写真

校長室だより

附属小に複組がある意味を確認し、その「よさ」を今後も大事にしましょう

全校朝会の校長講話(平成23年3月3日)

今日は、複組の話をします。後期の始業式で、1・2複組が今年度で最後となるという話をしました。改めてこの機会にこの附属小に複組がある意味と、複組の「よさ」を全校生のみなさんと確め合いたいと思ったからです。

現在、私たちの学校には複組が3つあります。私たちは通常、「複組」と言っていますが、正式には「複式学級」と言います。2つ以上の学年の子どもが1つの教室で、一緒に学習している学級をそう呼んでいます。山形市内には、附属小の他に蔵王第三小と双葉小にそれぞれ3つずつの複式学級があります。この2つの学校に共通しているのは児童数がとても少ないということです。蔵王三小は全校で12人、双葉小は10人です。同じような状況の複式学級が、山形県内には全部で176学級もあります。

でも附属小は児童数の少ない学校ではありません。700人以上の子どもたちが学習しています。知っている人も多いと思いますが、附属小に複組があるのは、複式学級でどんな授業をすると子どもたちのためになるのかを、県内の小学校の先生方が研究したり、勉強したりするためです。そういう意味では他の学校とは違う目的で複式学級があるということになります。東北地方に6つの附属小学校がありますが、同じ目的で、弘前大学附属小と岩手大学附属小にも複式学級があります。

ところで、これまで複組になったことのある人、そして今、複組に在籍している人は手をあげてみてください。ありがとうございます。90人ほどいるはずです。現在、本校は全校生703名ですから、ほぼ8人に1人が在籍したことがあることになります。私たちの学校では、今、手をあげてくれたみなさんと担任の先生方の努力で、人数が少なく、2学年が一緒であるという複組の特徴を活かして、たくさんの「よさ」をつくってくれました。 

先日、1・2複のみなさんに「複組のいいところは何ですか?」と聞いてみました。複組だけの活動があること、毎日なかよしペアみたいで楽しいところ、1年生だけれど2年生が何を勉強しているかがわかること、担任の先生が別の学年に行っている時でも自分たちだけできちんと勉強できることなど、たくさんの答えが返ってきました。でも一番多かったのは意外にも、よくけんかをするところ、言い合いをするところという答えでした。「えっ」と思いましたが、けんかのようすをにこにこと、楽しいそうに話してくれる複組の人たちの声に耳を傾けていると、私には、その声が私たちはとても仲がいいんだよという声に聞こえてきました。自分たちの考えや思いをとことん出し合って、その中で互いのつながりをしっかりつくっていることを感じることができたからです。好きとか嫌いということを越えたところで、「相手をきちんと認めている」、「ちがいを認めている」ということがとても伝わってきたからです。これが今の1・2複組のよさなんだということを実感しました。そして、この3月にはこの「よさ」が附属小からなくなってしまうんだなと思うと、少しさびしさを感じました。でも、今の1・2複のみなさんが本校からいなくなる訳ではありません。きっと来年、新しい学級でもそのよさを活かしてくれると思っています。

また、附属小には3・4複組も、5・6複組もあります。この2つの学級には、1・2複と同じよさも、違うよさもたくさんあるはずです。是非、今ある「よさ」を確かめ合うとともに、来年、新たに複組になった人たちには、また新たな「よさ」を加えてほしいと願っています。

そして、今日は、1・2複組の話をしましたが、どの学年にも、どの学級にも、この1年、あるいは2年かけて築いてきた「よさ」があります。自分たちの学級の「よさ」は何なのか、それがつくることができたのはなぜなのか、それを是非、確かめあってください。そして、そこから、来年度の新しい学年を、新しい学級をスタートさせてください。