【卒業生寄稿】機会を創り、周囲を頼り、やりたいことを全部やった5年間

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プロフィール

二瓶友岳(東京都練馬区出身)
令和4年3月 工学部情報エレクトロニクス学科電気電子通信コース卒業
現在:日系IT開発会社 勤務 ( Ho Chi Minh City ,Vietnam )

はじめに

こんにちは、2017年入学、2022年卒業の二瓶友岳です。 私は、山形大学の入学時に、このような目標を立てました。

1.後悔しない大学生活を送る

2.山形で活躍する

3.人生を開拓する

しかし、なにがしたいのかもわからない、山形でなにができるのかもわからない、誰を頼れば良いのかもわからないという、そんな状態で始まった山形での大学生活でしたが、当時からは、想像もつかないほど濃い大学5年間を過ごしてきました。(1年休学しました)

この度、在学中に大変お世話になりました校友会事務局長の樋口さんより、寄稿の機会をいただきました。在学中の振り返りと、これからについて、そしてこれまでの経験を踏まえて在学生に伝えたいことをつらつらと書いていこうと思います。これを読んだ方の人生が少しでも、アツくなるきっかけになればいいなと思います。

1年生:自分の可能性を模索する

自分はこれからの4年間で、「なにをしたいのか、どんな自分になりたいのか」を見つけるために、海外留学・起業・地域協力といった様々な分野のイベントや集まりに参加し、「なにをしたらいいかわかりませんが、面白いことをやって、ビッグになるんです!!!」と、叫びながら、あちらこちらを走り回っていました。みなさん苦笑いでしたが、応援してくれましたね。

EDGE NEXT プログラム

山形大学が行う「次世代アントレプレナー育成事業(EDGE-NEXT)」との出会いが私の大学生活をすべて変えたと言っても過言ではありません。今となっては年間100人が参加する講座ですが、2017年の立ち上げ当初の参加者はなんと友人と私の2人だけでした。これをチャンスと捉え、関わりを増やして、豪華な講師陣からビジネス分野を中心に、考え方・挑戦する心・仲間づくりなどを学ぶことができました。 2022年からは、「i-Hope」プログラムとして同じようなことを行うみたいなので、気になる方はみてみてくださいね。
https://www.yamagata-u.ac.jp/jp/information/press/20220407/02/

学生大使

基盤教育の単位が取得できる「学生大使」もまた、私が海外に挑戦するきっかけとなった授業でした。初めてインドネシアに行き、現地の大学生に日本語を教えるというプログラムを通して、現地の学生と文化交流を行ったことで、インドネシアの雰囲気が好きになり、東南アジア全域への興味のきっかけになりました。


農村見学ツアーにて

私の「ガジャマダ大学」参加レポート
https://www.yamagata-u.ac.jp/jp/international/ambassador/2019gakuseitaishi/ugm/ugm29_4/

Agasuke house

教育&空き家活用をする学生団体「Agasuke house」(現存不明)も、新しい世界に踏み出すきっかけとなりました。東根市の空き家を改装して、ゲストハウスを創るプロジェクトから始まり、山形大学の講堂を貸し切って、外部講師を呼んで参加者100人超の講演会を開いたり、ゲストハウスで留学生と国際交流のイベントを行うなどをしていたのを一緒に行う中で、「学生でもこんなことができるんだ!」「自分も先輩みたいになりたい!」と影響を受け、2年くらいこの団体で活動していました。山形の大学生にもっと大学外に出て活躍して欲しい!との想いから、学外活動合同説明会と称して、大学の空き部屋を借りて企業やインターンシップ・ボランティア団体を10団体ほど呼んでイベントをやったこともありました。


Agasuke House

学外活動合同説明会ポスター

講演会

Agasuke塾(講演会)運営メンバーと

Agasuke House : 国際交流イベント

2年生〜休学〜3年生:大学外、県外、国外へ飛び出す

海外ビジネス武者修行プログラム

ベトナムの現地店舗に行って、2週間で新規事業を創ってくるというプログラムに参加しました。これは日本全国の学生がベトナムに集まり、チームを組んで行うものなのですが、山形だけではどうしても視野が狭まってしまいがちなので、2年生になる前のタイミングで全国の同世代と繋がれて、仲間としてプロジェクトを行った経験はかなり有意義でした。
( 海外ビジネス武者修行プログラム :https://mushashugyo.jp/ )


海の集合写真

やまがた次世代会

1年生で様々な分野に触れてみて、新しい世界を知ることができたので、自分でもなにかやってみたいと思い、山形でなにかしたい若者が交流するイベント「やまがた次世代会」を立ち上げ、3度実施しました。
( ヤマガタ未来ラボ:https://mirailab.info/column/25768)

自分で場を設計する難しさや仲間を集めて、一緒に成し遂げることの難しさを痛感しました。近隣の他の大学生・高校生を巻き込んだ交流イベントを実施したことで、山形の学生がよりなにかにチャレンジしやすい土壌ができたと思います。現在は170人ほど参加しているSNSの情報交換コミュニティーになりました。 その派生で、マッチングアプリを作ってみたりもしましたね。(現在はサービス終了)
( 山形経済新聞: https://yamagata.keizai.biz/headline/679/ )


やまがた次世代会×PUTイベントポスター

やまがた次世代会×PUTイベント

ベトナムでの長期インターンシップ

元々、山形大学が行う短期交換留学に申請していたのですが、期限までに留学要件を満たす英語試験の点数が取れず、参加できなくなってしまいました。しかし周りには留学に行くと言ってしまっていたのであとに引けずに、どうしようかなと思っていたのですが、そのときたまたま、ご縁もあってベトナムで日本語の先生をするインターンシップをすることになったため、休学をしてベトナムに行きました。 現地では、日本語学校で日本語を教えることと、夕方に系列店でたこ焼きを作り、夜は、別の系列店でラーメンを作る毎日でした。そこで海外で働くにあたって英語のコミュニケーションスキルの重要性や自分で考えてなんとかする力の重要性を学びました。


ベトナム・ホイアンの街並み

東南アジア1ヶ月5万円生活

1ヶ月5万円で東南アジアで生活できるという風説が巷で流行っていたので、飛行機代と15万円だけもって3ヶ月間フィリピンとマレーシアに滞在していました。東南アジアで生活するというのはどういうことかを知るために滞在し、毎日ぷらぷらしてたのですが、アクシデントがあって急にお金が底に尽きかけたため、動画編集を学んで、受注・納品して日銭を稼いで生き残りました。この時の経験から、自分はいままで多くの人に支えられて生きてきたことを実感しました。また、卒業後は東南アジアで働きたいと思うようになりました。



マレーシアの生活

起業

前述にある通り、動画編集を身につけたので、YouTuberの動画編集を代行で行う仕事を始めました。米沢の温泉旅館さんや山形のハウスメーカーのYouTube動画制作なども行いました。自分の商品を提案して、実施して、納品して、対価をいただく経験は、自分が世の中に価値貢献ができている実感があり、とても嬉かったです。 AA ( 学生が大学事務を手伝うアルバイト )として、大学のオープンキャンパスの動画を制作したり、新入生向けパンフレットにある新入生限定公開の動画の制作をしたこともありました。webマーケティングのようなこともしていましたね。起業をしていた同期の友人と山形の学生に学生向けの情報を届けるwebメディアをやろう!ということで、いろいろやっていたこともありました。


学長定例記者会見にて発表させていただいたことも、

4年生:学外活動に満足し、ようやく学業へ

ここまで読んだ方は、「いつ勉強してたんだ?」と思ったかもしれませんが、実はあまり勉強をしてきませんでした。ちゃんと3年生までに卒業に十分な単位を取得しましたが、平均よりはやっていなかったと思います。そして4年生の前期まで、長期インターンシップ・起業のこと・就活をしていたのですが、「せっかく大学に来たのだから最後くらいちゃんと勉強しよう」と思い、後期からは卒業研究に全力で取り組みました。 題材は、置賜方言を共通語に翻訳するシステムの開発。これまで、山形でいろいろ活動してきた私には親和性のあるテーマでした。指導教員の横山先生は基本的に放任してくださる方だったため、自分でやりたいテーマ設定をして、最後までほとんど一人で自由な発想でやらせていただきました。

その結果、卒業研究発表会にて優秀発表賞をいただくことができました。これまで、海外・ビジネス・地域創生など、様々な分野で全力でやってきたからこそ、仮説を立てて検証する力や実行する力・プレゼンテーションの力がつき、このような賞をいただけたのだと思います。今考えてみると、何度も脇道に外れたようで、無駄なことは1つもなく、すべて自分の血肉になった気がしています。


横山先生と優秀発表賞

卒業論文: https://github.com/nihei1206/oitama_trans/blob/main/README.md

指導教官の横山道央先生: https://www.yamagata-u.ac.jp/jp/hitotohito/research/20210315/

これから

東南アジアにあるベトナムという国で、日系のIT企業で働く予定です。山形で得た経験をもとに、まずは仕事を覚えて一人前になりたいという気持ちだけで、他のことは考えられませんね。普通じゃない選択をした自分が、へこたれないで前に進むことで、山形にいる後輩や日本にいる友人に希望や勇気をもたらせたら嬉しいなと考えています。 東京から山形に来た時みたいに、またベトナムに行っても機会を創り、周囲を頼り、やりたいことを全部やっていこうと思います。 ベトナムはとても住みやすく食べ物も美味しい国なので、遊びに来てくださいね


ベトナムで撮った自分

在学生へ

数年後、どんな姿になっていたいですか?どんな自分で在りたいですか?理想の姿は?というように仮にでもいいので目標を立てて実行し、定期的に振り返ってみましょう。 「やりたいこと・なりたい自分」という目標から逆算して、いま何をすればそれが達成されるのか、計画を立てることはとても重要です。そして、失敗してもいいからすぐに実行すること。山形にはそれにアドバイスをくれる大人や先輩が学内外にたくさんいました。自分の中だけで考えずに、積極的にアドバイスをもらいに行くことで、新しい視点が増えて、楽しくなってくると思います。山形には、たしかに仙台や東京のような都会ではなく「なにもない」かもしれません。しかし、視点を変えるとそこは真っ白なホワイトボードのように「自分で娯楽を描いて生み出せる」場所でした。山形でせっかく大学生をしているなら、どんどん大人や環境を活用することをおすすめします。そして、これを読んでいるあなたの人生が少しでも楽しくなるきっかけになれたら嬉しいです。そう願っています。相談ごとがありましたら、力になりたいので、気軽にFacebookからご連絡ください

最後に

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。 「興味を広げ、複数の興味を同時に深堀りして、中でも特にやってみたいことを全部試す」 これを行ったことで、当初立てた目標を達成することができたのだと思います。 これまで、山形大学の関係者をはじめ、同期や先輩・後輩、地域の方に助けていただいたおかげで、自分の可能性を模索し、開拓し、自信を持って次のステップに進むことができました。山形で、大学生活を過ごせたことは、私にとって宝です。ありがとうございました。

ps. 芋煮会をすることになりましたら、ベトナムから飛んで帰ってきますので、声をかけていただけると嬉しいです。私は醤油&牛肉派です。

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