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工学部 機械システム工学科4年 杉本 勇貴

交換留学で学んだこと

留学先:アメリカ合衆国・オクラホマ大学(University of Oklahoma)
期間:2013年8月 〜 2013年12月

1. 学習目標達成状況
(1) 当初の目標(留学前)
 私は留学前の目標として以下の3点を掲げていました。
 @海外の同年代の学生との交流を通して自分の視野を広げる
 A工学部の学生として自分の専門分野に関しての知識を深める
 Bアメリカでしかできない経験として自家用パイロット免許の取得に
   チャレンジする。
(2) 留学中の学習、活動
 留学中はオクラホマ大学で英語の授業および自分の専門である流体力学の授業を選択しました。また近くの空港で自家用パイロット免許取得に挑戦しました。
 英語の授業ではアジアや南アメリカ、ヨーロッパの各国から交換留学生が集まり、文化や生活など様々なトピックについて議論し互いに理解を深めました。また同じ不安や悩みを抱えていることが多く、悩みを打ち明けたり話し合ったりして良い友達になりました。
 専門の授業は週3回あり、アメリカの授業特有の分厚いテキストから毎回宿題が課され、ついていくのに必死でした。しかしインド出身の温厚な教授の協力もあり、なんとか単位を認定して頂くことができました。少人数の授業だったため生徒がとても活発に発言し、授業というよりは討論のように感じることもあり、自分にとっては新鮮な授業でした。
 自家用パイロット免許の取得ではフライトスクールの選択、スケジューリング、TSA航空学生の登録など様々な課題がありましたが、一つ一つ解決することで無事飛行訓練を開始することができました。空港は大学から50km程離れた中規模の空港、飛行教官はアメリカ人の若手の方に決まりました。3ヶ月に渡って飛行訓練を続け、学科試験と実技試験に合格して免許取得となります。どこまでも続く平野の上を自分だけ乗った飛行機で飛ぶという経験はアメリカならではであり、貴重な経験をさせて頂きました。
(3) 目標に対しての達成度・成果(帰国後)と今後の課題
@海外の同年代の学生との交流を通して自分の視野を広げる
 授業で出会った学生はもちろん、ルームメイトやオクラホマ大学日本語クラブで知り合った学生など、生まれも育ちも違う方々と交流することで自分にとっては新しい価値観に触れ、結果的に視野を広げることができたと感じています。同時にまだまだ自分の知らない考え方があることを知り、今後の国際交流を通じてさらに視野を広げていきたいと感じています。
A工学部の学生として自分の専門分野に関しての知識を深める
 授業を通して専門知識を深めることができました。また日本ではあまり受けたことのない形式の授業で、特に討論などの場面ではそのスピードについていけないことが数多くあったため、今後はそういった場でも発言できるだけの英語力や考察力を高めていきたいです。
Bアメリカでしかできない経験として自家用パイロット免許の取得にチャレンジする
 実際に免許を取得することができたため、目標を達成することができました。しかし天候や諸処の手続き、そして自分のずぼらな性格のために渡航前に考えていた計画よりも大幅に遅れてしまい、教官やフライトスクールの方々にご迷惑をおかけすることになってしまいました。特に教官にはオクラホマ大学の寮を出てから一ヶ月近くホームステイさせて頂いたり、実家のパーティに招待して頂いたりと大変お世話になりました。  

2.派遣留学を通して考えたこと・気づき
(1)留学中の活動を通じて、自分がどれだけ周りに支えられて生きているか、そして日本がいかに恵まれた国であるかを実感しました。生活面、学習面でルームメイトや先生方に助けられたり、どうしようもないと思った時に友達からアドバイスをもらったりと、自分一人ではこの留学は到底実現できないものでした。日本は島国で、大陸国に比べれば国土は小さいですがその分サービスや制度が充実し、いわば至れり尽くせりの状態と言えます。一方アメリカは日本に比べ人口密度の低い国であり、自分で自由にできる範囲が広いと言えます。その分自己責任が大きくなり、日本人に多いと言われる「周りがやるから自分もやる」が難しくなります。そうした意味で、日本は大意で動く国と言えるかもしれません。
(2)相手や異国を知るときに基準となるのは自分の価値観であり、自分の国になります。そこから相手の国を知るには、まずは相手の国の考え方にあわせて物事を考えてみることだと思います。全く違った考えや意見をぶつけられた時、まずは自分の考え方で理解に努め、一歩おいてから相手の国の考え方に近づけてみることが、相手や国を一番良く知る方法だと思います。
(3)今までと全く違う環境に身を置いたとき、そして問題に当たったとき、創意工夫して乗り切ることができれば、適応力があると言えると思います。その創意工夫は考え方や問題の見方の切り替え、新しい発想などから生まれてきます。その人の知識や経験が多いほど選択肢が増え、解決に導きやすいと思います。そうした側面から見て、今回の留学では今までに味わったことのない苦労や挫折の経験もあり、自分の適応力を向上させることができたと考えます。
(4)グローバル時代とは国境等の垣根を越えて活動する時代のことを指しますが、そうした時代でも活躍できるのは取引先や協力先である相手の人や国を理解し、価値観や考え方を共有できる人であると考えます。その過程で言語能力や知識や経験の深さが理解を手助けし、最終的に結果につながると思います。今回の留学では相手の国の考え方を共有するところまで到達した場面は少なかったですが、様々な価値観を学び自分の懐を少しでも深くできた点では良い経験だったと感じています。

3.海外との関わりに関する今後の関心・抱負
山形大学には毎年たくさんの留学生が訪れますが、留学生と日本人学生との交流はあまり盛んとは言えず、特に工学部では留学生は肩身の狭い思いをしている人が少なくありません。留学生の多くは日本人学生より言語、環境への適応など様々な問題に当たっています。自分自身そうなったときにアメリカ人学生に助けてもらい非常に嬉しい思いをしました。まずは身近なグローバルということで留学生の支援を通して国際理解を深めていければと思っています。

4. その他(校友会について等)
 この度の留学に際して校友会の皆様に支援して頂き、大変感謝しています。日本ではとてもできないような経験を積むことのできる交換留学制度を、これからも支援して頂ければうれしいです。

工学部 杉本 勇貴 工学部 杉本 勇貴