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校長室だより

感謝の気持ちを込めたさわやかなあいさつを
(全校朝会の校長講話)

令和4年5月11日 校長 林 敏幸

連休前、薄い黄緑色だった千歳山が、いつの間にか鮮やかな緑色に変わってきました。季節は、これからゆっくりと夏に向かい、千歳山の緑もさらに濃くなっていきます。毎日目にする自然の変化を楽しみながら、いろんな発見をしてみてくださいね。

さて、今日は、みなさんと一緒に「あいさつ」について考えてみたいと思います。まずは、みなさんに一つ問題を出します。毎朝、みなさんは、友達や先生方に「おはよう」または「おはようございます」とあいさつしていると思いますが、次のような質問をされたら、どのように答えますか?
「あなたは、朝、どうして『おはようございます』とあいさつするのですか?」
少しの間、そっと考えてみてください。

考えはまとまりましたか?一人一人に聞いたら、たぶん、さまざまな考えがでてくると思います。 たとえば「小さいときから、朝は『おはようございます』と言うように教えられてきたから」「あいさつすると気持ちがさわやかになるから」「『おはよう』と声をかけて『おはよう』と返されるとうれしいから」など、答えは決して一つではありません。

では、もともと「おはようございます」というあいさつは、いつ、どのようにして始まったのでしょうか。調べてみると、今からずっと昔の江戸時代に始まった「歌舞伎」に関係がありました。みなさんは、「歌舞伎」を知っていますか?「歌舞伎」と言えば、派手な衣装や化粧が思い浮かびますね。
歌舞伎役者の人は、衣装を着たり化粧をしたりするのにとても時間がかかるため、だいぶ早くから会場に来て準備をするそうです。そういう役者さんに対して、道具や会場の準備をするスタッフの人たちが「お早くからご苦労さまでございます」と声をかけたことが「おはようございます」というあいさつの始まりと言われています。「お早くからご苦労さまでございます」という言葉が短くなり、次第に「おはようございます」「おはよう」という言い方に変わってきたのだそうです。つまり、「おはようございます」という言葉は、相手に感謝したり相手を労ったりする、思いやりの気持ちが込められたものなのです。

みなさんは、毎朝、いろんな人に「おはよう」または「おはようございます」とあいさつしていますが、これからは感謝の気持ちも込めてあいさつできたら素敵ですね。たとえば、お家の人には「おはよう。朝早くからごはんをつくってくれてありがとう」、バスの運転手さんには「おはようございます。朝早くから安全運転ありがとうございます」、門の前に立つ警備員さんには「おはようございます。朝早くから見守ってくださってありがとうございます」、友達には「おはよう。毎日ありがとう。今日もよろしくね」、担任の先生には「おはようございます。毎日、楽しいクラス、楽しい授業になるようがんばってくださってありがとうございます」という気持ちを込めて、ぜひあいさつしてみてください。私は、毎朝門の前でみなさんにあいさつするときに「おはようございます。今日も、重いランドセルやリュックを背負い、遠くから歩いたりバスに乗ったりして学校に来てくれてありがとう。
今日も元気に行ってらっしゃい!」という気持ちを込めてあいさつしたいと思います。でも、こんなに長い言葉で一人一人にあいさつできないので、「おはようございます。行ってらっしゃい!」と短くあいさつしますね。

最後に、一昨日の朝、うれしいできごとがあったので紹介します。私が門の前であいさつをしていると「校長先生、ぼくたちも一緒にあいさつしていいですか。あいさつすると気持ちがいいので」と声をかけてくれた6年生がいました。誰かから言われたわけではなく、自ら進んであいさつをしようと自然に行動した姿をうれしく思いました。
 これからも、附属小にもっとたくさんの笑顔が広がるように、感謝の気持ちを込めたさわやかなあいさつをみんなで広めていきましょう。