WORKS
山形大学
山形県の山間部・過疎地における地域社会やコミュニティーの存続が危惧されています。地域食材や郷土食などの食文化は、長きに渡り活用されてきているものであり、地域における暮らしの証でもあります。また、日本の郷土食は健康的であると、海外からも注目されています。しかし、近年、食材食品の全国流通や労働環境の変化などにより、地域食文化の継承が危惧されています。
そこで、山形大学栄養健康トランスレーション研究グループと地域教育文化学部の学生が主体となり、過疎地域における祖父・祖母の世代から高校生へ伝統食材や食文化を伝承する機会・企画を設定し、その知識を活かして次世代で活用・継承することを目指しました。具体的には、山形大学と小国高校の学生が一緒になって(高大連携)現代風にアレンジ・開発に挑戦し、そのメニューを活かして高齢層と若年層がともに活動する健康管理企画を構想しました。
小国町で生産に力を入れている食材「タカキビ」やクマ肉で伝統的に有名な「ジビエ肉」に注目しました。タカキビは古くから食べられているグルテンフリーの穀物で、ジビエ肉は狩猟動物の肉で低脂肪であり、両者ともに現代の健康指向性にマッチした食材であります。
小国高校生と山形大学生と共同で試作検討を重ね、タカキビを活かしたメンチカツ、マフィンやクッキーなどのレシピ集を作成させました。その成果は、小国町「道の駅」や小国町パン「Naëbaco」さんから商品販売していただきました(八峰祭でも一緒に出店)。また、イノシシ肉やシカ肉を活用したメニューも開発しました。このように、若年層を軸にして地域食材を活用した食産業の開拓から、高齢者への健康や食に関する企画へ発展させる素地を形成できました。
しかし、超高齢社会に備えた高齢者への食育活動や社会共創活動の企画に関しては実施できませんでした。
今後の活動展開を乞うご期待ください。
〇担当教員
小酒井 貴晴(山形大学地域教育文化学部 主担当)
矢口 友理(山形大学地域教育文化学部 主担当)
石垣 和恵(山形大学地域教育文化学部 主担当)