研究紹介
人工知能の画像認識処理技術を考古学研究に応用するための手法開発
認知心理学・人工知能・情報科学・考古学の共同研究。人工知能の画像認識処理技術を、考古遺物(土器等)や遺跡の分析に応用する手法の開発。遺物を分析する場合、考古学情報だけでなく、それを分析する考古学者の認知のあり方を重視する。既知の土器編年を人工知能にそのまま機械学習させるのではなく、この編年を理解する考古学者を対象とした認知心理学的実験を行い、考古学者の土器認識のあり方とその偏差を組み込んだデータを人工知能に機械学習させる。一方、遺跡の分析については、機会学習用のデータや機械学習のあり方について検討する。
人工知能の新しいアルゴリズムの開発と識別精度の向上を目指す視覚情報処理にする研究
人間工学・情報科学・認知科学・人工知能の共同。人工知能における画像処理の新しいアルゴリズムの開発と識別精度の向上を目的として、人間の視覚情報処理の基礎研究を実施する。画像等に写っている物体などを、人間の脳がどのように認知と識別しているのかについて実験し、そのメカニズムを明らかにする研究を進める。
気候変動と文明
環境地理学・年代学・考古学・人工知能などの共同。文明の勃興と気候変動の関係について研究する。
メソアメリカとアンデスの比較文明論
考古学・歴史学の共同。最新の調査データにもとづいて、メソアメリカとアンデスの社会について理解を深めるとともに、文字・絵文字・地上絵が果たした役割について検討する。
世界遺産ナスカの地上絵の学術研究と保護
保存科学と考古学の共同。ペルー文化省と一緒に地上絵の学術研究を展開するとともに、山形大学が発見した77点の動物地上絵が集中する地区を遺跡保護公園として整備する。またこれらの地上絵を保存するための手法を開発する。さらに国内外の地方自治体・民間組織などと連携して、地上絵保護のための効果的な社会教育のあり方について検討する。
新発見の地上絵
山形大学では、動物や人間などを表現している地上絵をナスカ台地およびその周辺で発見しました。その中で主だったものを紹介します。
研究内容・用途
世界遺産ナスカの地上絵が分布するナスカ台地で、山形大学調査団は現地調査を実施しています。これらの地上絵を調査しているのは、現在、世界で唯一山形大学だけです。
地上絵の近くには、当時の人々が残した膨大な土器や石器が分布しています。最新の学際的な研究成果にもとづいて、山形大学ナスカ研究所では、これらの遺物の特徴や分布状況を分析します。