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 「感 謝」

   地域教育文化学部地域教育文化学科 異文化交流コース4年 鈴木 杏

 
(中央が鈴木さん)

 733(±50~100)
 何の数字だと思いますか?TOEICの点数にしては中途半端ですし,センター試験の合計点は…もう忘れました!
 正解は,私が大学に入学して出会った人の数です。この原稿の依頼を受けてからSNS等を駆使して計算した結果,このような数字になりました。連絡先を知らない方(バイト先の常連さんや,旅行先で仲良くなり一緒に食事をした方等々)もたくさんいますので,±50~100とさせていただいております。自分でも大変驚いております。4年間でこんなにたくさんの方々と出会い,支えていただいていたとは…。後輩たちから「杏さんの人脈と情報網はヤバい」と言われた理由がやっとわかった気がします。
 この場で述べて良いことなのかわかりませんが私は入学当初この大学に来たことを後悔していました。センター試験で失敗して仕方なく選んだ大学だったからです。ですが今は,山形大学で4年間学ぶことができて本当に幸せだったと思っています。大学在学中は多くの方々との出会いを通して,それまで知らなかった世界を知ることができました。言い換えれば,周りの方の技を自分のもののように使って,多くのことに挑戦できました。ですので,私にとってこれまで出会った方々は全員先生のような存在です。年齢は関係ありません。サークルでは障がいのある子どもたちから素直な表現力,彼らの保護者の方からは子どもとの接し方を教わり,ボランティアでは日本に住む外国人の方や在日の子どもたちの教育支援の現状について学び,国際交流では海外の大学で日本語を教えることを通して,外から見た日本文化・日本語の曖昧さ,そして自分たちの文化との違いを知ることができました。他にも,語学力のある方,歌やダンスが上手な方,絵心のある方,料理の上手な方,リーダーシップのある方,行動力のある方等々多くの方々と出会い,そこで得たものを別の場所で生かすことができました。






 「それだけ引き出しが多ければ,就活も余裕でしょ?」と友達や先輩に言われましたが,人生はそんなにあまくないもので6月末に人生の大きな決断をすることになりました。それは父の他界です。4年ほど前から体調が悪かったのですが,私が就活を始めるとすぐに容体が悪化してしまいました。母から父の他界の電話をもらった日,私は第一志望の企業の面接を控えていました。父の葬儀の日が第一志望の最終面接,しかも面接会場は東京のため前日から家を出なければいけない。そうなると,通夜も葬儀もどちらも出席できない。父を選ぶべきか自分の夢を選ぶべきか,一日中悩みました。そして,生まれて初めて父を恨み,遺体に向かって暴言を吐いていました。結局,家族大好きな私は第一志望を諦め,先に内定を頂いていた別の企業への就職を決めました。どちらを選ぶべきだったのか正解は未だにわかりませんが,私はこれで良かったのだと受け止めています。大学に入学する前の自分なら,いろいろと後悔をしていたかもしれませんが,今の自分には,多くの仲間,大学で学んだ知識,海外での経験やボランティアを通して作り上げた豊富な引き出しという武器があるからです。





  4年間の学生生活では,語学・文化・歴史・経済といった自分の好きな分野を学び,8つの国と地域を訪れ,いも煮とラーメンが大好きになり,地元の新潟でも「んだず」を使ってしまうなど,この大学に来なければ現れない変化がたくさんありました。改めて,山形大学の学生で“いがった”と思っております。山形は私の第二の故郷になりましたので,卒業後も時間があれば必ず帰ってきます。