現場の教員に具体的に話をする機会が必要であると感じている。教育環境は,施設の問題以上に,先生方のパーソナリティーにあると思うし,学科や学部の段階だけでなく,大学として組織的に,もっと徹底的に教育現場にPRを行う必要があるのではないか。 高校に出向くだけではなく,大学に呼んでいただいてもよいのではないか。  一方,地域としても,大学の先生を地域の中に活用して行く必要があると思っている。

○今年の2月に,山形大学と単位互換協定を結んだが,お互いの交流がより活発になるよう願っている。  山形大学と東北芸術工科大学は,やはり違いはあるが,違うということで別々に存在するのではなく,単位互換のみならず,もっときめ細かい交流をお願いしたいと思っている。例えば,工学部の基礎的な分野を芸工大の製品作りやデザインに生かすこともできるし,医学部にも同様なことが言えるのではないか。さし当たり,工学部の若手研究者と懇談会をもたせていただきたいと思っている。その中から,共通のプロジェクトが出来ればいいのではないか。
 もう一つ,山形県内の短大を含めた全ての大学と,交流を深められたらよいのではないかと思っており,ぜひ県内大学との交流協定の実現をお願いしたい。芸工大は,先般,仙台の16大学に加盟させていただき,単位互換を含め,17大学で交流を深めることになった。違う分野の大学同士が交流できることは,進歩の第一歩と思っている。

以上のような意見交換等の後,水戸部会長から,次のような発言があり,了承された。 1)次回は,本日の各委員の意見を踏まえ,大学側とも協議し,討議事項を絞って議論いただきたいと考えているのでよろしくお願いしたい。 2)本日の討議内容は,議事要旨として取りまとめ,各委員の了承を得た後,大学の内外に公表することとしたい。 3)次回開催日は,9月下旬から11月初旬頃を目途に開催したい。  なお,詳細は,後日,大学側から連絡させることとしたい。

最後に,成澤学長から,本日の討議に対する謝意が述べられた。


6閉   会
 水戸部会長から,閉会の辞が述べられ,会議を終了した。
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