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校長室だより

制服に込められた思い(第73回開校記念式)

令和5年5月19日 校長 林 敏幸

今日は、本校の第73回開校記念式にあたり、PTA副会長の、長岡伸賢様からお出でいただきました。お忙しい中、本当にありがとうございます。

はじめに、最近のみなさんの様子で、とてもうれしいことを紹介します。それは、あいさつの上手な人が増えてきたことです。明るい声で、いろんな人に、自分から先にあいさつできる姿が見られ、とてもうれしいです。これからもぜひ続けて、気持ちよい雰囲気をみんなでつくっていきましょう。

さて、今日は、附属小学校の誕生日にあたり、「制服」の話をします。入学式で児童代表の言葉を述べた6年生のお姉さんが、附属小学校の自慢として「制服」の話をしてくれたことを覚えていますか? みなさんにとって当たり前になっている制服ですが、附属小学校ができたときは今のような制服はありませんでした。では、どんな服を着ていたのでしょうか。大正時代や昭和のはじめの頃は、このような様子でした(写真を提示)。今とはずいぶん違っていますね。このあと、太平洋戦争という大きな戦争が終わってから数年ほど経つと、生活も少しずつ豊かになってきて、服装にも変化がでてきました。(写真を見せながら)男子は、戦争のときの服を着た子が多くいますが、女子の中には、おしゃれな感じの服を着た子もいますね。それから数年経つと、男子の服装もこんなふうに変わってきました(写真を提示)。すると、女子の中には、友達とおしゃれを競い合い、派手な感じの服を着る子もでてきたそうです。そこで、「附属小学校の子どもとして誇りをもってほしい」「学校で落ち着いた生活をしてほしい」というお家の方の願いから、子どもたちに制服を着せたいという声がでてきたのだそうです。そのような声を受けて、お家の方と先生たちが協力して、附属小学校の制服についてじっくりと時間をかけて考えていきました。(写真を見せながら)この写真のようにデザインを考え、細かいところまで議論し合ったそうです。その結果、昭和36年、今から63年前に制服が誕生しました(写真を提示)。
 それからずっと、附属小学校のみなさんは制服を着用してきました。現在、山形県内の小学校で制服があるのは、この附属小学校だけです。入学式で、児童代表の言葉を述べた6年生のお姉さんは、制服を着ることのよさについて、次のように話しました。
「制服を着ると、心がぴんと引き締まって、『よし、今日もがんばろう』という気持ちになります。制服は、わたしたちに勇気とやる気をくれる特別な服なのです」
 この言葉を聞き、私は「制服に対する特別な思い」を感じました。この思いは「附属小学校で学ぶことの誇り」そのものだと思います。制服ができた63年前も「附属小学校の子どもとしての誇り」を大切にし、それがこれまでずっと続いてきました。

地域の方にも「制服を着た小学生は附属小学校の子」とすぐにわかります。バスの待ち方や乗り方、あいさつなどにおいて、小さな社会人としてルールをしっかり守ったり、礼儀正しい行動ができたりすると、「附属小学校の子は素敵だな」と思ってくれます。時代が変化しても受け継がれている「附属小学校の子どもとしての誇り」を大切に、わくわくする素敵な学校をつくっていきましょう。