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人文学部  柳谷  優妃

留学報告

留学先:中国・北京林業大学
期間:2011年9月〜2012年7月

 私は山形大学で中国史を専攻しており、自分の専攻である中国史をより深く理解し、その歴史や国の特色を自分の肌で感じるためには、やはり中国語を理解しなければ本当に理解する事は出来ないのではないかと思い、中国への留学を決意した。
 2011年9月1日から、北京林業大学での私の留学生活はスタートした。留学に来た当初の私の語学力はほとんどなく、自分から話す事など到底不可能であるという状況だった。到着して5日後から授業も始まり、初めはやはり、先生の言っている事がほとんど分からないという状態で、正直毎日焦りの気持ちでいっぱいだった。まず前期の授業は、聞き取り、作文、読解、総合、口語によるカリキュラムの元で授業が行われ、分からないながらも懸命に宿題、予習、復習と毎日中国語漬けで生活していった結果、その日々の努力の成果として、中国に来てから2ヵ月後の11月頃には授業で支障のないくらいにまで聞き取りが成長することが出来た。私自身でもこの聞き取りの成長の速さを実感することができ、ここでやはり日本で勉強するのと、現地に来て語学を勉強するのはこんなにも差があるのかということにも気づくことができ、この時は非常に嬉しさが込み上げてきた。このように自分自身に成果を感じて、語学を学ぶことに楽しさが沸いてくると、語学を勉強するモチベーションも上がり、勉強することに楽しさしか沸かないという点が留学をして自分の中で感じた部分である。聞き取りに関しては速い成長が見られたものの、肝心のスピーキングが伸び悩んでおり、自分でもその力が足りないことに日常生活や授業を通して気が付いていた。そのため、普段より自分から積極的に発問するように心がけ、友人との会話も積極的に行った結果、徐々に話す力が伸びていき年を越すまでには友人と普通に日常会話が出来るレベルにまで成長することが出来た。留学に来て、常に中国語しか飛び交わない世界に入ることで、必然的にその言語しか話してはいけないという環境にいることによって、中国語を話さなければコミュニケーションを取れないという焦りや悔しさが、語学を向上させるということを留学に来て実感することができ、この海外に暮らすという体験は私の人生の中でも非常に貴重なものであったと感じている。この体験は日本では出来ないものだし、日本でも文法、聞き取りと自学することは出来るが、肝心の中国語でのコミュニケーション能力を磨くというスキルに関しては、留学している人としていない人では違うように感じた。日本で勉強して流暢に話すことはできるかもしれないが、実際に中国に行ってみると対応することが難しいと思われる。やはり、現地の人と触れ合って、なまりもある中での生の中国語を中国人と触れ合って聞くと言うことは、留学でしか体験できないと実感している。
 学習面以外では留学生と交流しあったり、自分の専門に関する中国内の場所を訪れたりと、留学でしか体験できないことを存分に行うことができ、自分の知識見識を留学を通して広げることができたと考えている。特に私が感じたことは、様々な出身の留学生と交流することにより、日本という狭い空間から視野を広げて物事を考えることが出来るようになった点である。互いにそれぞれの文化や価値観があり、そこに生じる違いやずれで授業内での討論や、友人たちと話したときは納得いかないこともしばしばあったが、その国際交流によって国について相互に理解を深め合い、国に対する色々なことを考えるきっかけともなった。このような体験は、やはり海外に暮らしてその場に身を置かねば経験できなかったと実感するとともに、私はこの留学で様々な外国人や事柄と関われたことによって、今後もよりいっそう海外と関わっていきたいという気持ちを明確にすることもできた。留学というのは、学習面だけでなく、むしろ自分の精神面や思考をより成長させることも出来る最高の場であったと考えるとともに、私にとって不可欠なものであったと実感している。最後にこの留学は、色々な方のたくさんの支援があってこその留学であったことに感謝し、私にとって非常に有意義な1年間を送ることができ、留学によって精神面も成長させることができた、とても貴重な一年間であったと考える。