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農学部  冨手  保奈美

インドネシアへの短期海外研修を終えての成果及び感想

 ジャカルタではHITACHIやSANYOなど日本の大手企業の広告看板やTOYOTAやスズキなどの日本車をよく見かけたことから、日本の工業は世界に通用するレベルまで発展していることがよく分かった。また、ところどころの田では2毛作や3毛作をおこなっているようで、冬が来ないインドネシアやその他温暖な国々の特徴的な農業方法であるといえる。人の手で稲刈りや田植えをおこなっていて、時期をずらして田の半分それぞれで稲や小麦の栽培をおこなっているようだった。
 ガジャマダ大学を訪問した際は、それぞれの学校の生徒・先生方がプレゼンとセミナーをおこない、先生方は、ネギと他の野菜との混同栽培法・植物から抽出した物質による農作物の防虫方法などをセミナーで講義された。全体を通して、自分の英語力、語彙力の無さを痛感した。セミナー終了後に皆でおにぎりを作り楽しんだ。
 会社訪問では、クプールという会社と紅茶農場を見学した。クプールは研修によって新しい農業の方法を近村に広める活動をしており、その活動には日本人も関わっていると話していた。また、ウシやヤギの糞尿からバイオガスを生産し、さらにバイオガスからバイクや車の燃料を生産しているということだった。見学を通して、どちらも主に人力を主力としている会社であると感じた。稲作の主力もそうであることから、機械の導入を図ることで農業が発展する見込みは充分にあると思う。日本の企業がインドネシアに進出しているのだから、機械を導入することは難しくないのではないだろうか。他に、ボゴール植物園や世界遺産であるプランバナン寺院、ボロブドゥール遺跡を見学した。宗教に関連する世界遺産が多いことや頭に布を巻いて生活する多くの女性、宗教上の理由でお酒を一切飲まない学生がいるといったことから、インドネシアの人々は宗教の信仰を大事にしていると感じると共に、自分自身は一応仏教徒ではあるが信仰心が欠けていることが分かった。
 研修を通して、インドネシアの良さを感じられたこと、日本の良さを改めて実感できたことが成果だ。インドネシア人は見知らぬ人とでも笑顔で友好的に話をすることが分かった。日本では地方ではありえることだが、都心ではこういうことはあまりないのではないだろうか。インドネシアはどこも活気に満ちていた。また、帰国してからは周りの人と気兼ねなく話せるようになったが、 これはいろいろな人に積極的に話しかけ、拙い英語を使って自分の意見・意思を相手に伝え、また相手の話を理解しようと努力したことで自分自身の人に対する壁が無くなったためであると思う。
 今後の課題は、自身の英語の能力をあげることと、日本の農業における技術や方法をインドネシアに伝える為に自分は何ができるかを考えることだ。英語の能力に関しては、研修前は「言葉が伝わらなくても身振り手振りでどうにかなるだろう」と甘い考えを持っていたが、そのとおり甘かった。言葉が通じなければ何も始まらない、意見や質問を伝えることができないと痛感し、自分と同年代の学生が英語をすらすらと話していることに焦りを感じた。これからも英語の勉強をおこたらずにしていこうと思う。農業の技術や方法を伝えることに関しては、今の自分ではまだまだ勉強不足だと思う。自分が専攻とする生物資源学の分野を勉強し、世界がどういう状況にあるかを知り、適切な判断を下して、小さい力ながらも貢献していく方法をこれから考えていきたい。