【卒業生寄稿】みちのくドケチ珍道中

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プロフィール

西村 拓朗(滋賀県出身)
平成26年3月 農学部食料生命環境学科卒業
現在:主に合同会社セイゴーシステム等に勤務

前置き

このWEBサイトの趣旨としては、山大の卒業生が当時を振り返りつつ、現役学生や入学予定者の参考となるような話や、卒業生が当時を懐かしめるような小話をする場かと思いますので、取り留めもなく昔話をしたいと思います。

入学と最初の1年

農学分野に興味があり農学部に入りましたが、自宅からの距離で言えば岐阜大学や名古屋大学もあったのに何故あえて山形まで来たのかと申しますと、「温泉・山・海を同時に楽しめる土地で田舎暮らしを満喫したかった」というのが正直な理由です。高校時代は東北の温泉紹介番組を見たり、「月10万円で暮らせる田舎」みたいな本を読んだりして、田舎暮らしや温泉にあこがれていました。

さて、農学部生も最初の1年は教養科目を勉強するため、しばらく小白川キャンパスのある山形市に居る必要があります。1年生は勉強も忙しいと思いますが、県外から来た人はせっかくなので山形市巡りをした方が良いです。2年になったら今度は庄内のアウトドア遊びで忙しくなりますからね。という訳で突然ですが、原付で行ける山形周辺の観光スポット&温泉を紹介します(私の場合は原付で月山越えたり米沢まで行ったりするのですが、ここでは近場を紹介します)。

おすすめスポット

上山温泉の公衆浴場

上山には150円で入れる公衆浴場が沢山あります。めっちゃ熱くて気持ち良く、レトロな雰囲気がたまらんので、是非行ってみてください。下呂温泉や肘折温泉が好きな人には多分ツボです。今はもうないですが、湯町共同浴場にはよく足を運びました。番台の婆ちゃんと仲良くなって、手製と思われる紫蘇ジュースなるものを貰ったり、近所の爺ちゃんに湯町公衆浴場の歴史を聞いたりしていました。山形の人は関西人にも増してフレンドリーかもしれません。

もみじ公園

山大小白川キャンパスから徒歩10分かからない所にある庭園です。私は、野郎専用の下宿(風呂便所台所共用)に住んでいたのですが、そこから公園まですぐだったので、日々の喧騒を忘れるために人のいない時間を狙ってよく散歩しに行っていました。住宅街の一画にポツンと在るので、穴場感が半端ないです。実際、だいたいいつ行っても1人か2人くらいで、アベックも少なく心落ち着きます。香川の栗林公園や金沢の兼六園、彦根の玄宮園みたいな広さは無いですが、あの手の雰囲気が好きな人にはツボだと思います。

荒沼、県民の森

全然荒れてない普通にきれいな沼です。紅葉がめちゃくちゃ綺麗で、運が良ければ雲海が見えます。その近所に一時期住んでいましたが、朝雲海を見ながら飲むコーヒーは美味かったです。春夏は昆虫も沢山見られます。ヒメシロコブゾウムシ、ウスバシロチョウ、オトシブミ、etc...。また、冬は水面が凍るので歩けて面白いです。まぁ冬は流石に原付では行けないので、春~秋の間に行ってみてください。


全く荒れていないとても綺麗な「荒沼」(山形県 県民の森)

県民の森で遊ぶ私(県民の森の隣に住んでいた頃)

上山市で一番気持ち良かった公衆浴場「湯町共同浴場」

鶴岡へ引っ越し

そうこうしているうちに鶴岡市に引っ越す時期がやってきます。意外と荷物が多く、ママチャリもあったので単身パックに入りきらず、急遽ハイエースを借りて、当時サークルが同じだった友人に手伝ってもらいました。この方法は結構おススメです。引越屋の「単身パック」は1ボックス2万円程度なので、もし2ボックスあると4万円になりますが、ハイエースなら24時間借りても1万円くらいで済みます。

また、家賃を抑える工夫としては、シェアハウスという手もあります。7DKの車庫付き一軒家でも5万円くらいで借りられるので、何人かでシェアしてみるのもアリですね。私も3年生からはシェアハウスをしていました(ちなみに2年生の時は、風呂トイレ別8畳1K鶴岡駅徒歩2分のアパートを2万円で借りていました)。


金峰山からの景色(農場からも近く、駐車場からダッシュで行けば30分くらいで登頂できるのでオススメ)

致道館の偉人コーナー(例に漏れず藤沢周平推し)

窓ガラスが割れ、天井が剥がれ落ちたアパートの1室(この2階に住んでいました)

さて、鶴岡ではやることが沢山あります。山菜採り、魚獲り、山登り、等々。あと、大学の図書館に藤沢周平原作の映画のDVDが置いてあり、タダで見られるので借りて見るのもヨシです(武士の一分とか)。

そして鶴岡にはほんまにイケてる温泉が沢山あるので、絶対浸かるべきです。という事で、温泉紹介です。

鶴岡市内のおすすめ温泉

温海温泉公衆浴場

入口の木箱に200円入れてから入ります。めっちゃ熱いです。あと地元住民らしき爺さんが気さくに話しかけてくれます。公衆浴場の近くにある餅屋の栃餅がうまいんでおススメです。

湯田川公衆浴場

ひなびた感じが良い、小規模な温泉街の中にある公衆浴場です。意外とハイテクで、地元住民はカードキーのようなもので出入りしています。一般人が入浴するには、公衆浴場の斜め向かいにある商店に居る婆さんに200円を支払って開けてもらう、というクエストみたいな仕様になっていて非常に面白いです。絶対行くべきです。米を湯につけて催芽する作業場とか梅林公園とか、意外と見る所が多いです。

湯ノ瀬温泉森

これは公衆浴場ではないですが、今もまだあれば日帰り入浴やってると思います。私は数年前に泊まりで行きましたが、良い意味で田舎の旅館です。ここの目玉は、阿呆みたいにでかくて深い温泉です。閑散期を狙っていけば、25mプールの広さの温泉を独り占めできます。糸魚川の焼山温泉が大丈夫な人ならここも大丈夫です(焼山温泉は景色がべらぼうに良い上に、クワガタとかでかい蜘蛛がそこらへんに居ます)。人が居ない時期を狙って友人と行ってみてはどうでしょうか。

卒業から現在

2010年に山形に引っ越して来て、かれこれもう10年以上経ちました。東北の温泉と山を忘れることができず、未だに山形の会社で働いています。第一次産業への参入を夢見つつも、現在はクラウド系のSIerとしてシステム開発やハードウェアの納品を行う会社でリモートワークしています。コロナ禍が訪れる前から長年リモートワークしていますので、自分で言うのなんですが、リモートワーク歴は先輩です。そういう働き方に興味がある卒業生や在校生の方がいらっしゃれば、文末のリンクに採用ページへのリンクを貼りますので、是非見てみてください。

ところで、流石に10年も居ると田舎暮らしに馴染んでくるものですね。というわけで折角なので、ここ10年で分かった「田舎暮らしの秘訣」を紹介します。

1:近所の爺ちゃん婆ちゃんと仲良くなる

山形県内で8回くらいは引っ越して理想の地を探しましたが、だいたいどの土地に住んでいる時でも、近隣の爺ちゃん婆ちゃんと仲良くなって、野菜や料理を交換したり、お土産を持って行ったりしていました。これが結構重要で、近隣で火事があれば知らせてくれたり、町の情報を教えてくれたり、右も左も分からない新参者には非常に助けになります。

2:厳しい冬を経験してみる

正直東北がこんなに地獄みたいな寒さの土地とは思っていなかったので、毎冬、心身共に疲労困憊していました。一方で、冬が明けた後の春の到来がめちゃくちゃ嬉しいです。暖かい土地で過ごしていると、この有難みや喜びは絶対に理解できないので、東北で田舎暮らしをするなら、まずは冬の寒さを経験してみると良いです。

あと、平均気温が低いためかゴキブリのサイズが関西より明らかに小さく、動きもスローなので、普通に手づかみして外に逃がしてあげられます。これも寒さのメリットの一つかもしれません。


近所のお婆ちゃんにもらった野菜と自分で育てた野菜
最近では貰った白菜をキムチや漬物にしてお裾分けしたり、変化球も投げている

雪に埋もれてしまった家
(この後、大家さんに除雪機を借りました)

さて、例のごとく最後に、東北のおすすめ温泉紹介をしたいと思います。

東北地方のおすすめ温泉

小原温泉 桂の湯(宮城県)

かなりマニアックな部類に入るのですが、私はほんまにツボでした。廃墟となった温泉街の片隅に、岩をくり抜いて作った簡素な温泉があり、川辺の遊歩道の脇の掘っ立て小屋の爺さんに200円を払うと入れます。成分がかなりきついので目に入るとしんどいですが、熱くて気持ちの良い温泉です。

乳頭温泉 鶴の湯(秋田県)

まぁメジャーですよね。秋田県民なら絶対行ってるはずの温泉ですが、山形県からは意外と遠いです。同じレトロ系混浴温泉で有名な青森県の酸ヶ湯と同様、なんか江戸時代の風呂みたい雰囲気で結構ツボです。まぁあっちは覗きに行く助平オヤジが居るので要注意です。ガチ勢の温泉マニアは鶴の湯にある湯治用の宿(めちゃくちゃボロい)に泊まるらしいですね。私は近くの妙の湯に泊まりました。こっちは風呂の種類も多く貸切もあるので、アベックにはお勧めです。

姥湯(米沢市)

秘湯8選の頂点みたいな温泉です。まずここに行くのに車酔いしそうな山の細道を通り、かなり標高を上がった所でようやく入れます。ここにランクルで来る馬鹿たれが居りますが、すれ違いできないので小さい車で行った方が良いです。そしてこの温泉はなんと完全なる混浴で、更衣室が男女別に分かれているだけです。設備もしょぼい割に入浴料は500円するので割高に感じるかもしれませんが、景色を見ると妥当だなと思えるはずです。是非!

鳴子温泉 滝の湯(宮城県)

券売機で150円で入れます。鳴子温泉の湯は何か所か浸かりましたが、結局この公衆浴場が一番気持ち良いです。硫黄系の濃いめの温泉に入りたいけど、蔵王は入り飽きたし、かといって草津や万座や月岡はちょっと遠いな、という人にはお勧めです。


乳頭温泉 鶴の湯 の湯治場の入り口。
レトロ感がたまらんです。

米沢の姥湯温泉。一浸の価値あり。

終わりに

途中から「卒業生の寄稿」というより「温泉紹介」になってしまいましたが、それくらい東北が良い場所ですよと伝えたかったのでご容赦ください♨♨♨

コロナ禍で色々大変な時世ではありますが、山形県内の素晴らしい温泉に浸かり英気を養った、本学の卒業生と在校生が活躍されることを願っております!

それでは! ノシ

リンク

セイゴーシステムの採用募集サイト:https://seigo-system.jp/recruit/