首都圏にお住まいの山形大学卒業生の皆様へ

掲載日:2020.9.29

 同窓生の皆様には平素から山形大学に多くの御支援をいただき誠にありがとうございます。ご案内申し上げましたように、新型コロナウイルス感染防止のために、12月に開催を予定しておりました首都圏ネットワークの催しは見送ることとなりました。同窓生の皆様が一堂に会する貴重な機会でありましたので、大変残念に思っております。このような時にこそ、卒業生の皆様とのつながりをさらに深めたいとの思いを強くいたしました。今後、さまざまなかたちで皆様に山形大学の「現在 (いま)」をお伝えしてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

 この機会に、withコロナでの山形大学の状況をご報告します。
 新型コロナウイルスの感染拡大が顕著になった1月以降、本学では対策本部を設置して対応にあたりました。苦渋の決断でしたが、3月の卒業式と4月の入学式は中止しました。4月から9月までの前期期間は、一部の実験・実習等を除き、全学部・大学院でほとんどの授業をオンライン会議システムで行い、レポートのやり取りや試験なども可能なかぎりウェブの授業支援システムを使用しました。

 この前期期間は、これまで当たり前のように考えていた教室での授業ができなくなったことで、学生と教職員のどちらもが大学での「学び」について考え直す貴重な時間となりました。私自身も1年生の授業(基盤共通教育)を1コマ担当しましたが、グループワークも含めて教室で行う学習のほとんどはオンラインでもできることを実感しました。しかし、大学での「学び」の本質は、単なる知識・技能の修得にとどまらず、様々な人との交流を通じた人間的成長であることを、大学で学んだ経験がある方ならば、みな理解されていると思います。そのため、賛否両論はありましたが、10月からの後期期間はできるかぎりの感染防止対策を講じたうえで、対面授業を主にして一部オンラインも併用して行うことにいたしました。

 コロナ禍で経済的に困窮する学生への支援も重要な課題となっています。卒業生をはじめとする多くの皆様からは、コロナ禍で経済的に困窮する学生への支援として山形大学基金に多大なご寄付を賜り、8月末までの寄付金額は約2100万円に達しました。一方、国による学生支援緊急給付金には、全学生の20.9%にあたる1.773人が申請しております。このような公的支援から外れた困窮学生については、山形大学基金を原資とした本学独自の支援を実施することにしております。皆様からのご支援とご厚情に改めて御礼申し上げます。

 幸いにして現在のところ、山形県内での新たな感染者は極めて少ない状況が続いておりますが、気を緩めることなく、学生と教職員が力を合わせてwithコロナの新たな山形大学を創りあげたいと考えております。どうかこれからも、母校をご支援くださいますようにお願い申し上げます。

令和2年9月28日
山形大学長