○山形大学動物実験規程

平成19年10月1日

目次

第1章 総則(第1条―第4条)

第2章 学長と学部の長の責務(第5条・第6条)

第3章 管理者等(第7条―第9条)

第4章 動物実験委員会(第10条―第15条)

第5章 動物実験計画の立案,申請,審査(第16条―第19条)

第6章 動物実験の実施(第20条・第21条)

第7章 施設等(第22条―第27条)

第8章 実験動物の飼養及び保管(第28条―第34条)

第9章 安全管理(第35条―第37条)

第10章 教育訓練(第38条・第39条)

第11章 自己点検・評価・検証(第40条)

第12章 情報公開(第41条)

第13章 補則(第42条―第44条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この規程は,第2項に示す関係法令等を参考に,科学的観点,動物愛護の観点及び環境保全の観点並びに動物実験等を行う教職員・学生等の安全確保の観点から国立大学法人山形大学(以下「本学」という。)における動物実験等を適正に実施するため,実験動物の飼養及び保管に係る管理運営体制の整備,並びに動物実験等の実施方法について必要な事項を定めるものである。

2 動物実験等については,動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号。以下「法」という。),実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準(平成18年環境省告示第88号。以下「飼養保管基準」という。),研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針(平成18年文部科学省告示第71号。以下「基本指針」という。),動物実験の適正な実施に向けたガイドライン(平成18年6月1日日本学術会議策定。以下「ガイドライン」という。),動物の殺処分方法に関する指針(平成7年総理府告示第40号。)その他の法令等に定めがあるもののほか,この規程の定めるところによる。

(基本原則)

第2条 この規程は,本学における動物実験等及び実験動物の飼養及び保管等を適正に行うため,学長の責務,動物実験委員会の設置,動物実験計画の承認手続き,実験動物の飼養及び保管等必要な事項を定めるものとする。

2 動物実験等の実施に当たっては,法,基本指針及び飼養保管基準に則し,動物実験等の原則である代替法の利用(科学上の利用の目的を達することができる範囲において,できる限り動物を供する方法に代わり得るものを利用することをいう。),使用数の削減(科学上の利用の目的を達することができる範囲において,できる限りその利用に供される動物の数を少なくすること等により,実験動物を適切に利用することに配慮することをいう。)及び苦痛の軽減(科学上の利用の目的を達することができる範囲において,できる限り動物に苦痛を与えない方法によってしなければならないことをいう。)を基本とし,適正に実施しなければならない。

3 実験動物の飼養及び保管に当たっては,科学上の利用の目的を達することができる範囲において,動物福祉の基本理念である「5つの自由(飢え及び渇きからの解放,肉体的不快感及び苦痛からの解放,傷害及び疾病からの解放,恐怖及び精神的苦痛からの解放,本来の行動様式に従う自由)」に配慮して実施しなければならない。

(定義)

第3条 この規程において,次の各号に掲げる用語の定義は,当該各号に定めるところによる。

(1) 動物実験等 本条第5号に規定する実験動物を教育,試験研究の用その他の科学上の利用に供することをいう。

(2) 飼養施設 実験動物を恒常的に飼養若しくは保管又は動物実験等を行う施設・設備をいう。

(3) 実験室 実験動物に実験操作(48時間以内の一時的保管を含む。)を行う動物実験室をいう。

(4) 施設等 飼養施設及び実験室をいう。

(5) 実験動物 動物実験等の利用に供するため施設等で飼養又は保管している哺乳類,鳥類及び爬虫類に属する動物(施設に導入するため輸送中のものを含む。)をいう。

(6) 動物実験者 動物実験等を実施する者をいう。

(7) 動物実験責任者 動物実験者のうち,動物実験等の実施に関する業務を統括する者をいう。

(8) 管理者 飼養施設を管理する者又は実験室の管理を担当する総括的な責任者をいう。

(9) 実験動物管理者 実験動物に関する知識及び経験を有し,飼養施設の管理者を補佐し,実験動物の管理を担当する者をいう。

(10) 動物実験主任者 学部の長を補佐し,動物実験責任者に対する指導助言等を行う者をいう。

(11) 飼養者 実験動物管理者の下で実験動物の飼養管理及び動物実験の実施の補助を行う者をいう。

(12) 管理者等 学長,学部の長,管理者,実験動物管理者,動物実験主任者,動物実験者及び飼養者をいう。

(13) 指針等 動物実験等に関して行政機関の定める基本指針及びガイドラインをいう。

(適用範囲)

第4条 この規程は,本学において実施される哺乳類,鳥類及び爬虫類の生体を用いる全ての動物実験等に適用される。

2 動物実験責任者は,動物実験等の実施を本学以外の機関に委託等する場合,委託等先においても,基本指針又は他省庁の定める動物実験等に関する基本指針等に基づき,適正に動物実験等が実施されることを委託等先での動物実験の承認を証明する書類などにより確認しなければならない。

第2章 学長と学部の長の責務

(学長の責務)

第5条 学長は,本学において行われる動物実験等の適正な実施並びに実験動物の飼養及び保管を,最終的な責任者として統括する。

2 学長は,動物実験計画の承認,実施状況及び結果の把握とその結果に基づく改善措置,飼養施設の整備,飼養施設及び実験室の承認,動物実験等に係る安全管理,教育訓練,自己点検・評価,外部専門家による検証,情報公開,その他動物実験等の適正な実施に必要な措置に関して責務を負う。

3 学長は,前項の責務を遂行するために報告又は助言を行う組織として,第4章に定める動物実験委員会(以下「委員会」という。)を置かなければならない。

(学部の長の責務)

第6条 動物実験等を実施しようとする学部の長は,この規程の定めるところにより,当該学部(当該学部を基礎とする研究科を含み,地域教育文化学部にあっては教育実践研究科を,医学部にあっては医学部附属病院を含む。以下同じ。)で行われる動物実験等を適正に実施するために必要な措置を講じなければならない。

第3章 管理者等

(管理者)

第7条 学部の長は,管理者を置かなければならない。

2 管理者は,当該施設等の教員の中から当該学部の長が指名する。

(実験動物管理者)

第8条 学部の長は,実験動物管理者を置かなければならない。

2 実験動物管理者は,実験動物に関する知識及び経験を有する者の中から,飼養施設の管理者の推薦に基づき当該学部の長が指名する。

(動物実験主任者)

第9条 学部の長は,動物実験主任者を置かなければならない。

2 動物実験主任者は,実験動物並びに動物実験に関する知識及び経験を有する者の中から,学部の長が指名する。

第4章 動物実験委員会

(動物実験委員会の役割)

第10条 委員会は,学長の諮問を受け,次の事項を審議又は調査し,学長に報告又は助言するものとする。

(1) 動物実験計画が動物実験等に関する法令,飼養保管基準,基本指針等及び本規程に適合していることの審査

(2) 動物実験計画の実施状況及び結果に関すること。

(3) 施設等及び実験動物の飼養・保管状況に関すること。

(4) 動物実験等及び実験動物の適正な取扱い並びに関係法令等に関する教育訓練の内容又は体制に関すること。

(5) 自己点検・評価,外部の専門家による検証並びに情報公開に関すること。

(6) その他,動物実験等の適正な実施のための必要事項に関すること。

2 委員会は,必要に応じて安全管理に注意を要する動物実験に関連する委員会等と相互に必要な情報の提供等を行うよう努めるものとする。

(組織)

第11条 委員会は,次に掲げる委員で組織する。

(1) 研究関係業務を担当する副学長

(2) 医学部メディカルサイエンス推進研究所動物実験センター長

(3) 医学部メディカルサイエンス推進研究所動物実験センター主任

(4) 動物実験等を実施する学部ごとに,当該学部の教員の中から動物実験等に関し優れた識見を有する者 各1人

(5) 動物実験等を実施しない者で,学識経験を有する者 1人

(6) その他学長が指名する者 若干人

2 前項の委員の選出に当たって,動物実験等に関して優れた識見を有する者,実験動物に関して優れた識見を有する者及びその他学識経験を有する者をそれぞれ1人以上含める。

(委員長等)

第12条 委員会に委員長を置き,前条第1号に掲げる委員をもって充てる。

2 委員長は,会務を総理し,委員会を代表する。

3 委員会に副委員長を置き,委員の中から委員長が指名する。

4 副委員長は,委員長を補佐し,委員長に事故があるときは,その職務を代理する。

(委員の任期)

第13条 第11条第4号に掲げる委員の任期は,2年とする。ただし,委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は,前任者の残任期間とする。

2 第11条第4号に掲げる委員は,再任されることができる。

3 第11条第5号及び第6号に掲げる委員の任期は,その都度,学長が定める。

(会議運営)

第14条 委員会は,委員長が招集する。

2 委員会は委員総数の3分の2以上の委員が出席しなければ,委員会を開き,議決することができない。

3 委員会の議事は,出席した委員の3分の2以上の賛成をもって決する。

(委員以外の出席)

第15条 委員会が必要があると認めるときは,委員以外の者の出席を得て,意見を求めることができる。

第5章 動物実験計画の立案,申請,審査

(動物実験計画の立案,申請,審査)

第16条 動物実験責任者は,動物実験等により取得されるデータの信頼性を確保する観点から,次に掲げる事項を踏まえて動物実験計画書(別記様式1)(有効期間の更新の場合も含む。)を立案し,当該実験を実施する学部の長に提出しなければならない。

(1) 研究の目的,意義及び必要性

(2) 代替法を考慮して,実験動物を適切に利用すること。

(3) 実験動物の使用数削減のため,動物実験等の目的に適した実験動物種の選定,動物実験成績の精度と再現性を左右する実験動物の数,遺伝学的及び微生物学的品質並びに飼養条件を考慮すること。

(4) 動物に与える苦痛の程度を予想し,麻酔等により苦痛の軽減を適切に行うこと。

(5) 苦痛度の高い動物実験等,例えば,致死的な毒性試験,感染実験,放射線照射実験等を行う場合は,動物実験等を計画する段階で人道的エンドポイント(実験動物を激しい苦痛から解放するための実験を打ち切るタイミング)の設定を検討すること。

2 学部の長は,動物実験責任者から第1項に規定する動物実験計画書の提出があったときは,動物実験主任者の意見を聴いた上で,速やかに学長に提出しなければならない。

3 学長は,学部の長から前項に規定する動物実験計画書の提出を受けたときは,委員会に審査を付議し,その審査結果に基づき動物実験計画の承認又は非承認を決定し,学部の長へ通知するものとする。

4 委員は,自ら関係する動物実験計画の審査に加わってはならない。

5 委員は,動物実験計画に関して知り得た情報を第三者に漏らしてはならない。

6 動物実験責任者は,動物実験計画について学長の承認を得た後でなければ,動物実験を行うことができない。

(動物実験計画の変更)

第17条 動物実験責任者は,前条第3項により学長から承認を受けた動物実験計画のうち,動物実験者を追加しようとする場合は,動物実験者追加申請書(別記様式2)を学部の長へ提出しなければならない。

2 学部の長は,動物実験責任者から前項に規定する動物実験者追加申請書の提出があったときは,動物実験主任者の意見を聴いた上で,速やかに学長に提出しなければならない。

3 学長は,学部の長から前項に規定する動物実験者追加申請書の提出を受けたときは,委員会に審査を付議し,その審査結果に基づき動物実験者追加の承認又は非承認を決定し,学部の長へ通知するものとする。

4 動物実験責任者は,前条第3項により学長から承認を受けた動物実験計画のうち,第1項に定める以外の変更を行う場合には,第16条第1項に定める動物実験計画書(別記様式1)を学部の長へ提出しなければならない。

(動物実験計画の終了及び中止)

第18条 動物実験責任者は,動物実験を終了し,又は中止したときは,動物実験(終了・中止)報告書(別記様式3)を学部の長へ提出しなければならない。

2 学部の長は,動物実験責任者から前項に規定する動物実験(終了・中止)報告書の提出があったときは,動物実験主任者の意見を聴いた上で,速やかに学長に提出しなければならない。

(動物実験計画の有効期限)

第19条 動物実験計画の有効期間は,動物実験等の開始予定月の属する年度の3月31日を最終日とした1年以内とする。ただし,承認された年度の翌年度から2年間は,年度を単位とした有効期間の更新を行うことができる。

2 動物実験責任者は,前項に規定する有効期間の更新を行う場合は,毎年第16条第1項に定める動物実験計画書(別記様式1)を提出しなければならない。

第6章 動物実験の実施

(実験操作)

第20条 動物実験責任者及び動物実験者は,動物実験等の実施に当たって,動物実験等に関する法令,飼養保管基準,指針等に即するとともに,以下の事項を遵守しなければならない。

(1) 適切に維持管理された施設等において動物実験等を行うこと。

(2) 動物実験計画書に記載された事項及び次に掲げる事項を遵守すると。

 適切な麻酔薬,鎮痛薬等の利用

 実験の終了の時期(人道的エンドポイントを含む。)の配慮

 適切な術後管理

 適切な安楽死の選択

(3) 安全管理に注意を払うべき実験(物理的,化学的に危険な材料,麻薬・向精神薬等,病原体,遺伝子組換え動物等を用いる実験)については,関係法令等及び本学における関連する規則等に従うこと。特に遺伝子組換え動物等を用いる実験については,遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律及び山形大学遺伝子組換え実験安全管理規程に従うこと。

(4) 物理的,化学的に危険な材料,麻薬・向精神薬等,病原体,遺伝子組換え動物等を扱う動物実験等については,安全のための適切な施設や設備を確保すること。

(5) 動物実験等の実施に先立ち必要な実験手技等の習得に努めること。

(6) 侵襲性の高い大規模な存命手術に当たっては,経験等を有する者の指導下で行うこと。

2 実験動物の死体及び排せつ物等は,適切な処置を講じ,実験動物同士の相互感染を防止すると同時に,人の健康及び環境を損なわないようにしなければならない。

3 動物実験責任者は,動物実験等の実施に際して必要な情報を,実験動物管理者,飼養者に提供しなければならない。

(動物実験結果報告)

第21条 動物実験責任者は,年度毎に,動物実験結果報告書(別記様式4)により,動物実験の実施状況,使用動物種・匹数及び研究成果等について学部の長に報告しなければならない。

2 学部の長は,前項に規定する動物実験結果報告書の提出があったときは,動物実験主任者の意見を聴いた上で,速やかに学長に提出しなければならない。

3 学長は,学部の長から前項に規定する動物実験結果報告書の提出を受けたときは,委員会の助言を受けて,適正な動物実験等の実施のための改善措置を講じなければならない。

第7章 施設等

(飼養施設の設置)

第22条 学部の長は,飼養施設を設置(変更を含む。)する場合,飼養施設(設置・変更)承認申請書(別記様式5)を学長へ提出しなければならない。

2 学長は,学部の長から前項に規定する飼養施設(設置・変更)承認申請書の提出を受けたときは,委員会に調査させ,その助言により,承認又は非承認を決定し,学部の長へ通知するものとする。

3 学部の長は,学長の承認を得た飼養施設でなければ,当該飼養施設での実験動物の飼養若しくは保管又は動物実験等を行わせてはならない。

4 学長は,実験動物の飼養及び保管の状況について,必要と認めた場合は,委員会の助言を受けて改善を指示しなければならない。

(飼養施設の要件)

第23条 飼養施設は,以下の要件を満たさなければならない。

(1) 適切な温度・湿度・換気・明るさ等を保つことができる構造等とすること。

(2) 動物種,生理,生態,習性等並びに飼養又は保管数等に応じた飼養設備を有すること。

(3) 床や内壁などは清掃・消毒等が容易な構造で,器材の洗浄や消毒等を行う衛生設備を有すること。

(4) 実験動物が逸走しない構造及び強度を有すること。

(5) 臭気,騒音,廃棄物等による周辺環境への悪影響を防止する措置が講じられていること。

(6) 実験動物管理者が置かれていること。

(実験室の設置)

第24条 学部の長は,実験室を設置(変更を含む。)する場合,動物実験室(設置・変更)承認申請書(別記様式6)を学長へ提出しなければならない。

2 学長は,学部の長から前項に規定する動物実験室(設置・変更)承認申請書の提出を受けたときは,委員会に調査させ,その助言により,承認又は非承認を決定し,学部の長へ通知するものとする。

3 学部の長は,学長の承認を得た実験室でなければ,当該実験室での動物実験等(48時間以内の一時的保管を含む。)を行わせてはならない。

(実験室の要件)

第25条 実験室は,以下の要件を満たさなければならない。

(1) 実験処置及び一時保管中における動物の健康維持のため,適切な温度・湿度・換気・明るさを保つ設備が備えられていること。

(2) 排せつ物や血液等による汚染に対し,清掃・消毒等の衛生管理が容易な構造であること。

(3) 実験動物が逸走しない構造及び強度を有し,実験動物が室内で逸走しても捕獲しやすい環境が維持されていること。

(4) 常に清潔な状態を保ち,臭気,騒音,廃棄物等による周辺環境への悪影響を防止する措置が講じられていること。

(施設等の維持管理及び改善)

第26条 管理者は,実験動物の適正な管理並びに動物実験等の遂行に必要な施設等の維持管理及び改善に努めなければならない。

2 管理者は,実験動物の種類,生理,生態,習性等を考慮した飼養又は保管を行うための環境を確保しなければならない。

(施設等の廃止)

第27条 学部の長は,施設等を廃止する場合は,飼養施設・動物実験室廃止申請書(別記様式7)を学長へ提出しなければならない。

2 学長は,学部の長から前項に規定する飼養施設・動物実験室廃止申請書を受けたときは,委員会による施設等の調査を経て廃止を承認しなければならない。

3 学部の長は,前項により施設等を廃止した場合は必要に応じて,動物実験責任者と協力し,飼養・保管中の実験動物を他の施設等に譲り渡すよう努めなければならない。

第8章 実験動物の飼養及び保管

(飼養保管マニュアルの作成と周知)

第28条 学部の長は,飼養保管のマニュアルを定め,実験動物管理者,動物実験者及び飼養者に遵守させなければならない。

2 実験動物管理者,動物実験者及び飼養者は,飼養保管基準を遵守し,実験動物の健康及び安全の保持に努めなければならない。

(実験動物の導入)

第29条 学部の長は,実験動物の導入に当たり,関連法令や指針等に基づき,適正に管理されている機関から導入しなければならない。

2 実験動物管理者は,実験動物の導入に当たり,適切な検疫,隔離飼養等を行わなければならない。

3 実験動物管理者は,実験動物の飼養環境への順化・順応を図るための必要な措置を講じなければならない。

(実験動物の健康管理)

第30条 実験動物管理者,動物実験者及び飼養者は,飼養保管基準を遵守し,実験動物が動物実験の目的以外の疾病を起こしたり,傷害を受けたりすることのないよう予防的な健康管理に努めなければならない。

2 実験動物管理者,動物実験者及び飼養者は,実験目的以外の傷害や疾病にかかった場合,実験動物に適切な治療等苦痛の軽減のために必要な措置を講じなければならない。

(実験動物の飼養管理)

第31条 実験動物管理者,動物実験者及び飼養者は,実験動物の生理,生態,習性等に応じて,適切に給餌・給水を行わなければならない。

2 実験動物管理者は,飼養施設の日常的な管理及び保守点検並びに定期的な巡回等により,飼養又は保管をする実験動物の数及び状態の確認を行わなければならない。

3 実験動物管理者,飼養者及び動物実験責任者は,異種又は複数の実験動物を同一施設内で飼養・保管する場合,その組み合わせを考慮した収容を行わなければならない。

(記録の保存及び報告)

第32条 管理者等は,実験動物の入手先,飼養履歴,病歴等に関する記録を整備,保存しなければならない。

2 学部の長は,年度毎に,実験動物飼養状況報告書(別記様式8)により,飼養施設で飼養した実験動物の種類と匹数等について,学長に報告しなければならない。

3 学長は,学部の長から前項に規定する実験動物飼養状況報告書の提出を受けたときは,委員会の助言を受けて,飼養・保管に対する指導を行うことができる。

(譲渡等の際の情報提供)

第33条 管理者等及び動物実験責任者は,実験動物の譲渡に当たり,その特性,飼養・保管の方法,感染性疾病等に関する情報を提供しなければならない。

2 遺伝子組換え動物を譲渡する場合は,遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律に基づいた情報の提供を行わなければならない。

(輸送)

第34条 学部の長は,実験動物の輸送に当たり,飼養保管基準を遵守し,実験動物の健康及び安全の確保,人への危害防止に努めなければならない。

第9章 安全管理

(危害防止)

第35条 学部の長は,逸走した実験動物の捕獲の方法等をあらかじめ定めなければならない。

2 学部の長は,人に危害を加える等のおそれのある実験動物が施設等外に逸走した場合には,速やかに関係機関へ連絡しなければならない。

3 学部の長は,実験動物管理者,飼養者及び動物実験者が,実験動物由来の感染症やアレルギー疾患に罹患したり,実験動物による咬傷等を受けたりしないように予防し,発生した場合には必要な措置を講じなければならない。

4 学部の長は,毒へび等の有毒動物の飼養又は保管をする場合は,人への危害の発生の防止のため,飼養保管基準に基づき必要な事項を別途定めなければならない。

5 学部の長は,人に危害を加える等のおそれがある実験動物について,名札,脚環,マイクロチップ等の装着等の識別措置を技術的な可能な範囲で講じるように努めなければならない。

6 実験動物管理者,動物実験者及び飼養者は,相互に実験動物による危害の発生の防止に必要な情報等の提供等を行うよう努めなければならない。

7 学部の長は,実験動物の飼養や動物実験等の実施に関係のない者が実験動物に接触しないよう,必要な措置を講じなければならない。

(緊急時の対応)

第36条 学部の長は,地震,火災等の緊急時に執るべき措置の計画をあらかじめ作成し,関係者に対して周知を図らなければならない。

2 管理者は,緊急事態発生時において,実験動物の保護,実験動物の逸走による人への危害,環境保全上の問題等の発生の防止に努めなければならない。

(人と動物の共通感染症の対応)

第37条 実験動物管理者,動物実験者及び飼養者は,人と動物の共通感染症に関する十分な知識の習得及び情報の収集に努めなければならない。

2 管理者,実験動物管理者及び動物実験者は,人と動物の共通感染症の発生時において必要な措置を迅速に講じることができるよう,公衆衛生機関等との連絡体制の整備に努めなければならない。

第10章 教育訓練

(教育訓練)

第38条 委員会は,自ら主催し,又は委員会が適切と認める機関に依頼し,次に掲げる教育訓練を実施しなければならない。

(1) 動物実験等に関する法令,指針等,本学の定める規則

(2) 動物実験等の方法に関する基本的事項

(3) 実験動物の飼養保管に関する基本的事項

(4) 安全確保及び安全管理に関する事項

(5) 人と動物の共通感染症に関する事項

(6) その他動物実験の実施及び実験動物の取扱いに関する基本的事項

2 実験動物管理者,動物実験者及び飼養者は,前項に定める教育訓練を受講し,教育訓練受講者として登録しなければならない。

3 委員会は,教育訓練を実施したときはその旨を学長に報告しなければならない。

4 委員会は,教育訓練の実施日,教育内容,講師及び受講者名の記録を保存しなければならない。

5 委員会は,実験動物管理者,動物実験者及び飼養者の別に応じて必要な教育訓練が確保されるよう努めるものとする。

(教育訓練受講者登録)

第39条 前条第2項により教育訓練を受けた者は,教育訓練受講者登録申請書(別記様式9)により委員会へ教育訓練受講者登録の申請をしなければならない。

2 委員会は,前項の申請をした者が前条第1項の教育訓練を受講した者であることを確認の上,教育訓練受講者として登録するものとする。

3 委員会は,前項により教育訓練受講者登録を行ったときは,その旨を学長に報告するものとする。

4 動物実験等は,教育訓練受講者登録をした者でなければ実施することはできない。

第11章 自己点検・評価・検証

(自己点検・評価・検証)

第40条 学長は,委員会に,基本指針への適合性及び飼養保管基準の遵守状況に関し,毎年,自己点検・評価を行わせるものとする。

2 委員会は,動物実験等の実施状況等に関する自己点検・評価を行い,その結果を学長に報告しなければならない。

3 委員会は,管理者,実験動物管理者,動物実験責任者,動物実験者及び飼養者に,自己点検・評価のための資料の提出を求めることができる。

4 学長は,自己点検・評価の結果について,外部の専門家等による検証を定期的に実施しなければならない。

第12章 情報公開

(情報公開)

第41条 学長は,本学における,動物実験等に関する情報(山形大学動物実験規程,実験動物の飼養・保管状況,自己点検・評価,外部の専門家等による検証結果,動物実験委員会の構成等の情報)を毎年1回程度公表するものとする。

第13章 補則

(準用)

第42条 第3条第5号に定める実験動物以外の動物を使用する動物実験等については,飼養保管基準の趣旨に沿って行うよう努めるものとする。

2 第3条第5号に定める実験動物以外の動物を使用する動物実験責任者が,当該動物実験計画について,学長の承認を必要とする場合は,本規程を準用できるものとする。

(事務)

第43条 委員会の事務は,研究情報部において遂行する。

(雑則)

第44条 第10条に規定する委員会の設置は,令和8年3月31日まで効力を有し,時限到来時において,その設置意義,審議内容及び委員構成等について見直すものとする。

2 この規程に定めるもののほか,動物実験等に関する必要な事項は,委員会において別に定める。

1 この規則は,平成19年10月1日から施行する。

2 本規則の施行以前に,各部局に設置されている動物実験委員会において承認された動物実験計画については,第16条第3項の規定に基づき学長が承認したものとみなす。ただし,その有効期間は,実験計画の最終日が,平成20年3月31日より以前・以後を問わず平成20年3月31日までとする。

3 本規則施行以前に,各部局に設置されている飼養施設及び実験室については,第22条第1項及び第24条第1項の規定に基づき,平成20年3月31日までに手続きを行うものとする。

4 本規則の施行以前に,各部局に設置されている動物実験委員会において承認された動物実験計画に基づき実施している動物実験者及び動物実験責任者は,平成19年度中に実施する第37条第1項の教育訓練を受講しなければならない。ただし,受講するまでの間は,第37条第1項の教育訓練を受講したものとみなす。

この規程は,平成20年4月1日から施行する。

この規程は,平成21年10月1日から施行する。

(平成23年4月1日規程第38号)

この規程は,平成23年4月1日から施行する。

(平成23年4月27日規程第4号)

この規程は,平成23年4月27日から施行し,平成23年4月1日から適用する。

(平成25年7月24日)

この規程は,平成25年8月1日から施行する。

(平成25年12月18日)

この規程は,平成26年1月1日から施行する。

(平成26年1月15日)

この規程は,平成26年4月1日から施行する。

(平成26年10月8日)

この規程は,平成26年10月8日から施行する。

(平成27年3月13日)

この規程は,平成27年4月1日から施行する。

(平成28年3月9日)

この規程は,平成28年4月1日から施行する。

(平成29年1月23日)

この規程は,平成29年4月1日から施行する。

(平成29年5月18日)

この規程は,平成29年5月18日から施行し,平成29年4月1日から適用する。

(平成30年4月11日)

この規程は,平成30年4月11日から施行する。

(平成31年4月2日)

この規程は,令和元年5月1日から施行する。

(令和2年1月30日)

この規程は,令和2年4月1日から施行する。

(令和2年3月18日)

この規程は,令和2年4月1日から施行する。

(令和2年12月18日)

この規程は,令和2年12月18日から施行する。

(令和4年3月23日)

この規程は,令和4年3月23日から施行する。

(令和4年9月28日)

この規程は,令和4年10月1日から施行する。

(令和4年11月24日)

この規程は,令和4年11月24日から施行する。

(令和5年3月8日)

この規程は,令和5年4月1日から施行する。

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別記様式9(第39条第1項関係)

教育訓練受講者登録申請書

備考 別記様式9は,教育訓練受講の際配布します。

山形大学動物実験規程

平成19年10月1日 種別なし

(令和5年4月1日施行)

体系情報
全学規則/第4編 研究活動・国際交流/第1章 研究活動
沿革情報
平成19年10月1日 種別なし
平成23年4月1日 規程第38号
平成23年4月27日 規程第4号
平成25年7月24日 種別なし
平成25年12月18日 種別なし
平成26年1月15日 種別なし
平成26年10月8日 種別なし
平成27年3月13日 種別なし
平成28年3月9日 種別なし
平成29年1月23日 種別なし
平成29年5月18日 種別なし
平成30年4月11日 種別なし
平成31年4月2日 種別なし
令和2年1月30日 種別なし
令和2年3月18日 種別なし
令和2年12月18日 種別なし
令和4年3月23日 種別なし
令和4年9月28日 種別なし
令和4年11月24日 種別なし
令和5年3月8日 種別なし