わたしたちは,常に何かしらの思いや願いをもち生活している。その思いや願いを実現していく時には,さまざまな困難に直面する。その際,「よりよくありたい」「なんとかして解決したい」と願い,今の自分の姿を見つめ困難に対する現状をとらえ,見いだした課題を解決していく。しかし,解決の仕方は一つではなく,その時々において,自分なりに考え判断し,自分自身の手で課題を解決することで,よりよい納得をつくりあげていくのである。そうしたことを積み重ねていくことで,人が豊かに生きていくことにつながっていくものと考える。
そこで,子どもが学年・学級タイムを通して自ら学びをもとめ続けるということは,自分なりの思いや願いのもとに見いだした課題に対して,よりよい納得をもとめながら,自分のくらしをつくっていくことであると考え,目指す子どもの姿を次のように設定した。
| よりよい納得をもとめながら,自分のくらしをつくっていく子ども |
2 学年・学級タイムを通して豊かな自己形成に向かっていることを実感するとは
子どもが,よりよい納得をもとめながら,自分のくらしをつくっていくためには,次のようなことに対して豊かになってきている自己を実感することが必要であると考える。
(1) 自分なりの納得に向かって,対象とのかかわりを深めること
対象とのかかわりを深めることとは,くり返し対象とかかわることを通して,対象から自分にとっての意味や価値を見いだしていくことである。子どもは,対象とかかわる中で「なぜ,どうして」「取り組みたい,解決したい」という問いや願いなどをもつ。そして,それらをもとにした活動を展開する過程で,自分なりの切実な課題を見いだしていく。自分にとって切実な課題であるからこそ,子どもは何とかして乗り越えようと試行錯誤し,全力で立ち向かっていくことができる。そうしたことを通して,対象を自分のこととしてとらえ,対象から自分にとっての意味や価値を見いだすことができるものと考える。子どもは,自分にとっての意味や価値を見いだすことによって,対象に対する自分のとらえや考えを新たなものにつくり変えていくことになると考える。
(2)自分なりの納得に向かって,仲間と深くかかわり合うこと
仲間と深くかかわり合うこととは,仲間とよりよいかかわりをつくっていくことによって,仲間と協同的に取り組むよさを感じ取っていくことである。仲間とよりよいかかわりをつくっていくことで,子どもはよりよい納得を目指して仲間とともに吟味し,対象に対するとらえを拡充・更新したり,新たな課題をもったりすることになる。また,仲間とよりよいかかわりをつくっていくことによって,子どもは仲間への見方や考え方をより豊かにし,仲間とともに学ぶことのよさを感じていくことにもなると考える。
(3)自分なりの納得に向かって,高まった自分を実感すること
高まった自分を実感することとは,対象や仲間と深くかかわりあい,自分にとって新たな意味や価値ある気づきを得たり自分の考えを更新したりして,考えを深めていくことである。子どもは,自分の取り組みに対して満足感や達成感を感じながら,深まってきた自分に気づくことになる。さらに,そうしたことをくり返すことを通して,自分の可能性に気づいたり,自分らしさをより確かなものにしたりして,よりよい自分をもとめ,よりよく生きていこうとする意欲につながると考える。