山形大学出版会

本書は、ホガースの風俗画を通して見えてくる十八世紀のイギリスの「風景」を掘り下げる試みです。風景を形成する主体は様々あり、たとえば、金権政治、刑務所における賄賂の横行、株式バブルの崩壊、投資という名のマネー・ゲーム、蔓延する性病、いんちき薬売り、賭博中毒、心を病んだ人間を「見世物」にする精神病院などです。多彩をきわめるホガースの版画を多角的な視点から見つめなおし、斬新な「読み」を提供する一冊。