山形大学校友会
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『自由の翼を得て Part2』

   里村 義征さん
   昭和41年3月 文理学部法律学科 卒業
   現在:奈文研平城宮跡ボランティアガイド/日本語ボランティア

こちらの記事の続きです!先にこちらをご覧ください!!

米沢工業会企画 「和歌山の旅」

 私が奈良に住むことに決めたのは、今から約24年前。日本では西に「阪神淡路大震災」 、東に「地下鉄サリン事件」があった年の12月でした。希望して東京から大阪に転勤してきました。

  大学卒業後、選択した会社の初任地は東京でした。勤務している間、日本国内だけですが13回の転勤、独身寮を含め20回ほどの引越しが有りました。東京、大阪間を3往復しました。通算約10年間の単身赴任も経験しました。3人の子どもは皆、産まれた場所、家は別々です。家族特に妻には苦労をかけました。奈良に永住を決める際は、東京育ちの妻に結婚のプロポーズ以来のお願いをしました。芸術家は別として、同世代の多くの男性がそうだったと思いますが、高度経済成長期や大不況の中で経済最優先の仕事をして来た私は、老後はより静かな文化の香りがする生活を希望しました。和辻哲郎氏や亀井勝一郎先輩の作品が愛読書だったことや、以前大阪勤務の際に訪れた奈良の秋篠寺の伎芸天の美しさに感動したことも影響したのかもしれません。

 私の勤務先は当時定年60歳でしたが、53歳頃に同期入社130名強の内、将来のトップ候補3~4名以外一制転出ルールが有りました。(その後の仕事場の斡旋はありましたが。)多くの人は関連会社を希望しましたが、私はむしろ新天地を希望しました。独立する勇気はありませんでしたが30年以上の色々な経験を、別の世界で通用するかどうか試したかったのです。大阪の民間病院が後任事務長候補を求めていて、私に打診が有りました。山大にも医学部や付属病院があるのでご存知と思いますが、病院は社会的意義と同時に医師を頂点とした完全な国家資格者の集団です。かなりの規模の病院でしたので経営能力も必要でした。介護保険制度スタートを目前に控え多額の投資計画も有りました。随分考えたうえで挑戦する決断をしました。苦労もありましたが過去の経験を全て活かすことができました。2年間の出向期間を含め12年間、診療以外色々な事をしました。着任以前から長年懸案だった暴力団員を警察の協力を得て逮捕したことも思い出の一つです。
 最終的には体調を心配した妻の意見に従って、任期途中でしたが引退させてもらいました。仕事はやり切ったと感じています。温厚な町の方々に囲まれての学生生活、余力を持って生きて来た社会人生活、自由の翼を得た現在。私は山形大学を卒業して良かったと感じています。
 私は転勤・引越族でしたが、私の父・祖父もそうでした。東京生まれの父でしたが、製鉄会社に勤め九州の八幡から岩手県釜石に転勤しました。そんなわけで私は岩手県立釜石高校を卒業し山形大学に入学しました。あの東日本大震災で友人やそのご家族、全財産を失った知人もいました。父は定年後、母の希望を受け入れ気候温暖といわれる岡山に移住しました。母方の祖父も満鉄勤務でしたので、母も引越しが多い人生でした。いわゆる故郷が無い流浪の一族のようです。
 奈良に住むようになって、仕事も引退したことから、30年間ふすま同窓会関西支部事務局長を務めた先輩から話があり、その職責を引き継ぎました。その後支部長が高齢を理由に引退希望しましたが後任の引き受け手がいないので、変則ですが私は事務局長・支部長を兼務することにしました。現在も続けております。


 唐突ですが、校友会ホームページ閲覧者・メルマガ読者の皆様にお願いがあります。皆様のお親しい方にふすま同窓会関西支部(関西地域在住者で旧制山高、文理学部、人文学部、理学部の卒業生で構成)該当者がおられればご本人と合わせて里村に連絡いただければ幸いです。
私の連絡先は TEL:0742(41)-9286 E-mail:saku-201@m5.kcn.ne.jp です。
個人情報保護法の大切さや遵守義務は勿論承知しているつもりです。ふすま同窓会関西支部の実情は、山形からの遠隔地支部の典型です。
今年の支部総会の様子はこちらに掲載されていますが議事要旨は以下のとおり。
支部総会兼新年会は平成31年1月27日(日)大阪神仙閣に於いて開催、参加者は総勢6名、昨年までとは大きく変わりました。
第一に決議事項。
1.後輩である現役学生2名を2020年支部総会兼新年会に招待する。
2.予算は交通費、2日間宿泊費、新年会費、総計10万円程度(校友会関西セミナー開催時費用に準拠)
3.目的は2020年10月24日山形で開催の100年記念祭テ-マ「伝統を紡ぎ未来に続く」を関西支部でも実現する一環として。
第二に会員動向。
1.昨年まで参加されていた会員の多くが、体調を理由として不参加に。
2.ご逝去会員、案内不着・転居先不明会員、高齢を理由とした退会会員が例年になく大幅増加。(1.2は長年支部年会費で財政を支えてくれた会員の減少=財政不安要因)
3.本部に調査依頼した2018年3月卒業生中名簿上、関西支部在住者1名。新規就労者、転入者不明。
第三に関西支部活性化策について。
1.昨年の総会でも議論した「大学卒業生本位の運営」他を継続実施。
2.山形から離れた地理的な事情から、引き続き米沢工業会、鶴窓会関西支部との連携強化、共同行事実施。
3.関西支部会員の皆様には後記。
4.本部にも引き続き遠隔地支部の支援を依頼し続けて参ります。
同窓会本部阿部事務局長、校友会黒沼事務局次長、米沢工業会吉田支部長に 来賓として参加頂きました。関西支部参加者は藤原昇(1963年文理物理卒)、里村義征、工藤康弘(1979年人文独文卒)の3名。

関西支部会員の皆様にお願いです。
1.貴方の得意なこと、好きなことを実現する場としてふすま同窓会関西支部を活用してみませんか。場合によっては米沢工業会(工学部)、鶴窓会(農学部)と連携することも可能と思います。パイプは構築済みです。先日、皆様にもお知らせした米沢工業会企画の一泊二日の和歌山の旅に私も参加させて貰いました。幹事さんたちの献身的な準備のお蔭で学生時代に戻った様な素晴らしい時間を味合わせて頂きました。私は酔っぱらった勢いでその時の気分をメモに書きなぐりました。    

「All one is reminding about his young days.
I believe they all passed happy student days in Yamagata and Yonezawa.
I had great times and days with friends .
Thanks for my old friends .
Thanks for my old friends .」

2.パソコン操作に慣れている方立候補して頂けませんか。私はパソコン操作が不得手です。会員への連絡、意見交換などがホームページで可能になれば随分事務効率が上がります。 現在の全て郵便利用に比べ費用も含め効率が上がります。事務局を担当願えれば有難く思います。
3.里村はこの2月に後期高齢者の仲間入りをしました。2年前にはガンの手術も受けました。共に運営の相談に乗ってくれる方が立候補していただければ幸いです。勤務中などで時間的制約がある方は可能時期をお知らせ頂く事もありがたいです。自動車免許更新も済ませたので、もうしばらく判断能力は大丈夫と思います。


 最後にもう一つ私の個人的な話を。前回お話したガイドや外国人向け日本語教室ボランティアを通じわずかですが世界との接点が持てるようになったきっかけは、子供たちの留学のおかげです。特に長男がオーストラリアの女性と結婚し、永住権を取得して移り住んだのが大きかったと思います。旅や書物、映像では得られない生の体験をさせて貰いました。
 学生時代を過ごした山形に、妻や子供たちに、今まで生きてきた自分の人生で出会った多くの人々に感謝しつつ。 また会う日まで。ごきげんよう! 


掲載:2019.4.10