わたしたちは,自分を取り巻く身近な人々,社会及び自然とかかわりながら生活している。そうした中でも,自分なりの思いや願いをもって,身近な人々,社会及び自然の中にある対象に働きかけたとき,対象からの反応を自分にとっての意味のある気づきや経験として蓄積していくことができる。こうした気づきや経験の蓄積は,自分のよさや可能性に気づくことにつながり,よりよい生活をもとめる意欲や自信になっていくと考える。
そこで,子どもが生活科の学習を通して自ら学びをもとめ続けるということは,自分の思いや願いの実現に向かって主体的に対象とかかわり,自分にとっての意味のある気づきや経験を蓄積していくことで,自分や自分の生活を豊かにしていくことであると考え,目指す子どもの姿を次のように設定した。
| 思いや願いの実現に向って主体的に対象とかかわり,自分や自分の生活を豊かにしていく子ども |
2 生活科を通して豊かな自己形成に向かっていることを実感するとは
子どもが,思いや願いの実現に向かって主体的に対象とかかわり,自分や自分の生活を豊かにしていくためには,次のようなことに対して豊かになってきている自己を実感することが必要であると考える。
(1) 思いや願いの実現に向かう中で,対象に対する気づきが深まること
対象に対する気づきが深まることとは,自ら対象に働きかけていく中で気づきの質を高め,自分にとっての対象の意味を豊かなものにしていくことである。子どもは自分の思いや願いを実現するために,自分なりの方法を考え,試行錯誤しながら繰り返し対象に働きかけていく。そして,活動を通して得た気づきを表現したり,その気づきをもとに活動を発展させたりすることで,気づきの質は高まっていく。こうして得た質的に高まった気づきは,自分にとっての対象の意味をより豊かなものにしていくことになると考える。
(2) 思いや願いの実現に向かう中で,仲間とより深くかかわり合うこと
仲間とより深くかかわり合うこととは,思いや願いの実現に向かう中で,互いの思いや願いを感じとったり,仲間と知恵を出し合ったりしながら,よりよいかかわりをつくっていくことである。よりよいかかわりをつくっていくことで,子どもは仲間のよさ・仲間と一緒に活動するよさを実感することになる。また,仲間とのかかわりを通して,生活の中での自分の在り方を見つめていくことにもなると考える。
(3) 思いや願いの実現を通して,高まった自分を感じること
高まった自分を感じることとは,子どもが,自分にとって意味のある気づきを得たよろこびや,自分の活動に対する達成感・満足感を感じることを通して,自分の成長を実感していくことである。自分の成長を実感していくことで,子どもは,自分のよさや可能性に気づき,生活に向かう意欲や自信を高めていくことになる。また,そうしたことが,一人一人の子どもがもつ自分らしさを,確かなものにしていくことにつながっていくものと考えている。