山大マーク 運営諮問会議
第2回運営諮問会議議事録
平成12年12月5日(火)
10時00分から12時00分まで
山形大学事務局第一会議室
1開  会
2委員の紹介
3学長挨拶
4議   事
(1)山形大学における国際交流推進のための取組方策等について
(2)国立大学等の独立行政法人化問題に係る文部省等の検討状況について
(3)山形大学の予算及び平成13年度概算要求等について
5閉   会
出席者
(会 長) 水戸部 知 巳 財団法人山形県企業振興公社プロジェクトマネージャー
(副会長) 會 田 雄 亮 東北芸術工科大学長
井 上 みやま 国際コミュニケーションレディースクラブ会長
金 森 義 弘 山形県副知事
國 井 一 彦 山形県医師会長
後 藤 和 弘 元山形市教育長
鈴 木 昭 憲 秋田県立大学長
鈴 木 傳四郎 山形県商工会議所連合会会長
三 浦   新 株式会社山形銀行代表取締役会長

欠席者 毛 利 秀 雄 岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所長

列席者 学長 成 澤 郁 夫 人文学部長 ● 木 紘 一
教育学部長 丹 羽 健 市 理学部長 鬼 武 一 夫
医学部長 仙 道 富士郎 工学部長 奥 山 克 郎
農学部長 上 木 勝 司 附属図書館長 近 藤 慈 夫
附属病院長 堀 川 秀 男 事務局長 齊 藤 秀 昭
学生部長 加 藤 静 吾 庶務部長 七五三掛 哲郎
経理部長 中 川 義 明 施設部長 加 太 孝 司
学生部次長 久 原   勇 庶務課長 山 ● 淳一郎
企画室長 樋 口 敏 昭 主計課長 石 ● 忠 夫

1 開  会
 水戸部会長から,開会の辞が述べられた。

2 委員の紹介
水戸部会長から,前回欠席の國井一彦委員及び鈴木傳四郎委員の紹介があった。

3 学長挨拶
 成澤学長から,本日の会議に御出席いただいたことに対する謝辞が述べられた後,前 回の会議以降における大学の主な状況等について,次のような説明があった。


(1)大学改革について

1)「山形大学のあるべき姿」の策定に向けた取組については,各学部や関係学内委員会での検討を終え,現在,大学改革特別委員会の下に,その起草のためのワーキンググループを設置の上,各学部等における検討結果報告の内容を整理・調整しつつ,引き続き,大学全体としての取りまとめ作業を行っている。前回の会議では,8月下旬を目途に取りまとめたい旨申し上げたが,諸事情から,なお若干の時間を要する状況である。できる限り次回の会議までには取りまとめ,御意見を頂戴したいと考えているので,その際はよろしくお願いしたい。

2)本年7月に,教養教育の全科目のうち88.6%にわたる273科目について,教官の授業内容を学生が評価する「授業改善アンケート」を実施した。その内容は,「休講はなかったか」,「授業に意欲はわいたか」など,15項目を5段階で評価するものと授業の善し悪しに関する自由記述のもので行った。今後,詳しい結果分析を行うこととしているが,全体の総合評価の平均点は,5段階評価で3.97となっており,学生は教養教育に対して高い満足度を示していることがうかがえる。また,授業科目別では,外国語,情報処理及びスポーツ実技が更に高い満足度を示す状況となっている。 なお,新聞報道における文部省のコメントでは,国立大学でこれだけ大規模な形での授業評価か行われたケースは珍しいとのことである。


(2)学寮問題について

1)本学の学寮については,既に御承知のとおり,6月以降一時閉鎖の措置を採っているが,従前からの入居者に対する再三の退去命令にもかかわらず,依然として不法入居状態が続いている。このため,大学としては,学寮の明け渡しを求める法的手続きとして,まず,8月21日に占有移転禁止の仮処分申請を行ったところ,これを認める決定が下され,9月5日に執行されている。これを受けて,去る11月9日には,学寮の明け渡しを求める仮処分申請を行い,現在審理中の状況である。

2)本学としては,学寮を男子,女子及び外国人留学生の混住寮として改修する予定であり,既に関連予算を平成13年度概算要求として提出しているところであるが,文部省としても,その必要性を認め,大蔵省に対する概算要求に計上したと聞いている。私としては,最終的に改修予算が認められることを期待するとともに,できるだけ早期に入寮募集を再開し,真に入寮を必要とする学生が快適な寮生活を送れるよう今後とも努力していきたいと考えている。

3)なお,去る11月28日,学寮居住者は,学寮の清掃担当臨時職員に対する監禁・辞職強要事件に伴う学寮居住者4人の逮捕等に関連して国家賠償請求訴訟を起こした。本学としては,裁判所から訴状が送達され次第,内容を検討の上,しかるべき対応をしたいと考えている。


(3)第10次定員削減について

1)国家公務員の定員削減については,昭和43年以来,これまで9次にわたって実施されてきているが,「新たな府省の編成以降の定員管理について」(平成12年7月閣議決定)により,新たに,平成13年度から第10次定員削減計画が実施されることになった。本学に対する割当は,教官25人,看護婦等1人,事務官等44人の計70人となっているが,従前との大きな違いは,教官の定員削減数が大幅に増加したことである。

2)大学の立場からすれば,このような厳しい定員削減は大学運営上大変困るが,国の政策決定である以上取り組まざるを得ず,教官分については,各学部の協力を得て,既に対応方針を決定している。また,事務官等については,これまでの定員削減計画の大部分を占めていたこともあって,かなり厳しい状況であるが,事務組織の更なる見直しを全学的に進めるなど,何とか対応していきたいと考えている。


(4)山形大学地域共同研究センター霞城サテライトについて

1)本学の地域共同研究センターについては,センター棟が米沢市(工学部内)に所在しているため,全県的な連携推進の上で地理的支障が生じており,特に,村山,最上及び庄内の県北地域企業等との緊密な連携のための拠点整備が必要となっていた。このような中で,このたび山形県及び財団法人山形県企業振興公社等の御支援により,山形駅西口の「霞城セントラル」15階内に,同センターの拠点施設として「霞城サテライト」を設置することができ,関係各位に対し,大学として心から感謝申し上げる。

2)今後,霞城サテライトにおいては,本学の研究成果を活用した県内各企業等との共同研究をはじめ,企業経営に関する研究や各種セミナーの開催等,幅広く活用していきたい。


4 議  事

(1)山形大学における国際交流推進のための取組方策案について

成澤学長から,資料1に基づき,国際交流推進のための取組方策,特に,そのための資金的基盤確立の必要性とその基本構想について概要説明の後,各委員から,次のような意見等が開陳された。
(○:各委員,●:大学側)
○資金確保を教職員による自助努力から始めたいとの意向については,大変立派なことであり敬意を表したい。ただ,それだけでは自助努力の限度を超えるものがあると思われ,やはり我々としても支援していく必要があるのではないか。
 任意団体を設置して寄付を募るとすれば,寄附者の税法上の特典はどうなるのか。

●学外の任意団体が行う募金ということであり,寄附控除は難しいのではないか。

●特定の事業のためにということではなく,毎年恒常的に資金を確保する必要があること,また,その学外団体は試験研究法人のように指定法人ではないため,税法上の優遇措置は難しいと考えている。諸状況を考慮すれば,無理のない範囲で働きかけることを前提に現実的な構想で進めたいと思っている。

○県としては国際交流協会を通じて支援する体制はあるが,大学全体として国際化に向け邁進することは大変すばらしいことと思う。少子化の時代ではあるが,交流人口の拡大を図ることは県としても期待している。また,現状では各学部ごとに交流を行っているが,そのきっかけはどのようなことなのか教えていただきたい。  例えば,教育学部の場合はどうか。

●教官の個人的な関係から始まったものである。年に2人程度の交流があるが,資金がないため教官個人に依存しているのが現状である。

○教養教育の中では,外国語への関心が高いようであるが,国際交流の面からもネイティブスピーカーの活用も必要ではないか。

○国際交流は大変大事なことであり,是非積極的に進めていただきたい。この程度の資金とすれば,協力は得られるのではないか。企業の立場から言えば,山形県関係の海外の現地法人は70社があり,中国と米国が各20社で半分以上を占め,残りは東南アジアが圧倒的に多いが,経営者の方々からは,相互理解のための話し合いの場を作っ てほしいとのニーズがあり,留学生と県内企業の交流を是非図る必要がある。

○芸工大としても,資金の確保は切実な問題である。県の国際交流協会の支援を受けている留学生は待遇面では恵まれている。また,交換留学生としてスウェーデンの大学との交流も行っているが,残念ながら資金はほとんど相手方のものである。国際交流について考えてみると,一大学で実施するのは限度があると思っており,県内の大学全体としての交流協定を早く作って,その中で留学生の枠を考えていくなど,地域全体の交流を進めてはどうか。その上で,資金も地域からということになればいいのではないか。

○秋田県では米国のミネソタ州立大学とのつながりを利用して,国際系の大学を作ろうとしている。また,県内の大学が連携して留学生に対するケアも行っているが,学生の教育環境として,ある程度の留学生がいないと意味のあるものにならないと思われ,その支援体制作りが重要と考えている。そういう意味でも,是非このような構想を進めていただきたい。

○また,日本の大学は留学生が帰国してからのアフターケアがない。欧米の大学はその辺をよく考えており,もし,国際交流を考えるとすれば,帰国留学生のアフターケアを是非考えていただきたい。

○資金の規模については,700万円から1000万円程度と考えているようだが,もう少し使途を明確にした方がいいのではないか。また,寄附する立場からすれば,税法上の損金扱いになるように考えていただく必要があるのではないか。国際交流はもっと推進すべきであり,寄附しやすいような環境を作っていただく必要があると思う。

●この資金では,各学部の独自の事業に対して支援ということではなく,あくまで大学全体としての事業への支援を想定している。本学では,現在,大学としての国際交流協定は一つもなく,今後,その取組を行おうとした際の資金的基盤を確立したいということである。なお,資金の規模については,無理のない範囲で細く永く支援していただきたいという趣旨で考えている。

○教職員の自助努力から始めるということは,大変良いことと思う。ただ,「使い切り」方式として考えるにしても,少しでも次年度に繰り越すことができるような資金確保方策を考えるべきと思う。また,大学間交流の面から言えば,例えば,山形県の姉妹都市の大学との間で,英語の研修プログラムを組むなどして,短期留学という面から交流を行うことも考えられるのではないか。

○国際交流への支援といっても,生活費もあれば,研究費という側面もあるわけで,どの程度の資金があれば生活しながら研究ができるのかと思う。そう考えれば,700万円程度では足りないのではないか。奨学金制度や賛助会員制度を考えるということも必要ではないか。

○このような構想は,大変良いことと思う。ただ,山形県内においては,国際交流の一翼を担って,小中学校に英語圏から語学教師を派遣していただいているが,2年間という短期間で各学校に派遣されるため,交流が十分とは言えない面がある。 山形市の場合は,スワンヒル市と姉妹都市になっている関係から,ホームステイや各種行事への参加を通して,交流が長続きしているようである。  山形大学における国際交流の推進を考えるとすれば,資金も大事であるが,生活の中で体験させる余地も考えれば,交流が効果的になるのではないかと思う。

○国際交流委員会報告の資料(5P)の中で,「外国人留学生が200人を超える大学については,・・・留学生センターの整備が行われる・・・」とあるが,これは国の基準ということか。

●そうではなく,200人を超えれば留学生センターの設置が認められ,日本語教育を含め外国人留学生の受入体制の充実が図られるということであるとご理解願いたい。

○国際交流は相手があるのであり,交流したいと思っても相手次第というところが難しい。山形大学として,特に交流を希望している大学があるということか。

●現在,数大学から交流希望があり回答しなければならないが,やはり,大学全体として考えるとすれば,大学の構成,学生数等が同規模ということが一つの判断材料になると思っている。具体的な話になれば,本学の国際交流委員会で審議されることとなるが,選択肢の一つとしては,県や市の姉妹都市の大学も視野に入れることもあると思う。

○この構想には基本的に賛成である。また,使い切りという点についても結構である。 資金の規模については,少し控えめな感じがするので,やはり目標額を決め,卒業生等も活用しながら着実に実行していくべきと思う。山形県内にも,500から600社の協力可能な企業があると思われ,是非声を掛けていただきたい。  また,切実な問題として,留学生が卒業・修了する場合,山形県内に就職するのは大変難しい状況がある。諸外国では国際交流は当たり前であり,今後,行政としても,是非全力でバックアップしていきたい。

 以上のような意見交換等の後,水戸部会長から,次のような発言があり,了承された。

1)本件については,その基本的方向について特段の異論がなかったことから,本運営諮問会議としては,山形大学における国際交流を中心とした資金確保構想に賛同したい。  また,大学としても,積極的に国際交流の推進をお願いしたい。

2)各委員におかれても,個人の立場で可能な限りバックアップしていくという方向で意見の一致を見たと理解したい。

(2)国立大学等の独立行政法人化問題に係る文部省等の検討状況について成澤学長から,本件について,資料2に基づき,現時点における文部省及び国立大学協会の検討状況について概要説明があり,次いで,各委員から,種々質疑及び意見交換がなされた。

(3)山形大学の予算及び平成13年度概算要求等について 齊藤事務局長から,本件について,資料3に基づき,概要説明があり,次いで,各委員から,種々質疑及び意見交換がなされた。

 これらを受け,水戸部会長から,次のような発言があった。

1)本日の討議内容は,議事要旨として取りまとめ,各委員の了承を得た後,山形大学のホームページに掲載し,大学の内外に公表することとしたい。

2)次回開催日は,2月から3月上旬頃を目途とし,詳細は,後日,大学側から連絡させることとしたい。

5 閉   会
水戸部会長から,閉会の辞が述べられ,会議を終了した。

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