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地域教育文化学部  木村  あずさ

留学報告

留学先:大韓民国・全南大学校
期間:2011年9月〜2012年8月

 私の韓国での留学生活は、とても実りの多い1年となった。
 私は、昨年の9月から韓国の全南大学校という大学に派遣された。全南大学校のある光州広域市は韓国第五の都市で、日本の仙台市と姉妹都市の関係にある。芸術の都、食の都として知られ、ビエンナーレや世界キムチフェスティバルなども開催される。ソウルや釜山などの大都市とも離れた位置にある地方都市ゆえに日本人の数も少なく、韓国語の学習にも、韓国文化の体験にも恵まれた環境出逢った。
 留学中は大学の敷地内にある寮で生活した。寮は韓国人学生も住む3千人規模のとても大きなものだった。寮にはコンビニ、銀行、食堂、勉強室、カフェ、クリーニング屋、ネットカフェ、ビリヤード場、美容室など、様々な施設があり、とても暮らしやすかった。前半の学期は6人部屋に韓国人、香港人、リトアニア人、日本人で暮らし、大人数での生活はとても大変だった。シャワーは1つしかなかったため、朝の込み合う時間などは避けるようにした。後半の学期は2人部屋に引っ越し、韓国人の学生と共同生活をした。
 授業の面では、韓国に行ったばかりのころ、まだ韓国語をうまく話せなかったために、とても苦労した。私の留学前まで日本を担当していた担当者の方の勧めもあり、上級の授業を取ってしまったため、当時は死に物狂いで予習復習を行った。授業の内容に関しては、担当者の方もよく理解しておらず、山形大学からの交換留学生も私が初めてだったために、情報が不足していたように思う。しかし、その授業の為に必死で勉強をし、他の授業にも集中して参加したため、徐々に授業の内容を理解し、楽しんで参加できるようになっていった。正規の授業のほかに、交換留学生が受けられる韓国語の授業があり、そちらの授業にも積極的に参加した。平日の夜に1時間ずつ行われるが、毎日行われるため、積極的に予習復習を行う事ができ、良い習慣が身に付いた。授業後には寮の勉強室に行き、そこで勉強してから部屋に帰るという生活を繰り返し、その学期の期末には皆勤賞と優秀賞を受賞することが出来た。
 正規の授業では、韓国語と韓国文化の授業を積極的に受講し、理解に励んだ。文化は1から3まで分けられていた。1は生活文化、2は大衆文化、3は政治・経済・歴史という分野だった。それぞれ異なった魅力があり、とても興味深く、授業においても質問や発言などを積極的に行った。特に3の授業では、普段はなかなか接するのが難しい分野を留学生対象に簡単に紐解いて講義してくれるため、よく理解することが出来た。この授業をきっかけに、ニュースなどの難しい内容にも目を向けられるようになっていった。
 また日本語学科の専門の授業では、日本について学ぶ学生たちと一緒になって発表を行ったり、韓国語で日本についての講義を聞いたりするというのがとても面白く感じられた。また日韓関係を、日本側からだけでなく韓国の立場に立って考えるという姿勢も身につけることが出来た。
 授業のほかにも、韓国の生きた文化を体験する機会がとても多かった。友人に連れられ、韓国のお盆とお正月も友人の家にホームステイをさせてもらって体験することが出来た。また結婚式や、お葬式にも出席する機会があった。そのほか、旅行などで色々な地方にも行くことが出来た。光州市は全羅南道にあるため、その周辺の全羅道地域は比較的簡単に行くことが出来たのだが、一番の長旅は、世界遺産の安東河回村までの旅であった。光州からバスで3時間半かけてテグまで行き、そこから1時間かけて安東のターミナルまで行き、さらにそこから1時間以上かけてやっと河回村にたどり着いた。村全体が川に囲まれるようにして作られているため「河回村」と呼ばれ、日本にいる時から行ってみたいと思っていたところであった。風景はもちろんだが、観光地としてもとても素晴らしいところであった。
 そのほか、全州、羅州、南原、麗水、ソウル、釜山、莞島、順天など、様々な土地を訪れることが出来、旅行という面ではとても満足の行くものであった。旅行では、自分の生活している地域とはまた異なった文化や習慣などを感じることができて、とてもいい刺激になった。
 留学に行くまでは様々な葛藤があり、留学に行くことが正しい選択なのかと悩んだ時期もあったが、現在ではその選択が正しかったと感じている。自分自身の語学的な面での成長はもちろん、それ以外の面でも成長が出来たと思う。1年間の短期の留学ではあったが、素晴らしい環境で素敵な友人にも出会い、充実した1年間を過ごすことが出来た。

地域教育文化学部  木村  あずさ 地域教育文化学部  木村  あずさ