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 「地域資源とは、まちづくりとは、」

  佐藤 春花 さん (宮城県仙台市出身)
   H28.3 地域教育文化学部地域教育文化学科生活環境科学コース卒業
   現在:株式会社本間利雄設計事務所設計事業部 兼 地域環境計画研究室勤務
                  


「LIGHT UP NIPPON・大槌町」にて(筆者は右端)  

 小さい頃は、なにをして遊んでいましたか。
私は “秘密基地づくり”でした。アジサイの木の中や、冬は「かまくら」を作って日が暮れるまで中で遊んでいました。そんな子ども時代があったからか、気づけば建築の仕事を志していました。

 山形大学に進学したのも、佐藤慎也先生の当時の研究内容に“ダンボールハウス”というのを見つけてこの研究室に入ろうと思ったのが決め手でした。
 “ダンボールハウス”に子どもの頃の“秘密基地”を彷彿とさせたのもありますが、建物を造るだけではない建築の可能性と面白さを感じました。建築によって地域の賑わいに貢献できることは何かということを考えていたからもあります。

 大学では建築の勉強をする傍ら、佐藤研究室の活動で主に岩手、宮城の三陸地域へ行っていました。活動のひとつにある「子どものまち・いしのまき」は、まちの仕組みの中で子どもたちがやりたいこと、なりたいものに挑戦しながら交流学習していく活動で、震災復興と地域活性化の一環としての取り組みです。私がそうであったように、子ども時代の“わくわく、どきどき、”が子どもたちの将来の糧になればと思います。


「子どものまち・いしのまき」イベント
 私自身、活動を通して発見が多く、子どもたちが目一杯笑っていると自然と周りにいる人も楽しそうで、その場所も賑わい、自然と人が集うようになると感じました。
 特に,印象的であったのは、「この活動に参加するとあの人に会える」「あの場所に行くとこの人に会える」といった声でした。

 それゆえ、私にとって“地域資源”とは、その場所に集う“人”ではないかと考えるようになりました。人が集い、人がつながり、町を越えて県を越えてコミュニティを広げていくのだと思います。
私も、大学時代のつながりで卒業後も仙台で『こどものまちの活動』を続けています。そこで知り合った方の紹介で山形、宮城での活動にも手伝いに行くようになりました。


「仙台こどものまち」イベント
 そうした大学時代があり、私は「建築によって人が集う場所をつくりたい」と、設計の仕事につきました。現在の会社では、設計室と兼任で地域の文化や風土を調査研究する部署で仕事をしています。地域に根付いているものというのは、そこに暮らす人や地形が生み出してきたものです。地域性を設計へ入れ込むことで、より永く愛され人の集う空間を創ることができると考えています。なによりその土地のことを知り、魅力的に感じたことが他の誰かにも伝えられれば最高ではないでしょうか。 多くの人が集い交流する場所、地域の人が集う秘密基地のような場所、様々な人にとっての居場所を作る。そうした基地を増やしていくことで『より良いまちづくり』につながり、ひいては、集った人々によって賑わいのある豊かな地域になっていく手伝いができればと思っています。


「里山プレーパーク」大槌町(筆者は中央)

 みなさんも故郷や山形に集うかけがえのない存在です。その集合が地域を盛り上げる活力になります。仕事でも部活でも遊びでも、自分なりに目一杯楽しんでください。