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校長室だより

太陽の子

令和2年7月7日 校長 樋口潤一

トマト、ピーマン、トウモロコシ、スイカ、ナス、キュウリ、エダマメ…2年生の子どもたちが、生活科で心を込めて育てている植物が豊かに実りはじめ、露に濡れキラキラと星のごとく輝いています。梅雨の時期の雨は、植物たちにとってのかけがえのない恵みであり、「慈雨」とも呼ばれる所以だと実感します。今日は「七夕」です。

しかし、自然は時に、私たち人間の営みや努力などあずかり知らぬとでも言うように、情けも容赦もなくその生活を奪ってしまいます。

九州南部を襲った大雨は、八代海に注ぐ一級河川・球磨川の氾濫を引き起こし、風光明媚で観光資源に恵まれた流域に、甚大な被害をもたらしました。発達した積乱雲が帯状になって押し寄せる「線状降水帯」が生じ、熊本県人吉市・球磨村などでは観測史上最大の雨量が記録されました。その大雨の被害は、九州北部にも及び、豊かな自然とともに暮らしていた人々の家が、あっという間に激流に飲み込まれ、普段はびくともしない頑強な橋までいともたやすく崩壊していく様を見ながら、その計り知れないほどの力の強大さに慄然としました。

6月25日に行われた、4年社会科・青柳学級の授業では、「新しく基準が変わった洪水ハザードマップは、安全につながるだろうか」という課題の解決に向けて、学びが深まっていきました。資料となったハザードマップは、これまでの「30年~100年に1度」から、「1000年に1度」の大雨へと基準を変えて作り直されたものです。

青柳学級の子どもたちは、きっと「1000年に1度」の基準は、決して遠い世界のことではないと、捉え直していることと思います。

太陽の子