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人文学部  宍戸  里沙

留学報告

留学先:エストニア・タリン大学
期間:2011年9月〜2012年6月

 今回わたしが留学をしたきっかけは、小学生のころからホームステイの受入ボランティアをしていたこと、また2週間ほどの短期留学を2度ほど経験し、もっと長期間海外での生活をして、じっくりと外から日本を見てみたいと思ったことです。
 留学前の語学力は散々なもので、本当にこんな語学力で留学なんて出来るのだろうかという不安はありました。毎日単語帳を持ち歩いて、時間があればそれを眺めたり、映画館でアルバイトをしていたこともあったので、洋画字幕版をひたすら観たりと、なるべく自分から英語に触れる機会を増やすよう心がけていました。留学直前の準備では、寮費などの事前振込に少々てこずってしまい、余計に手数料がかかってしまったりしたので、事前にきちんと調べて振り込んでおけばよかったと後悔しています。
 留学中は大学の寮に住んでいました。寮は2人でルームシェアが基本で、最初にいた部屋ではルームメイトは日本人でした。しかしキッチンを8人でシェアしているせいか、夜にパーティが始まると夜中までずっとうるさいのでなかなか寝ることが出来ず、前期の半ばには4人でシェアの部屋へ移動しました。次のルームメイトは韓国人の子で、国が近いこともあってかお互いに感覚が似ていましたし、共通の話題(映画や音楽、芸能人など)でも盛り上がることが出来ました。後期に入ってからはルームメイトがチェコ人に変わりました。彼女は少々変わった子で、突然部屋の中で自前のダンスダンスレボリューションを始めたり、妙に私の食生活に干渉してきたりして、少しストレスが溜まったりもしました。寮での生活は常に誰かと一緒にいるので、正直息が詰まるときもありましたし、一人の時間・空間が欲しいときが多々ありました。そんなときは散歩に出かけたり、映画を見に行ったり、旧市街の風景を描きに行ったりして気晴らししていました。旧市街の街並みはどこをとっても絵になるので、とても楽しかったです。
 エストニアはとても治安が良く、物価も驚くほど安いので、とても生活しやすい環境だと思います。夏もカラッとしていて日本のようにジメジメとしていないので、過ごしやすいです。その代り冬が長く、寒いときはマイナス30℃の日が続いたりします。冬の間は9時に日が昇り15時には沈んでしまうので、日照時間が本当に短く、寒いので外にも出たくなくなります。1年を通すととても極端な気候です。
 留学中はたくさん旅行しました。あとから数えてみたら8か国も訪れていて驚きましたが、どの旅行もとても充実していました。特に自分の中で印象に残っているのは、人生で初めて一人旅をしたことです。授業が終わった5月後半から約二週間、ドイツ(トリア・ケルン)、イタリア(ヴェネツィア・フィレンツェ・ローマ)、スペイン(バルセロナ)を回ってきました。ドイツでは友人の家に泊めてもらいましたが、イタリア・スペインではホステル(格安の宿泊施設)に泊まりました。旅行中は、フランス人やポーランド人の老夫婦、わたしと同様に一人旅をしているアメリカ人や中国人、そのほかにも本当にたくさんの出会いがあり、とても充実した旅となりました。飛行機や宿の手配やタイムスケジュール、予算など、事前準備はすべて自分でしなくてはならず、かなり労力を費やしましたが、旅が無事に終わった後はすべて達成感に繋がりました。
 留学前に抱いていた漠然とした「留学への憧れ」というものが、この1年を通して見事に崩れました。前期は本当にホームシックに苦しんで、今すぐにでも日本に帰りたい!留学なんてしなければよかった!と何度も思っていました。しかし、向こうでの生活に慣れ、英語での会話も、たどたどしいですが出来るようになり、人と会って話して、交流することが、次第に楽しく、快感になっていきました。語学力の面では、正直あまり伸びた実感はありませんが、その分、人間的に成長した部分が大きいと思います。今では本当に留学して良かったと思いますし、また行きたいとも思っています。最後に、コーディネーターの竹田先生、国際交流室及び留学支援課のみなさん、その他留学を支援してくださった皆さん、そして家族に、感謝申し上げます。