写真

校長室だより

ダメなところも自分のよさ(全校朝会の校長講話)

令和5年9月13日 校長 林 敏幸

【各学級で校長講話を動画にて視聴】

9月も半ばになりましたが、いつもの年と違って暑い日が続いています。朝から汗をかいて登校してくる人もいますが、「おはようございます」という元気な声を聞くと、とてもさわやかな気持ちになります。これからも、以前みなさんに紹介した「あいさつ」のキーワード、

「あ」…「あ」いての目を見て「あ」かるい声で
 「い」…「い」つでも「い」ろんな人に
 「さ」…「さ」きに「さ」わやかな笑顔で
 「つ」…「つ」づけることが大切
このことを大事に、気持ちのよいあいさつを続けていきましょう。

さて、前回の話で、「ぞうさん」の歌をもとに、一人一人の個性、自分らしさについて、みなさんに考えてもらいました。今日は、そのことにつながる話をします。
 みなさんは、アニメ「ドラえもん」を知っていますね。その登場人物に「のび太くん」がいます。のび太くんと言えば、勉強や運動が苦手、すぐにあきらめる、泣き虫、甘えん坊、お母さんからは毎日のように叱られます。また、ジャイアンから乱暴なことをされたり、スネ夫から「のび太のくせに生意気だぞ!」というひどい言葉を言われたりします。そして、困ったときは、いつもドラえもんに泣きつき、ドラえもんの力に頼ってしまいます。そんなのび太くんのことを「ダメな子ども」と思う人がいるかもしれません。
 でも、のび太くんは、本当にダメな子どもなのでしょうか?例えば、「困ったときにドラえもんに頼る」というのはダメなことのように見えますが、困ったときに大切な人に頼ることができるというのは、とても大事なことだと思うのです。逆に、困っていても「助けて」と誰にも言えないことのほうが、ダメなことだと思うのです。また、のび太くんはとても甘えん坊ですが、甘えたいときに甘えられるというのは、のび太くんが素直な心の持ち主だからではないでしょうか。叱られたり、嫌なことがあったりしたときは、いつまでもくよくよしないで、すぐに気持ちを切り替えられるということからも、のび太くんはとても前向きな性格だと言えるかもしれません。つまり、ダメなように見えることでも「ダメだ」と決めつけず、見方や考え方を変えてみることで、よいことに見えると言えます。

みなさんも、「自分はどうしてダメなんだろう」「自分のこういうところが嫌だな」と思ったことがあるでしょう。みなさんだけでなく、私も、そして先生方も同じようなことを思うときがあります。でも、そんなときは、自分のことを「ダメな人間だ」と決して思わないでください。「ダメなところも見方を変えれば自分のよさ」と思えば、気持ちが少しでも楽になるはずです。
 このあと、担任の先生の話を聞いて、「ダメなところも自分のよさ」ということについて考えてみてください。そして、自分のことを今よりも好きになるきっかけになればうれしく思います。これで私の話を終わります。