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人文学部 津田 悠佑

留学報告

留学先:中国・北京林業大学
期間:2012年9月〜2013年7月

 私は2012年9月より北京林業大学にて、校友会のご支援を受け一年間の留学を経験してきました。留学することを意識し始めたのは大学2年生の夏ごろだったと思います。偶然、中国への留学経験のある先生や先輩方の話を聞くことができ、その時始めて漠然とではありますが中国への留学を意識しはじめました。2012年は日中国交正常化40周年という記念すべき年で、日本では中国について積極的に様々な報道がされました。それに加え、私は大学で中国史を専攻していて、もともと中国に対しては興味があったこともあり、中国を自分の目で見て確かめてみたいと考えるようになり、留学を決意しました。
 中国について何日間はこれからの留学生活に対する期待でわくわくしながら生活をしていたのですが、いざ学校の授業が始まると一気にその様なわくわくしていた気持ちは消えて行きました。なぜかというと、先生が話す中国語が一切理解できないからです。私は留学する直前に中国政府が実施しているHSKという中国語能力試験の三級に合格していて、簡単な中国語ぐらいなら理解できると思っていたのですが、実際にネイティブの中国人を目の前にすると、聞き取ることも話すこともできず、自分の中国語のできなさに驚きました。何度もめげそうにもなりましたが、毎日机にかじりつきながら予習復習を着実にこなし、現地で知り合った日本語学科の中国人学生となるべく積極的に交流を持つようにした結果、4カ月目くらいからやっと現地の生活に慣れることができました。
 後期からは、自分でもはっきりと自身の成長を感じることができたため、実践トレーニングを兼ねて北京の万里の長城や西安の兵馬俑、成都の九寨溝などなど、北から南まで全ての行程を自分で計画しながら様々な土地を訪れました。勉強ももちろん大切ですが、こういった自身で試行錯誤しながら行う旅行も留学ならではですし、学ぶことも多いと思います。
 また、北京に留学して良かったと思う所は、北京は様々な国から留学生がやって来ているという点です。私はクラスで親日国家であるモンゴルの学生や、反日国家である北朝鮮の学生らなどと一緒に勉強をしてきました。彼らとの交流を通して、改めて自分自身で日本という国を考えるきっかけにもなり、また、自身の国際事情への暗さを痛感しました。特に印象的だったのは北朝鮮の学生との交流です。当初、私の語学力に問題があったのと日朝間の問題も手伝って、互いにけん制し合ってしまい、全く話すことがありませんでした。しかし、同じ教室で勉強し中国語が上達していくにつれて、少しずつ言葉を交わすようになり、留学生活後半の頃には毎日たわいのない話をして笑う事ができました。コミュニケーションで何よりも大切なのは、聞こうとする気持ちと、伝えようとする気持ちだという事を身をもって知ることができました。
 留学前にもっとやっておけばよかったと思うのは、やはり言語です。単語の学習は日本にいながらも出来ることができますし、文法も日本語で書かれたものを利用した方が効率的です。私はそう言った日本での準備をほとんどしないまま中国に行ってしまったため、現地の生活になじむのに時間がかかってしまい、前半は本当に大変な目に合いました。単語も文法も、完璧ではなくても日本にいる間に詰め込んでおけば、よりスムーズに現地の生活に慣れることができると思います。もう一つは、自国のことをより深く知っておくという事です。留学生活中はよく日本のことについて聞かれます。話題は当然ながら様々で、例えば北朝鮮の学生にはよく戦争について日本ではどのような教育が行われているのか聞かれましたし、中国人学生には漫画やアニメのことについて質問をされました。なので、日本にいる間はなるべく広くアンテナを張り巡らせ、留学先で使えそうな話題を少しでも自分の中に多く作っておくのがいいと思います。
 私はこの一年間の留学で語学能力はもちろん、精神面や、考え方など、さまざまな面で一回り大きく成長することができたと感じています。
 今回の留学を支援して下さった校友会の方々や国際交流室の方々に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。