山形大学校友会
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 「山形大学へ感謝をこめて」

     小原 淳史 さん   (岩手県盛岡市出身)
        H8.3  工学部 物質工学科 高分子化学専修コース 卒業
        現在: 特許業務法人平木国際特許事務所バイオ・化学グループ 勤務


弊所の会議室にて同じバイオ・化学グループの弁理士と
(後ろに東京タワーが見えます)
<山形大学に入学した動機>
  私の出身は岩手県ですが、幼い頃より、父親の仕事の関係で東北地方を引っ越して回りました。子供時代の一番楽しい時期(小学校4~6年)を天童で過ごしましたので、山形は自分にとって第二の故郷であるという思いがそもそもありました。
  高校で有機化学・高分子化学を(少しですが)学び、興味を持っていたところ、受験生向けの雑誌で山形大学の高分子分野は世界的に有名であることを知り、志望することにしました。その当時は成澤郁夫先生のお名前が紹介されていたと思います。

<山形大学での学生生活>
  1年生の頃は、賄い付きの下宿に住んでいました。下宿には同学年の友達が多くいましたので、皆でつるんで温泉やスキーに行ったり、日が暮れるまで外で無駄話をしたり、本当に楽しい仲間たちとの生活でした。

  サークルは、中学・高校に引き続き柔道部に所属し、米沢に移ってからはたまにしか小白川の稽古に参加できませんでしたが、大会にも出て、東北国公立大学の大会では個人で準優勝することができました。決勝の時は既に自分の成績に満足してしまい、がむしゃらに勝ちに行く気持ちはなくなっていたように思います。そういう甘いところは今でもあり、もっと自分に厳しくと思いつつ二十年以上経過してしまいました。最近では、四十肩など老化現象に苦しんでいます。米沢では、市立体育館にも毎週稽古に通い、市民の皆さんや高校生とも良く練習しました。冬の夜、地吹雪の中を歩いて道場に向かったことを思い出します(帰りに酔っぱらって雪の中で眠りそうになりました)。柔道部でご一緒した先輩~後輩の皆様、お元気でしょうか。お会いしたいです。

  4年次には、増子徹先生・米竹孝一郎先生の研究室に所属し、主鎖型液晶高分子の構造について研究しました。高分子材料の特性は、一次構造だけでは決まらず、分子鎖の配向状態など高次構造が強く影響します。高分子を学んだ人は、一つの材料をいろんなレベルで見ることができ、その能力は現在の仕事でも顧客の発明の本質を捉える場面で大変役に立っています。物質を理解する上で必要な視点を授けてくださった両先生には心より感謝しています。

<なぜ、現在の仕事を目指したか>
  大学3年の頃、昼休みに生協で立読みをし、「弁理士」という資格を知りました。たしか「技術と法律の間に棲む人々」と書いてあり、かっこいいなと思ったのがきっかけです。その時は、まさか十年以上も試験を受け続けることになるとは知る由もありませんでした。

<現在取り組んでいる仕事や仕事のやりがい>
  多くの特許事務所における弁理士と同じように、顧客がした発明を明細書という文章にまとめて特許庁に出願し、審査官に拒絶されたら反論するなどして権利化します。外国から日本、日本から外国に出願することもありますので、英語の読み書きも仕事の多くを占めます。訴訟の代理人として法廷に立つ機会もありました。医薬から電池、金属材料まで、化学っぽい分野を幅広く担当していますので、勉強することが尽きません。それが悩みであると同時にやりがいになっています。

<プライベート>
  天童にいた頃は将棋に熱中していましたが、最近は囲碁を一生懸命やっています。バランス感覚と集中力を発揮して、2018年こそは有段者を目指したいと思います。

<後輩へ伝えたいこと>
  先日、二十代、三十代の山大OBが議論する場に同席し、衝撃を受けました。私よりも後輩の皆さんははるかに厳しい時代を生き、真剣に人生に向き合っているなと感じました。ですから特にアドバイスはないのですが、先輩としては、東京砂漠(コンクリートジャングルともいう)にいると余計に、山大の後輩に会うと手放しで嬉しくなります。お近くにお越しの際は是非連絡下さい。もちろん多めに出しますので、新橋で焼き鳥でも食べましょう。

毎月会う囲碁仲間と
(手前が筆者)