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校長室だより

されて嫌なことはしない、言われて嫌なことは言わない
(全校朝会の校長講話)

令和4年6月30日 校長 林 敏幸

毎日暑い日が続いていますが、元気に過ごせていますか?
 今は梅雨の時季ですが、この頃の代表的な花と言えばアジサイがあります。他には「タチアオイ」という花もあります。観察園では、このタチアオイが空に向かって真っすぐ伸び、ピンクと白の大きな花を咲かせています。
 話はかわりますが、先週金曜日のみのり遠足は、とても楽しかったですね。川で魚をつかまえたり、川原で縄跳びをしたりして遊ぶみなさんは、最高の笑顔になっていました。班のみんなと一緒に遊ぶことで、前よりも仲がぐんと深まったことでしょう。

さて、今日は、笑顔いっぱいの附属小学校にするために「友達からされて嫌なこと、言われて嫌なことは、友達にもしない、言わない」ということについて話をします。これまで、みなさんは友達から嫌なことをされたり、言われたりしたことはありますか?本当なら、そういうことが一つもない学校にしたいのですが「先生、友達から悪口を言われた」という残念な出来事を耳にすることがあります。言った人は、ちょっとしたいたずらや意地悪のつもりなのかもしれませんが、言われた人は心が傷つきますよね。
 実は、校長先生も、小学生のときに友達に嫌なことをされたことがありました。確か3年生か4年生のときだったと思います。今でも、そのことを思い出すととても悲しくなります。ある日、一番なかよしだった友達が、どういうわけか全く口をきいてくれなくなったのです。それだけではありません。クラスの男子の多くが、私のことを無視(知らんぷり)するようになったのです。帰り道、私の姿を見つけると、みんなで走って逃げることもしばらく続きました。悔しくて、悲しくて、初めて学校に行きたくないと思いました。「自分は何も悪いことをしてないのに…」と考えると、ますます悲しくなりました。
 ところが、しばらくたったある日、何もなかったかのようにクラスのみんなが普通に話をしてくれるようになったのです。一体、どうして急に前のように戻ったのだろうと不思議で仕方ありませんでした。すると、クラスの一人が、次のようなことをそっと教えてくれたのです。
「あれはA君が考えて、無視するようにみんなに言ったんだ」と。A君とは、私が一番の友達だと思っていた人でした。そのA君が、私のことを無視するように友達に話していたというのです。それを知って、とてもショックでした。たぶん、クラスのみんなはいたずら半分でやっていたのでしょうが、やられた方は「学校に行きたくない」と思うほど嫌な思いをしたのです。
 それ以来、大好きだったA君のことを信用できなくなりました。A君はいたずらでやったとしても、私には「いじめられた」という悔しくて悲しい気持ちしか残りませんでした。

これが、校長先生が小学生のときに経験した「友達からされて一番嫌だったこと」です。する方はいたずら半分でも、された方は心の傷としてずっと残ってしまうのです。体の傷は時間がたてば治りますが、心の傷はそう簡単には治りません。
「親しき仲にも礼儀あり」ということわざがあります。「いくら仲よしでも、相手が嫌だと思うことはしない」という意味です。みなさんは、周りにいる友達に嫌がることをしたり、言ったりしてはいませんか?たとえば、友達を「お前」と言ったり、変な呼び方をしたりしていませんか?「お前」と言われた方は、とても嫌な気持ちになっているはずですよ。素晴らしい名前があるのに、「お前」と言ったり、変な呼び方をしたりするのはとても失礼なことだと私は思います。
 最後にもう一度言います。
「友達からされて嫌なこと、言われて嫌なことは、友達にもしない、言わない」
 このことを意識して生活すれば、附属小学校にもっとたくさんの笑顔が広がることはまちがいありません。これからも、友達のことを大切に過ごしていきましょう。