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校長室だより

自分を好きになる

12月の全校朝会の校長講話より(平成25年12月5日)坂本澄子

師走に入り一段と寒さが厳しくなってきました。改修工事も始まり、何かと気ぜわしく感じられる今日この頃ですが、子どもたちはどっしりと地に足を付け、目の前の目標に向かって自分たちのくらしをつくりあげています。その成長ぶりには目を見張るものがあり、頼もしさを感じます。

本格的に工事が始まり中学校の校門から入るようになって、中学生のお兄さんやお姉さんと仲良く登校する微笑ましい姿が見られます。また、6年生は四ヶ月ほど早いけど中学校の門をくぐり、ちょっぴり中学生に近づいたような気分でしょうか?いずれにしても、工事期間中は不便なことが出てきますが、安全に気をつけて生活していきましょう。

さて、今日は「自分を好きになる」ということについてお話します。先月の6日〜8日にくるみ学年の修学旅行に引率してきました。2泊3日の活動内容を紹介します。一日目は、国会議事堂を見学後、議員になったつもりで参議院特別体験プログラムを学習しました。次に、浅草の浅草寺仲見世を散策し、日が落ちて暗くなる頃、待望の東京スカイツリーに上り地上350mの展望デッキから東京の夜景を楽しみました。二日目はあいにく小雨でしたが、お台場でレインボーブリッジと自由の女神をバックに記念撮影。日本科学未来館では活動班毎に学習しました。ちょうどその日は、宇宙飛行士若田さんの乗ったソユーズが打ち上げられる日で、大きなスクリーンに中継で映し出されました。午後は劇団四季の『ライオンキング』を鑑賞し大感激でした。ホテルに戻って、テーブルマナーを学びながらのディナー会食と満ち足りた一日となりました。最終日は3つのコースに別れての体験学習。中身の濃い充実した修学旅行でした。

今回活動を共にして強く感じたことは、一人ひとりの探究心の強さです。どの活動にも積極的に関わり、時間を余すことなく貪欲に吸収しようとしていました。この探究する力というのは、物事の本質を探る力、つまり附小の目標である「太陽の子」がめざす「本質を見極める力」です。この三日間で、これまでのものの見方、考え方、感じ方、そして表し方が磨かれ、本質を見極める力がさらに高まったと言えます。くるみ学年は、附小がめざす子どもの姿を実現しようと努力しているのです。

このように、附小には自慢できるよさがたくさんあります。歌声が響き合う感性あふれる学校、異学年交流で思いやりがうまれるみのり班活動、目標に向かって自分たちのくらしをつくろうと努力し、様々な文化やスポーツにふれ高い価値をめざす賢い子どもたちです。「賢い」というのは「心こまやかで相手の気もちがわかる」ことだと思います。

私の心に残っている素敵なエピソードを紹介します。下校のバスの中での出来事。附属特別支援学校の人がおばあさんに席を譲ってあげたことや附小の友だちがたくさん乗っていたのにうるさくないのを見て「いいなあ、私もそんな風になりたい」と思えたMさん。私が朝、家の人が届けてくれたお弁当を預かっていたら「そのお弁当の袋、見覚えがあるけど誰のですか」と声をかけ「同じクラスなので届けます」とさらりと言って持って行ってくれたS君。それから、五小の一年生が困っていたとき、事情を聞いてお母さんが来るまで待ってあげた人など、こんなふうに、よく見て感じて気づいて行動できる賢い皆さんが大好きです。そして、皆さんを毎日よく見て寄り添い、きめ細かな指導をしてくれる先生方が大好きです。

私たちは、こんな素敵な環境で、すばらしい仲間と過ごせる幸せを感じ誇りを持ちましょう。そして、自分に自信を持ち、自分を好きになりましょう。そんなこと言っても、私は話すのが苦手だし恥ずかしいものという人もいるでしょう。でも、人はみんなちがうのです。誰にでもいいところは必ずあります。自分のいいところを見つけて好きになり、そこを伸ばしたり増やしたりしていくことが大事です。そして「僕もまんざらじゃないな」「私っていいじゃない」と思えるようになると自信につながります。そうなると、人のいいところも見つけられるようになります。お互いにいいところを見つけて認め合っていくことが、今年の附小のテーマにもつながっていくのではないでしょうか。自分の足りないところは、これまで通り目標を立てて努力を重ねてほしいです。

冬休みまであと2週間となりました。寒さが厳しくなりますが、風邪をひかず元気に生活していきましょう。お話終わります。

今年一年の温かいご理解とご協力に感謝いたします。
ご家族皆様でどうぞよい年をお迎えください。