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校長室だより

言葉でつながる 言葉は心を映す鏡

6月全校朝会 校長講話(平成25年6月13日)坂本澄子

早いもので、前期がスタートして2ヶ月が過ぎました。子どもたちの様子を見ていると、4月から意欲が持続していると感じています。それは、一人ひとりが目標をもち、そこに向かってよりよい自分になろうと努力する姿です。これから、校外活動も始まり学習のステージが広がっていきますが、様々な体験を通してさらに成長できるよう指導していきたいと思います。

今日は、私たちが毎日当たり前のように使っている言葉について考えてみたいと思います。言葉を話せるのは、人間だけです。皆さんは、「人間は考える葦である」という言葉を聞いたことがありますか。これは、17世紀の哲学者パスカルの言葉で「人間は自然の中でもっとも弱い一本の葦のようなものだが、それは考えるという能力をもったすばらしい存在だ」という意味です。人間は考えることができ、言葉を使うことができるのです。

では、人間の脳の重さがどのくらいあるかわかりますか。日本人の大人の脳の重さは大体1400g(体重の約2%)です。チンパンジーも賢い動物ですが、400gだそうです。チンパンジーは、チンパンジーだけに通じる鳴き声を発することはできますが、人間のように話をすることはできません。

さて、今年の附小のテーマは「附属小スマイルでつながろう」です。これは「附属小のみんなが仲良く笑顔でつながる」ということを意味しています。つなぐのは「言葉」です。サブテーマにあるように「あいさつ」も「ありがとう」も大事な言葉です。

先日、3年生の道徳の授業で、「言葉は魔法、気持ちを言葉にするだけで相手に伝わる」とか「言葉は心を映す鏡」とか「言葉は、ひとたび口から出たら元には戻せない。言葉はぱっと出てしまう、だから、後から後悔する」といった意見が出されていました。どの言葉も、なるほどと頷ける名言ばかりです。言葉は難しいけれど、私たちには欠かせないもの。人と人とをつなぐ大事な道具です。この言葉をどう使うかは、私たち一人ひとりに任せられています。皆さんは、自分が言われてうれしい言葉があるでしょう?たとえば、ありがとう、ごめんね、大丈夫?すごいね、頑張ったね、一緒にやろう・・などです。くらしの中で、お互いにこんな言葉を交わせたら、学校がますます楽しくなりますね。

前にも話しましたが、人は、考え方も感じ方も表し方もみんな違います。ですから、仲良くなるためには、相手のことをよく知らなければなりません。その一番の近道は、相手の言葉に耳を傾けること。最後まで、よく聞いて、相手の考えていることをわかろうとすることです。そうすると、相手の良さがわかってきます。相手の良さが見つかれば、その人との距離はぐんぐん近づくでしょう。

もう一つ、サブテーマにある「思いやり」は、目にはなかなか見えない物です。「目は口ほどに物を言う」という言葉を聞いたことがありますか。言葉で言わなくても、その人の目を見れば、何を言おうとしているのかわかるという意味です。思いやりは、目や表情にも表れるのです。それを感じ取ることができるのも、人間だけです。表情とともに相手を思いやる言葉を添えれば、もっと思いは伝わるでしょう。新聞で「チンパンジーやニホンザルがまばたきをコミュニケーションの手段として使っている可能性がある」という記事を見ました。人間同士が目を合わせるアイコンタクトに似た行動ともいえます。そこでは、「仲間が多いほど、まばたきが頻繁に行われる」とありました。言葉をもたないチンパンジーもアイコンタクトでお互いにコミュニケーションを取っていると想像すると、親近感がわきますね。

ツツジ学年の皆さんは、入学して2ヶ月が過ぎましたが、お友達はできましたか。クラス替えがあったオリーブ学年、やえざくら学年、ほおのき学年の皆さんはどうでしょう。みのり班ではそうじや縄跳びなどを通して仲良く活動できていますか。来週は、みのり遠足があります。そこに向けての話し合いも始まりました。今日から、周りの人とたくさん言葉を交わして、つながりを深めていきましょう。そうすれば、笑顔あふれる附属小になると思います。「言葉は魔法」「言葉は心を映す鏡」時々、この言葉を思い出してみましょう。