山形大学校友会
山形大学校友会事務局
 (山形大学エンロールメント・マネジメント部)
 〒990-8560 山形市小白川町一丁目4-12
 TEL 023(628)4867 FAX 023(628)4185
 
山形大学校友会活動状況
山形大学オフィシャルサイト交通アクセス・地図

人文学部 人間文化学科4年 浅野 菫

留学先:ロシア・ブリヤート国立大学
期間: 2013年8月 〜 2014年6月

私はロシア連邦ブリヤート共和国の首都ウラン=ウデにあるブリヤート国立大学に10ヶ月間滞在し、同大学の外国人向けロシア語準備学部にてロシア語を学んできた。ロシアでの授業は前期が9月から12月、1月がひと月丸々冬休みで後期が2月から5月、そして6月から8月は夏休みにあたる。授業内容については前期には基礎的な文法が中心で、後期は第一水準テストと呼ばれる大学入学の資格試験に向けての発展的な内容となっていた(私が振り分けられたグループは基本的にはロシアの大学に入学を希望する自費留学の外国人グループであり、本来は2年目の後期期末試験に大学入学資格試験を受けるというプログラムであったがそのグループの半数が私も含め1年でロシアを去る予定であったためにこの試験を受けさせてもらえることになった)。授業は基本的には平日に二時限で、月に一度ほど市内の博物館やバイカル湖への校外学習もあった。  外国人の学生のほとんどは入寮していたが、自分でアパートを借りて一人暮らしまたはルームシェアをしていた学生もいた。私の住んでいた第4寮はとても大きく、一般の方々、大学関係者、大学院生、旅行者、外国人学生がそれぞれセクションで住み分けられていた。原則二人一部屋で、私が入寮した時にはすでに韓国人の女性が住んでいた。同居人の方は昔日本に半年ほど暮らしたことがあったそうで、彼女とは日本語とロシア語でコミュニケーションをして過ごした。現地について間もなく右も左もわからない状態だった私に色々なことを丁寧に教えてくださり、感謝している。家族以外の人と同居をするのは初めてであったが一緒に買い物に出かけたり料理を作ったりするのはとても楽しかった。寮は事務手続きなどを行う大学本館から徒歩5分ほどで、街の中心部やスーパーマーケットも近いため生活する上では利便性が高い。
 ウラン=ウデは首都であるだけに商業施設や交通機関が発達していて商店の多い通りや市場などもあり、郊外にはデパートや巨大スーパーマーケット、ホームセンターなどが多くある。それらへは路面電車やマルシュルートカ(定路を回るマイクロバス)を利用して行ける。また、シベリア鉄道の通る駅も徒歩圏内にあり、駅の跨線橋から街を一望できる。
 1月の冬季休暇の際にはモスクワまで列車での旅行を企画し、およそ10日間の一人旅を決行した。ウラン=ウデからモスクワまでは列車でほぼ丸5日かかる。よって旅程の約半分は線路の上だった。私が乗った二等級の客室は上下段二つ簡易ベッドがついた4人部屋だったので、同室になった人と食事をとったり世間話をしたりして過ごした。モスクワではトレチャコフ美術館、プーシキン美術館、地質学博物館と巡り、駅ホームに豪華な装飾が施された地下鉄にも乗った。この旅行中でも特に印象に残ったのは地質学博物館で、わざわざロシアのモスクワまで来て三葉虫やら黄鉄鉱やらを眺めているときは妙に感慨深かった。
 向こうでの生活の前半は、生活に慣れてきた頃から徐々に気温が下がり始めて11月からはマイナスの気候が続いていたので平日の放課後に遠出をすることはあまりなく、スーパーに買い物に行ったり、寮近くの劇場でバレエやオペラを鑑賞したりして過ごしていた。後半の1月や2月は外に10分以上いることが辛い気温の日が殆どで3月頃から外出が苦でなくなる程度の気温となった。その頃から放課後によく映画館に行くようになり、ロシア映画、アメリカ映画をはじめ、フランス映画や日本映画を多数見ることができた。ロシアでは吹き替えが一般的なようで、私が見た中で字幕の映画は1本だけだった。これらの映画はリスニング能力の向上と語彙の増加に大いに貢献してくれたと感じる。
 期末試験にも無事合格し資格を得、ロシア語漬けだった10ヶ月にとても満足している。留学して自分の目で見たロシアの気候、風土、人々との思い出はいまも深く心に残っているし、1月のシベリアのマイナス30度でも人間は死なないと身をもってしてわかった今、とても強く生きられそうな気がする。この留学で得た経験がこの先の私の人生にどう作用するのかを楽しみにしている。
 

人文学部 浅野 菫

ブリヤート大学の寮の写真。左側の建物が
私の住んでいた第4寮である。
また、授業を受ける教室もこの建物内にある。

人文学部 浅野 菫

街の中心にある劇場の裏手から商店街方面を撮影した写真。
冬のブリヤートは気温が低くても快晴の日が多い。
ただし日光に温かみはない。