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『アンデス文明ハンドブック』の出版について

掲載日:2022.04.07

本件のポイント

(C)山形大学ナスカ研究所
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(C)山形大学ナスカ研究所

  • 山形大学ナスカ研究所に関わる教員が編者となり、アンデス文明の全体像を描き出した書籍が出版された。これは、日本のアンデス研究者が結集して通史をカバーするという、これまでになかった試みである。
  • 本書はアンデス文明の主要な時代とテーマを網羅し、研究の最先端を総勢20名の専門家が論じるという点において、先例のないものである。また、本学のナスカ研究に関する最新の成果も扱われている。
  • 本書はアンデス文明に関する初学者向けの導入書、および大学生用の教科書を意図して書かれた書籍である。これによって、アンデス文明のファンがふえると同時に、より多くの人がアンデス研究を志す一つの契機となり、研究のすそ野がひろがることが期待される。また、山形大学での教育活動においても、研究成果の教育への還元という重要な役割を担う書籍として位置づけられる。

概要

 アンデス文明ハンドブックは、様々な古代文化の総体であるアンデス文明に関する初学者向けの導入書、および大学学部生用の教科書を意図して編まれたものである。アンデス文明のなかでも、ナスカやマチュピチュをはじめとした文化遺産については、日本においても広く知られている。
 その一方で、日本人によるアンデス文明の調査・研究が半世紀以上の歴史を持ち、国際学会の最前線にたち続けていることは、一般に十分に認識されているとはいいがたい。また、国際的にも日本の研究者の層は厚いが、それぞれの調査の最新の成果は国際学会での発表や学術論文という形をとることが多く、一般にたいして開かれた状態であるとはいえない。
 そこで本書では、アンデス各地で調査をおこなう気鋭の日本人研究者らに、各自の専門とする地域および時期に関して、自身の調査成果や最新の知見、国際的な研究動向を関連づけて平易に論じてもらった。
 結果として本書には、壮大な神殿の出現からスペイン人によるインカ帝国の征服、文化遺産をめぐる現在進行形の問題にいたるまで、総勢20名の専門家によるアンデス考古学の最前線が凝縮されることとなった。もちろんその中には、坂井正人教授をはじめとする本学のナスカ研究所に所属する教員による研究の最新の成果も含まれており、アンデス研究におけるその重要性が示されている。
 アンデス文明の主要な時代とテーマを網羅し、研究の醍醐味を解説した本書によって、アンデス文明のファンがふえると同時に、より多くの人がアンデス研究を志す一つのきっかけとなり、研究のすそ野がひろがることが期待される。また、この書籍は、山形大学での教育活動においても、研究成果の教育への還元という重要な役割を担うものとして位置づけられる。

『アンデス文明ハンドブック』関雄二(監修)山本睦・松本雄一(編)、京都:臨川書店。2022年。

詳しくはこちら(プレスリリース)をご覧ください。

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