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トップ > 卒業生のひろば > 卒業生からの寄稿コーナー
「“バーベルクラブ”誕生秘話・・・現役学生に伝えたいこと」 村越 哲雄 さん (福島県須賀川市出身)
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山形大学にはかつて重量挙部がありました。しかし、残念ながら平成5年に部員ゼロとなり、廃部となってしまいました。 実は山大重量挙部はウェイトリフティングの黎明期から存在し、山形ウェイトリフティング協会設立に大きく関わっているばかりではなく、オリンピック選手の育成にも関わっていた事実はあまり知られておりません。大学対抗戦として慶応大学との定期戦もありました。 この様な歴史もあり早くからOB会が結成され、一時は支部会が八つを数える時期もあったほどで、現在も定期的にOB会を開催し、旧交を温めております。 その様な折1954年創部から60周年を迎えたOB会の席上、何とか部の復興が出来ないかとの提案があり、当時のOB会幹事を中心としたプロジェクトチームを結成、学内での試技やトレーニング講習会を開催し、遂に部員の確保が実現し、昨年正式なサークルとして認定されました。OB会の尽力に加え校友会のサポートがなければ達成出来なかった、大変難しいチャレンジでした。校友会事務局の皆様には改めて御礼申し上げます。今後もこのサークルが維持・発展出来る様OB会も支援してまいります。 サークル名は“バーベルクラブ”となり、農学部でも活動が開始されました。 今年の新入生歓迎FESTIVALもOBが参加しての部員確保を行なっています。
ウェイトリフティングは長い歴史をもつ競技です。第1回アテネ大会から正式種目として採用され、シドニー大会から女子も加わりました。ロンドン、リオデジャネイロ大会で銀、銅メダルを獲得した三宅宏実選手は、親子二代のメダル獲得として話題にもなりました。 競技人口は約3500人でマイナーなスポーツですが、一度経験すると魅了される人が多いように思います。現にOB諸兄の中には70歳を優に超えて現役で活躍(勿論シニアクラス)されている方もいる程です。頑張った分自分にかえってくるのは重量という数字の記録であり、時として自分の可能性を超えて行く感覚にも浸れます。筋力を強化して健康になれ、記録により勝敗が決まる明快さ、今まで挙がらなかった重量が挙がる時の達成感、等々正に心と体を一体としてとらえる事の出来るスポーツと言えます。このような特性を活かし、教育の一環として授業に組み込めないか、との研究もされているようです。 学生時代はある意味答えのある問題を解く事にありますが、社会人となると殆どは答えのない問題を解く事ばかりです。これには知識に加えて強い精神力と、これを支える体力が大切になります。社会に出てから様々な経験をしましたが、六十代後半を迎えて未だ現役サラリーマンを続けられるのも、この競技を通じて得た経験あればこそ、とつくづく思います。 十年程前からになりますが、新入社員採用の面接を行っています。当初はどの様な採用基準とするか全く見当がつかず、とりあえずは運動系学生を主に採用していました。しかし、入社後の状況を見ると、その判断は間違っていないことに気づきました。 『体育会の学生は就活に有利である』 一度は耳にした言葉だと思いますが、部活を通じ次の項目を習慣として身に着けている事が、社会人になっても活かされるからだと思います。 ● 目標達成にむけて計画、努力出来る ● 勝ち癖がついている ● 打ちのめされないメンタル・体力を備えている ● スケジュール管理能力がある ● 礼儀正しくコミュニケーション能力がある 加えて体育会系は経験豊富なOBとの交流が多いのも特徴であり、これも財産のひとつとなります。 “ただ重力に向かい合う” これ程単純なスポーツを通じたたくさんの学びや経験が、人生に大きく影響している事を現役の学生さんに伝えたい思いで、投稿してみました。 “バーベルクラブ”の部室は、グラウンド直ぐ隣にあります。是非一度立ち寄ってみてください。
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