山大マーク 運営諮問会議
第5回運営諮問会議議事録
平成14年3月8日(金)
15時00分から16時40分まで
ホテルメトロポリタン山形
1 開  会
2 学長挨拶
3 議  事
(1)再編・統合に向けた取組方策について
(2)国立大学の独立行政法人化問題等について
(3)その他
4 閉  会
出席者
(会 長) 財団法人山形県企業振興公社プロジェクトマネージャー 水戸部 知 巳
国際コミュニケーションレディースクラブ会長 井 上 みやま
山形県副知事 金 森 義 弘
山形県医師会長 國 井 一 彦
元山形市教育長 後 藤 和 弘
秋田県立大学長 鈴 木 昭 憲
山形県商工会議所連合会会長 鈴 木 傳四郎
株式会社山形銀行代表取締役会長 三 浦   新
岡崎国立共同研究機構長 毛 利 秀 雄

欠席者 (副会長)東北芸術工科大学長 會 田 雄 亮

列席者 学 長 仙 道 富士郎    
副 学 長 沼 澤   誠
副 学 長 鬼 武 一 夫
人文学部長 ● 木 紘 一
教育学部長 石 島 庸 男
理学部長 植 村   治 (代理 井町 昌弘 評議員)
医学部長 遠 藤 政 夫 (欠席)
工学部長 遠 藤   剛 (代理 大場 好弘 評議員)
農学部長 佐 々 武 史 (代理 笹原 健夫 評議員)
附属図書館長 近 藤 慈 夫 (欠席)
附属病院長 堀 川 秀 男
事務局長 中 根 孝 司 総務部長 若 松 俊 一
学務部長 久 原   勇 施設部長 上 田 喜一郎
総務課長 山 ● 淳一郎 主計課長 山 腰 俊 昭

1 開 会
 水戸部会長から,開会の辞が述べられた。

2 学長挨拶
 仙道学長から,本日の会議に御出席いただいたことに対する謝辞が述べられた後,前回の会議以降における大学の主な状況等について,次のような説明があった。
(1)工学部の入学者選抜試験における合否判定過誤等について
1)昨年5月に発覚した本件については,多数の受験生やその保護者に多大な御迷惑をかけ,入試制度に対する国民の厚い信頼を著しく損ねたこの事態を本学として深刻に受け止め,社会的信用の早期回復に全力を挙げ取り組んでいるところです。
2)昨年6月29日(金)の新入生63人を迎えた前期入学式の後,9月27日(木)には45人を対象とした後期入学式を挙行いたしました。
3)一方,責任問題の調査結果に基づき,62人の教員に対し懲戒処分が行われ,懲戒処分に至らなかった67人に対しても訓告,厳重注意等の処分が行われました。
また,12月27日(木)には,文部科学省の賠償方針が決定され,新たな正規合格者へ周知し,現在,個別に賠償手続を進めているところです。
4) 新たに入学した学生に対してのケアとしては,アドバイザー教官制を採り学生個々人に対する学修上の指導や生活相談を行うとともに,学生相談室を設置して専門カウンセラーによるカウンセリングの実施しています。さらに,前期入学者は9月に,後期入学者は12月に合宿セミナーを開催し参加学生を上回る教官,先輩学生と今後の学生生活について話合いを持っております。
5) しかし非常に残念なことに,今回の教訓が生かされない事態が発生してしまいました。受験生への実害はなかったものの本年1月に実施した養護教諭特別別科入学者選抜試験において出題ミスが発生し,また,本年2月に実施した一般の入学試験においてもいくつかのミスが発生いたしました。
6)現在,入試業務一連の枝葉の部分に至るまで,詳細な見直しを各学部において実施しているところです。
7) 今後,このような過ちを二度と繰り返さぬよう全教職員一人一人が意識を改め入試業務に当たっていく所存です。

(2)医学部附属病院における医療過誤について
1)新聞報道等で御承知かと存じますが,去る平成8年1月に医療過誤が発生いたいました。その概要は,席上配布の資料のとおりで患者御本人とご家族のプライバシーを第一に考え詳しい説明はできませんが,注射液のチェックを1人体制から2人体制に改善しダブルチェックを行うなど医療事故防止対策を策定するなど,再発防止に努めております。

(3)国立大学の独立行政法人化問題等について
 前回会議では,昨年6月の国立大学協会総会における独立行政法人化についての議論を紹介申し上げたが,その後,9月に文部科学省調査検討会議の中間まとめが出され,まもなく最終報告書が出される予定となっている。

(4)自己点検・評価について
1)前回説明申し上げた大学基準協会の加盟判定審査については,昨年8月に大学基準協会 へ自己点検評価報告書を提出し,本年1月末には判定審査委員会による審査・判定を受け 特段の問題はないとの情報が入っており,現在,判定結果通知を待っているところである。 2)前回御審議いただいた「教育サービス面における社会貢献」については,昨年7月末に大学評価・学位授与機構へ自己評価書を提出し,その後書面調査及びヒアリングを受けており,今月中に評価結果が公表される予定となっている。

(5)ロゴマークについて
1)西暦2000年を契機に本学の発展を期しつつ,教職員・学生が一体感を高めるに相応しい象徴としてロゴマーク及び校旗を制定するため,平成12年11月から学内委員会で取り組んできていたところであるが,デザイン公募等を経て,昨年11月にロゴマークデザインが決定した。封筒等に刷り込むなどして広く利用していく予定である。
2)つい先日,出来上がった校旗を持参した。

(6)学寮問題について
1)昨年9月から開始された学寮の改修工事が最終段階に入ってきており,今月末に竣工予定となっている。
2)寮名も学内公募の上「清明寮」と名称を新たにし,4月からは,男子,女子及び外国人留学生の混住寮として学生の利用に供していくこととしている。

3 議事
(1)再編・統合に向けた取組方策について  仙道学長から,資料1に基づき,再編・統合についての基本的考え方や本学の検討体制,取組みの基本方針等について説明の後,各委員から,次のような意見等が開陳された。
(○:各委員,●:大学側)
○適切な対応を採られていると思う。教員養成問題に係る三大学連絡会議については,山形県としても最大の関心事であり,2月の県議会でも質問を受けており,知事からは,教育学部の歴史と伝統を重んじ,存続の方向で大学と意見交換していく旨答弁している。
 少人数学級の導入を初めとして,教育県山形として教育に力を注いでいるところであり,教員の採用も増やす予定である。県の意向も組み入れて,十二分に検討願いたい。

○資源のない本県としては,教育を世界への競争力として培う必要があると思う。教育が日本の資源と位置付け,山形大学の理念の中で構築してほしい。

○教育学部だけではなく,山形大学を日本の基幹大学となるような大学にしてほしい。統合は全国的にどの程度進んでいるのか教示願いたい。

●現在進んでいるのは総合大学と単科医科大学との統合で,単科大学同士の統合の話しもある。総合大学同士としては,群馬大学と埼玉大学との統合の話がでているようであり,それ以外の情報として,島根大学と鳥取大学が教育学部の関係で協議を始めたと聞いている。

○教育学部の附属学校の役割であるが,学生を教育実習だけではなく,学校行事にも参加させてはどうか。また,県との連携を密にし計画的な人事交流を行うことなどして,附属学校を教育県山形の重要な施策の一部と位置付け存続させてほしい。

○大学に対する力強い声援をいただいたと思っている。法人化に伴い,大学の設置形態が変わることがはっきりしているので,県として大学をサポートする具体的なものを打ち出していただくと山形大学としても心強いのではないか。地域に根付いた国立大学を実質的にサポートできるのは県であると思う。

○大事なことをお話しいただいた。山形大学は,分散キャンパスで地域密着度が強いと思われる。より積極的に地域との連携を強めていただきたい。県としても,直ちに平成14年度から教員の正規採用という考えもあったが,初年度は臨時採用からスタートする。本県の採用予定人数は既に数字が出ているので,大学に判断いただいて利用してほしい。これまで以上に大学と緊密な連携をとっていこうと考えている。

以上のような意見交換等の後,水戸部会長から,本件については,その基本的方向性などについては,特段の御異論はなかったと思われるので,本運営諮問会議としては,本日各委員から出された意見を踏まえていただきながら,山形大学の理念に沿って魅力ある大学づくりに御努力願うこととし,方向性がある程度定まった時点で,本運営諮問会議に御報告をいただいた上で,再度御意見を申し上げることとしたい旨発言があり,了承された。


(2)国立大学の独立行政法人化問題等について
仙道学長から,資料2に基づき,国立大学等の独立行政法人化問題に係る文部科学省等の検討状況について概要説明の後,種々意見交換がなされた。
なお,主な意見は次のとおりである。

○教育に競争原理を導入することに疑問がある。財務内容が変わってくるので,そこをきちんとする必要があるが,成果を計るものとして数字を裏付けにしてほしい。

○評価をどうするか,評価の基準が焦点になるのではないか。短期間に出ない成果もあろう。市場原理はなじまないと思う。

○競争的環境に入ることは避けて通れないのではないか。少子化により学生数が減ることは取り合いを意味している。受験生が殺到するような大学にいかにしていくかが重要ではないか。

○教学と引用研究論文数,外部資金の獲得金額及び消耗品費といった見える数字をいかに両立させるかが大学の仕事となるのではないか。

● 研究の成果を教育に活かしていく必要があると考えている。また,地域で活躍中の人材の評価として,本学出身者と他大学出身者との比較した場合の評価を情報収集する努力が必要と考えている。

● 本学の機能をどう改善できるか,いい競争原理を取り入れていい学生が集まるよう努力していく必要があると考えている。

これらを受け,水戸部会長から,本日の討議内容は,議事要旨として取りまとめ,各委員の了承を得た後,山形大学のホームページに掲載し,大学の内外に公表することとしたい旨発言があった。

4 閉 会
 水戸部会長から,閉会の辞が述べられ,会議を終了した。

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