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『国立大学出身者初の女流講談師、真打ちに昇進いたします』

   宝井 琴柑さん (本名:綿貫 麦/神奈川県横浜市出身)
   平成16年3月 人文学部人間文化学科卒業
   現在:国立大学出身者初の女流講談師として活躍中!


 2019年10月に五代目宝井琴鶴を襲名する山形大学人文学部卒業の女流講談師、宝井琴柑(本名:綿貫麦)さんからの卒業生寄稿文です。これからもたくさんの応援をお願いします。


「弁慶と牛若丸」

 横浜の高校生だったときに研修旅行で訪れたのが、山形県高畠町。有機農法に取り組む農家で農業体験をさせて頂き、山形って良いところだな、という想いだけで山形大学を受験。大学に来たのは、入試の時が初めてでした。 山形大学人文学部の入試要綱には、「小論文が優れている者は、センター試験の成績を問わず合格とする」という文言があり、得意だった小論文に賭け受験すると、なんと合格することができました。きっかけとなった高畠の農家さんも喜んでくださり、現在まで交流が続いています。

 迷わず人文学部人間文化学科を受験したほど、文系の頭脳しか持ち合わせておりませんが農業へのあこがれは強く、一年次の教養の授業では積極的に農学部の先生の講義を受講しました。この時に出会った、農学部の楠本雅弘教授(今はご退任されています)には、都内の農業系出版社への就職の際にも紹介をして頂きました(そのお陰で、就職氷河期の大変な倍率を突破し内定を得たと思います)。その会社の入社の際に、親族以外の保証人記入欄があり、先生に保証人までお願いしました。 (そこまでして頂いたのに、あっさり8ヶ月で辞め、講談師に転向するのですが・・・。)
 また、学生時代には数々のアルバイトもしましたが、どれも時給が低いバイトばかりでした。そこでワリの良い収入源として思いついたのが、懸賞です。文章力と、関心の深い〈農〉のテーマを武器に、応募点数の少なそうな、マイナーな作文コンクールを狙いました。在学中に、農業関係のこと、環境のこと、をテーマにした作文コンクールには、2回入賞しました。 一度は最優秀賞で、滋賀での授賞式に、交通費宿泊費も主催者負担で招かれ、表彰されました。副賞として賞金5万円を頂けたと楠本先生に報告に行くと、「たったこれだけの文字数で?私の原稿料より高い」と驚かれました。

 時は流れ、平成26年の東京にての山大OB&OGセミナーにお招きいただき、講談をお聴き頂きました。以来、OB&OGの皆様と交流が持てるようになり、毎年秋には、東京ふすま会の見学会として、史跡巡りと講談を聴くイベントを開催して頂いています。その活動から、「宝井琴柑を真打にする会」という有志による応援団も発足しました。
  お陰様で、今年の10月に真打に昇進し、5代目琴鶴を襲名することとなりました。 すると同窓生の大先輩方が、後ろ幕や幟をつくろうと呼びかけてくださり、学部の垣根を越えて、すでに沢山のお祝い金が集まっているとのことです。本当にありがたく、感謝申し上げます。

「東京ふすま会 『第32回見学会』」

 表象文化論コースで薫陶を受けました阿部宏慈教授には、今は山大副学長として披露の口上書に祝辞を寄せていただくことも叶いました。10月の昇進襲名披露宴ならびに、11月の披露興行では、「山形大学 有志より」の文字の光る、後ろ幕が掲げられます。山大農学部オリジナル純米酒燦樹も、ご来賓に振る舞う予定です。




掲載:2019.4.3