平成30年度マイスター修了証書授与式・講演会・マイスター活動報告
3月9日(土)
2019年3月9日(土)、山形大学にて各マイスターの修了証書授与式をとりおこないました。
スライムは昨年6月、クラゲは7月に開講されたマイスター養成講座を受講し、レポートの提出やイベントでの現場実習を経て、スライムは初級11名、上級2名、またクラゲは初級15名と上級4名が認定されました。
皆さん、おめでとうございます!
当日は、玉手小白川キャンパス長より修了証書が授与された後、「やまがた『科学の花咲く』プロジェクト」のコーディネーターである清野先生より今年度のマイスター活動を報告していただきました。マイスターそれぞれの活動がわかり、マイスター同士お互い良い刺激となったこと思います。
今年の講演は昭和女子大学から白數哲久氏をお迎えし、『未来を照らす科学の役割』というテーマで白數先生ご自身の活動を具体例に、サイエンスコミュニケーションの必要性・重要性について語られました。
子どもたちが理科の授業がつまらないというお話を聞くことも多いそうですが、なぜつまらないかを聞くと「実際の生活で使わない話ばっかり」とのこと。子どもは正直なので、直感的に「楽しい!」「すぐに役立つ」と思ったら、話を聞きます。
まずは子どもが「これは使える」と思う知識や技術でアプローチをしていく必要がありますが、これも人によって様々であるとのこと。私たちサイエンスコミュニケーターにはいろんな団体とつながり、協力をお願いしたり、情報を共有し模索していくことが求められているということでした。個人だったり、実験の内容であったり、様々なパターンを考えていく柔軟性も不可欠であることもわかりました。
子どもたちは勉強をして現実を知ることで未来を暗く考える事がありますが、本来、科学にはその現実を楽しい明るい未来に変える力があります。「今はこうだけど、理想はこのカタチ。理想のカタチに向かっていくために」という考えのもと、勉強することが明るい未来に直結するというお話を伺いました。
普段の私たちの活動につながるお話も多く、参加者からは積極的に質問も出ました。子どもへ説明する難しさや子どもの実態を調査する手法など、ひとつひとつの質問に丁寧に答えてくださり、とても有意義な時間となりました。
また、講演後には各マイスターの方にそれぞれのマイスター活動を紹介して頂きました。ただの活動紹介に止まらず、スライム、クラゲ、月山の魅力を語って頂いたり、どのような想いでマイスター活動に携わっているか、今後の課題ややりたいことなど、それぞれの発表がまさに個性に富んだ聞き応えのあるものとなりました。
新しくマイスターになった方や既にマイスターを取得されている方も3名の発表を聞き、マイスターを取得し、次のステップとして、マイスターとして今自分にできることは何かということを考えさせられたのではないでしょうか。
クラゲマイスターの高橋敏彦さん。クラゲマイスターの中核として活動している高橋さん。活動はSCITAセンター関係に止まらず、全国各地でクラゲの魅力を伝えています。クラゲの魅力を伝えることで人と人とがつながっていく、そのつながりがまたクラゲのもつ生命の不思議などを伝えていく。マイスター活動にはそのようなつながることの面白さを感じているとのことでした。
スライムマイスターの佐藤順英さん。子どもたちの笑顔、驚く顔が大好きという佐藤さんが大事にしていることの一つは実験の見せ方。視覚的に心を掴むと、子ども達は興味を持って耳を傾けることも多いとのこと。今回は12月に行われた「スライム☆特別教室」で実際子ども達に見せた「光るクラゲ」!・・・に似せた光る人工イクラ(アレルギン酸ナトリウムと乳酸カルシウムを使用したゲル化の実験)を展示してくださいました。

月山マイスターの佐藤孝男さん。月山の魅力をマイスターそれぞれの視点から講話で伝えていく活動を主としています。講話を行った皆さんの内容をわかりやすく、笑いも交えながら参加者に報告してくださいました。実は、講話だけではなく、マイスターの活動として、毎年企画しているというフィールドワーク。何の因果か毎年、悪天候で中止が続いているとのこと。来年度こそ実施できますよう祈らずにはいられませんでした。
全く違う分野のマイスターさんの報告を、皆さん真剣に、そして興味津々に聞いていらっしゃる様子でした。
来年度もどうぞよろしくお願いします。