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トップ > 卒業生のひろば > 卒業生からの寄稿コーナー
「山形から憧れの世界の舞台へ」 |
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柴田 泉さん (山形県村山市出身) H19.3 教育学部 生涯教育課程 音楽文化コース 卒業 現在: ドイツ、ヴィースバーデン劇場 専属合唱団員
私が山形大学を選んだ理由は、当時音楽教員を目指しており、地元山形の教育学部で学び たいと思ったからです。そして学んだ生涯教育課程音楽文化コースにはYCMオペラサークル というものがあり、そこでの経験が私の進路を大きく変えるきっかけとなりました。 YCMオペラサークルは年に一回、学外の大きなホールを借り、プロの演出家、舞台監督、衣 装さん、ヘアメイクさんが付き、一本のオペラ公演を行っていました。 私達が中心となった2006年3月のオペラ公演ではモーツァルトのオペラ「コジ・ファン・ト ゥッテ」を全幕イタリア語の原語上演、日本語字幕付きという初の試みにチャレンジしまし た。そしてそれをきっかけにどんどんオペラの楽しさにのめり込んでいくようになり、いつ しかヨーロッパの本場の舞台に立ちたいという志を持つようになりました。 そして、山形大学卒業後、音楽の都ウィーンへと渡り、 ウィーン国立音楽大学の大学院、オペラ科、リート・オラトリオ科で学びました。ウィーン では学生生活の傍ら、コンサート歌手、教会音楽のソリストとして活動していました。 大学院修了後は今まで学んできたことを生かせる仕事としてドイツの劇場の専属合唱団員に なることを選びました。劇場の専属合唱団員という職業はあまり日本では馴染みがないかも しれません。ドイツには各地域に劇場があり、プロの専属合唱団を抱えています。国か州で 運営しているので公務員扱いとなり、歌手として安定した仕事を得られるということもあり、 最近では人気の職業の一つとなっているため、現在は音楽大学の声楽科を卒業した人のみこ の職業に就くことができます。 今までにマグデブルク劇場、キール劇場で働き、現在、ヴィースバーデン劇場に勤務しております。 仕事の内容は午前中に音楽稽古もしくは舞台での立ち稽古をし、お昼に仕事は一旦終了、 夜に公演もしくは稽古のためにまた2度目の出勤というスタイルです。年間に約110回公演があり、 イタリア語、ドイツ語、フランス語、ロシア語、チェコ語、英語とさまざまな言語のオペラを歌います。 そして劇場によって違いはありますが、夏(7, 8月)は劇場が夏休みに入るため、自動的に私たちも休暇となります。 私はこの期間、ザルツブルク音楽祭でウィーン国立歌劇場の合唱団員として働いています。 合唱団員としての活動の傍ら、2015年にはドイツのシュバインフルト劇場、ヴォルムス劇場 でソロデビューする機会にも恵まれました。運命的にもYCMオペラで初めて演じた「コジ・ファン・トゥッテ」のデスピーナ役でした。 少し時間がかかりましたが、ヨーロッパの舞台に立つという夢が現実となった瞬間でした。 最後に、YCMオペラの活動に多大なる支援を頂いております校友会様に心より感謝申し上げ ます。私自身も今まで培ってきた経験を生かし、夢を持つきっかけとなったYCMのオペラや 地元山形の音楽活動のお役に立てるような機会を今後持つことができましたら幸いに思いま す。 最後まで読んで頂きありがとうございました。
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