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『たくましさ・しなやかさ』が育つ学び

1 これまでの本校の研究から
 本校では、これまで長年に渡って『学び続ける子どもの育成』をテーマに、子ども理解を教育活動の根幹として、子どもを洞察しながら研究に取り組んできた。本校でいう「子どもの洞察」とは、「日々のくらしに見られるありのままの子どもの姿をとらえ、それをもとに、今後展開されるであろう子どもの学びの歩みを的確に見通すこと」である。わたしたちは「人は本来、よりよい自分になりたいという思いや願いをもち、歩み続けている存在」であり、「学ぶとは、事象(人、ものこと、自分)に対するとらえの更新」と考えてきた。そして、とらえの更新のためには、子どもが自らの問いをもち、事象の価値を探る「子どもの問題解決」(図1)が欠かせないと考え、子どもがくらしをつくる中で、学びのよさを実感しながら学び続けることを大切にしてきた。わたしたちは、今後の研究においても「子ども理解と洞察」「子どもの問題解決」を引き続き大切にしたいと考えている。
2 研究についての再考
(1)今の子どもの姿から

 これまでの日々の教育活動を振り返る中で、目の前の子どもと向き合う中で気になることとして、次のようなことが出てきている。
 これまでの取り組みを通して、受容的な聴き合う関係が育まれ、子どもがしっとりしてきた。しかし、一人ひとりが平均化され、個がたっていない感じもする…。
わたしたちは、このような気になる子どもの姿は、研究の成果と課題の現れであると考えている。そこで、わたしたちは、この気になりどころをもとにして研究について再考してきた。
(2)これからの社会や時代の変化から  〜人としての育ち〜
 2016年12月末の中央教育審議会答申によれば、これから子どもたちが生きていく未来は、変化のスピードが加速する予測困難な時代になると予想されている。そして近年、世界各国において、社会の変化に対応するだけでなく、価値観の異なる人々と協働しながら新しい価値をつくり出し、社会の創り手となりうるための汎用性の高い資質・能力の設定や定義づけ、それらを兼ね備えた人材育成が検討されてきている。
 ただ、そのような時代の変化や潮流を視野に入れながら、わたしたちが研究について再考する中で、改めて大切にしていきたいととらえたことは、わたしたちが、学校における全ての学びを通して、子どもの人としてのよりよい育ちを願っているということであった。わたしたちは、能力育成や人材育成という視点だけにとどまらず、今だからこそ、「人格の完成」という教育本来の目的を見据え、人格の形成に軸足を置き大切にしていきたいと考えている。
 そして、わたしたちは、人格の形成にかかわる多くのこと(図2の円内)は、一つ一つが大切で数え上げればきりがなく、その全てが絡み合い、人がよりよく生きようとするときに総合的に生きて働く「不易」なものであると考えるに至った。
 このようなことから、わたしたちは、人格の形成にかかわる資質・能力を含んだ多くのことを包含し、『たくましさ・しなやかさ』(図2)という二言の人間性・生き方に集約した。そして、『たくましさ・しなやかさ』に内包される豊かな資質・能力は、人が本来もっているものであると考えている。
 このように、わたしたちは、子どもがもつ豊かさに培い、それらが育っていく学びこそが、子どもの今を輝かせ、仲間とともに未来を拓いていこうとする際に生きて働くものであると考え、新たに次の研究主題を掲げたところである。
研究主題
『たくましさ・しなやかさ』が育つ学び