山大マーク 運営諮問会議
第4回運営諮問会議議事録
平成13年6月29日(金)
 13時30分から15時7分まで
 山形大学事務局第一会議室
1 開会
2 学長挨拶
3議事
(1) 教育サービス面における社会貢献の在り方について
(2) 国立大学等の独立行政法人化問題等について
(3) その他
4 閉会
出席者
(会 長) 財団法人山形県企業振興公社プロジェクトマネージャー 水戸部 知 巳
(副会長) 東北芸術工科大学長 會 田 雄 亮
国際コミュニケーションレディースクラブ会長 井 上 みやま
山形県副知事 金 森 義 弘
山形県医師会長 國 井 一 彦
元山形市教育長 後 藤 和 弘
岡崎国立共同研究機構長 毛 利 秀 雄

欠席者 秋田県立大学長 鈴 木 昭 憲
山形県商工会議所連合会会長 鈴 木 傳四郎
株式会社山形銀行代表取締役会長 三 浦   新

列席者 学 長 成 澤 郁 夫    
副 学 長 沼 澤   誠 副 学 長 加 藤 静 吾
人文学部長 ● 木 紘 一 教育学部長 丹 羽 健 市
(代理:石島庸男評議員)
理学部長 鬼 武 一 夫 医学部長 仙 道 富士郎
工学部長 奥 山 克 郎 農学部長 佐 々 武 史
附属図書館長 近 藤 慈 夫 附属病院長 堀 川 秀 男
事務局長 中 根 孝 司
総務部長 若 松 俊 一 経理部長 中 川 義 明
学務部長 久 原   勇 施設部長 上 田 喜一郎
総務課長 山 ● 淳一郎 企画室長 樋 口 敏 昭

1 開 会
 
水戸部会長から,開会の辞が述べられた。

2 学長挨拶
 
成澤学長から,本日の会議に御出席いただいたことに対する謝辞が述べられた後,前回の会議以降における大学の主な状況等について,次のような説明があった。

(1) 工学部の入学者選抜試験における合否判定過誤について
1) このたび,平成9年度から平成13年度までの工学部入学者選抜試験において合否判定過誤が判明いたしました。
2) 入学者選抜試験において,誤りは決してあってはならないことであり,多数の受験生やその保護者に多大な御迷惑をかけたばかりでなく,入試制度に対する国民の厚い信頼を著しく損ねたこの事態を,本学として深刻に受け止めております。
3)当面,全学を挙げて新たに合格者となる方をサポートする体制をとり,入学される場合の修学上や生活上の問題等について,不利益とならないよう万全を期すよう準備を整えております。
4)その中で,本年4月に遡っての新入生63人を迎え,本日,午前中に遅ればせながら入学式を挙行したところです。
5) 一方,この事態を受け,事実関係の徹底的な究明を行うため,原因調査専門委員会を設置し,このたびその報告書を受け取り,現在は責任問題の調査に当たっております。
6)今後は,入学試験委員会を中心に,再発防止に向けて,入学者選抜試験の実施体制及びチェック体制等を抜本的に見直し,社会的信用の早期回復に全力を上げる決意です。

 なお,総務課長から,資料2に基づき本件に係る概要及び経緯の説明があった。

(2) 国立大学の独立行政法人化問題等について
1) 前回会議では,国立大学協会等の独立行政法人化に対する一つの考え方について説明申し上げたが,去る6月12日(火)に国立大学協会の総会が,6月14日(木)に文部科学省主催の全国国立大学長会議が開催され,独立行政法人化について議論してきたところである。詳細は,後ほど説明させていただくが,文部科学大臣の改革プランが示されるなど,ドラスチックな改革が予想される展開となってきている。

(3) 自己点検・評価について
1) 全学的な動きとして,前回説明申し上げた大学基準協会の加盟判定審査を受けるための自己点検評価報告書を作成し,全学委員会で最終確認を行っているところである。
2) また,本日の主要議題ともなっている大学評価・学位授与機構が実施する評価については,事前調査票を提出しており,実地調査等に向けて同委員会で準備中である。特に「教育サービス面における社会貢献」については,本日の当会議において頂戴する御意見を踏まえ,改善案の策定や今後の対応等に活用させていただきたい。

3 議事
(1) 教育サービス面における社会貢献の在り方について

 成澤学長から,資料1に基づき,教育サービス面における社会貢献に関する目的,目標等について説明の後,各委員から,次のような意見等が開陳された。

(○:各委員,●:大学側)
○公開講座の内容が充実しているのには感心した。さらに多くの開講を希望する。また,資料1にもある県内の高速通信ネットワークを整備した上での公開講座の実現に期待したい。
 これが発展し,県内のみならず県外とも結び同時に受講できるようになればと考えている。
是非一緒になってお手伝いしたい。

○ 次世代のことも真剣に考えていることは心強さを感じる。初等中等教育と大学教育とのギャップの大きさが問題であり,それをどう埋めるかが教育制度面の課題である。県と協力し,例えば,高校教育の中に大学の一般教育科目を組み入れるなど,地方公共団体の制度の中で可能なものを組み入れないと国際的な競争社会に太刀打ちできないのではないか。
○8つの提言内容は積極的な姿勢が伺える。これまで培ってきた行政と大学の連携を今後も保ち,必要な政策提言等も含め実現に向けた支援ができればと考えている。

○公開講座に小・中学生をも受け入れ,大学に接する機会を持たせることが重要ではないか。大学教員の声に接することや交わした一言が大きな刺激となると思われる。そういう場面を多く作ってほしい。
 また,小・中学校では図書の資料が不十分である。大学の図書館や博物館で資料を閲覧することは可能か。

●PR不足であるが,もちろん可能であり,附属図書館については,土曜日及び日曜日も開放している。

○公開講座のテーマが,抽象的なものからリサイクル,環境問題等実際に即したものに変わってきていると感じた。地域との交流の観点からいえば,大学生の実地体験などによる地域参加を期待する一方,農場や演習林など大学の施設を使った企画など,マスメディアの活用をも含め,いろんな層からの交流を進めていただきたい。地域へのアピールという点では,東北芸術工科大学は非常に上手で,山形大学は堅い感じがする。

○医学関連の講座は,定員より参加者がオーバーしており,関心の高さが伺える。医療の進歩のスピードは著しく,中核病院でも講演してほしいという要望はあるが,労力と時間も必要なので,医学部と相談しながら実現化を図りたい。

○学術用語を子供に分かるように話すのが一番難しい。県や市の協力が必要ではあるが,中学校や高等学校の教員を対象にしたセミナーを開催することも地域貢献につながって行くのではないか。

以上のような意見交換等の後,水戸部会長から,本件については,その基本的方向性や掲げた目標などについては,特段の御異論はなく,また,第1回の本運営諮問会議においてフリートーキングを行った際に各委員から出された視点及び前回審議した「山形大学のあるべき姿」とも整合性がとれていると思われることから,本運営諮問会議としては,本日各委員 から出された意見を踏まえていただいた上で,更なる改革努力を見守り,学位授与機構の評価結果を報告いただいた上で,再度御意見を申し上げることとしたい旨発言があり,了承された。

(2) 国立大学の独立行政法人化問題等について
 成澤学長から,資料3に基づき,現時点における文部科学省及び国立大学協会の検討状況についての概要説明の後,特に,文部科学大臣の改革プランである大学の構造改革の方針について説明があり,種々意見交換がなされた。
 なお,主な意見は次のとおりである。

○国際化という時代の趨勢からして,ある程度の競争原理の導入はやむを得ないという感じは受けるが,どうしてこんなに急ぐのか。

●国立大学協会事務連絡会議において,改革プランが出された背景について説明があったが,それによれば,総理大臣の諮問機関である経済財政諮問会議の検討課題の中に,国立大学の民営化が項目としてあったため,文部科学省としては,それをうち消すために急遽大臣プランという形で出したということであった。

○国の政策形成の過程が変わってきているようだ。地方公共団体関連でも,地方交付税を1兆円減ずるとか特定財源を一般財源化するなど,各省庁とも,これまで暖め持っていた課題を出し反応を見ながら政策を展開しているような感がある。大学の地方移管といった話も出るかもしれないが,互いに情報交換を密にして対応できればと考えている。

○いずれ競争的環境に入るとすれば,社会貢献の観点に加え,マーケティングの観点からも,小・中・高校との交流が必要ではないか。

●大学評価の方法や独立行政法人化への対応など,一方でじっくり議論しているときに,並行して,先取りした形で改革の方針が出てくるなど,とまどう部分が多い。競争的環境に移行していく中,どういうスピードで大学の意思形成を行い,本学としての個性を打ち出して行くかが大きな課題と考えている。

○今,直面している私大の現状は,約半分の大学が定員割れを起こしており,大学全入時代が既に現実となって目前に迫ってきている。私学助成の見直しの動きもあり,私大全体がいかに競争力を付け良い大学にするかが問われている。

これらを受け,水戸部会長から,次のような発言があった。
1)本日の討議内容は,議事要旨として取りまとめ,各委員の了承を得た後,山形大学のホームページに掲載し,大学の内外に公表することとしたい。
2)次回開催日は,10月から11月上旬頃を目途とし,詳細は,後日,大学側から連絡させることとしたい。


4 閉 会
 水戸部会長から,閉会の辞が述べられ,会議を終了した。

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