校長室だより
平成28年度 卒業式 校長式辞
平成29年3月19日 校長 日伸哉
卒業生の皆さん、すわりましょう。
あたたかな日差しが春の訪れを感じさせる 今日のよき日に、PTA会長 吉岡裕志(よしおか ひろし)様、同窓会会長 中村喜兵衛(なかむら きへい)様をはじめ、多くのご来賓の皆様のご臨席をいただき、山形大学の小山清人(こやま きよひと)学長ご列席のもと、平成28年度 卒業証書授与式を、このように晴れやかで、しかも盛大に挙行できますこと、誠にありがたく、まずもって、深く感謝申し上げます。
さて、卒業証書を手にした「やえざくら学年」99名の皆さん、ご卒業、本当におめでとうございます。また、保護者の皆様のお喜びもひとしおのことと思います。
先ほど、一人ひとりに卒業証書を渡しながら、過ぎ去った日が思い出され、何か胸が熱くなりました。手にしている卒業証書は、皆さんの六年間にわたる「努力の結晶」そして「成長の証」です。
私は、三年間、皆さんと先生方が、「やさしさあふれる八重桜」「姿で表す八重桜」「任せて安心、八重桜」を合言葉に、生き生きと学ぶ姿を見てきました。そして、節目節目に、つたないながらも歌を詠んできたことが思い出されます。皆さんは、本当に笑顔が素敵で、責任感の強い「いつも前向きな子どもたち」でした。ちょうど一年前、五年生として卒業式の準備をしてくれた時に、こんな歌を詠んだのを思い出します。
「附属小 リーダー学年 八重桜 けふ ここに においぬるかな」
その後も、リーダー学年として、一人ひとりが役割を持ち、それぞれの仕事をしっかり成し遂げました。また、陸上記録会や水泳記録会での自己ベストへの挑戦。合唱部や弦楽部での活躍。小さな旅人として本物体験をした修学旅行。同窓会のお力添えをいただき、初の「OB職場訪問」も実現できました。また、仲間と見たスカイツリーからの景色は一生忘れられないのではないでしょうか。ホテルでは、こんなこともありました。「あわてるな オートロックに しめだされ やっちまったと なげく姫君」 懐かしいですね。また、みのり活動では、「一人ひとりのよさを分かり合い、心の輪を広げよう」の大テーマを掲げ、「あいさつ運動」にも取り組みました。みのり班の仲間とともに、最高記録に挑戦した「みのりSFでの長縄跳び」は、心の輪が広がった瞬間でしたし、新たにチャレンジした心のバトンをつなぐ「全員リレー」では、やえざくら学年のクラスの「絆」がより一層深まった瞬間でした。「千里の道も一歩から」手作り中庭(NAKANIWA)の完成。そして、「復活、樽太鼓」に「お化け屋敷」の企画。
様々な活動の中で、一人ひとりが「やさしさ」を大切にし、「あるべき姿」を意識しをしながら、みのりの仲間に「安心」を与えてくれた「やえざくら学年」の皆さん、今の自分に「自信」と「誇り」を持ち、附属小学校の卒業生として、これからも「夢や目標」に向かって大きくはばたいてほしいと思います。
保護者の皆様、本日は、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。
小学校生活六年間。そのなかに、語り尽くせぬ多くの喜びやご苦労があったことと思います。未曾有の大震災が起き、不安な中で行われた入学式。登下校も、不安で一杯だったことでしょう。また、ドキドキしながら校門をくぐった4年時の転編入学。あの日から、子どもたちを温かく励まし、見守り、育てられた月日を思うとき、胸にこみ上げてくるものがあります。本日、ここに義務教育の第一段階を終えられたことに、あらためてお祝い申し上げます。そして、この大事な初等教育の過程で、皆様と共に子育ての一翼を担えましたこと、心より誇りに思います。
同時に、卒業生一人ひとりが、自分の「夢や目標」に向かって大成されるよう、そして、山形の未来を、日本の未来をひらく人材へと成長されるよう、教職員一同願っております。どうぞ、これまで以上に、温かく子どもたちを見守り、支え、励ましていただきたいと思います。
卒業生の皆さん、いよいよお別れのときです。
卒業は、おわりではなく、はじまりです。そのはなむけに、私の好きな詩「赤い花は 赤く」と最後の一首を、贈ります。
赤い花は 赤く
白い花は 白く
自分の個性を生かして 力いっぱい 自分のために咲けばいいのです
赤い花は 赤く
白い花は 白く
お互いのよさを認め合い 心やさしく ひとのためにも咲けばいいのです
自分のことだけ考え
他人の迷惑をも思わず
善悪の判断のないまま咲いた花は
どんなに大きく美しくても
人生の実をつけることはないでしょう
赤い花は 赤く
白い花は 白く
それぞれが助けあい 励まし合い
謙虚に 誠実に 世のため咲けばもっといいのです
もっと 輝くのです
『時満ちて 大人になりし 八重桜 巣立ちの朝の うれし涙よ』
満開の 八重の桜の 旅立ちに 祝福あれと 願っています。
結びになりますが、本日ご臨席をいただきましたご来賓の皆様はじめ、保護者の皆様には、今後とも変わらぬご支援とご指導を賜りますようお願い申し上げ、式辞といたします。
平成29年3月19日
山形大学附属小学校長 日伸哉