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校長室だより

みんなを笑顔にする言葉(全校朝会の校長講話)

令和5年3月1日 校長 林 敏幸

3階から見える月山や葉山は真っ白ですが、寒さが和らぎ、少しずつ春の訪れが感じられるようになってきました。先週の金曜日に行われた6年生を送る集会は、5年生を中心として各学年のみなさんが心のこもった準備をしてくれたおかげで、心がとても温かくなる素敵な集会となりました。6年生の歌声からは、下級生への感謝の気持ちと卒業に向けた強い決意が伝わってきました。みのり班の心のつながりを感じる場面もたくさんあり、とてもうれしくなりました。

さて、4月からみなさんには、笑顔いっぱいの附属小学校にするために「あいさつ」「されて嫌なことはしない、言われて嫌なことは言わない」「4つの誓い」などについて話をしてきました。今日は「みんなを笑顔にする言葉」について話をします。
 今から10年以上前の古い調査になりますが、ある会社が、16歳以上の人を対象に「あなたを笑顔にしてくれる言葉は何ですか?」というアンケートを実施しました。さて、もし、みなさんが同じことを質問されたら何と答えますか。今から3分間、各クラスで話し合ってみてください。

それでは、アンケートの結果を発表します。今、クラスで話し合った言葉が入っているかもしれませんね。
 1位の前に、まずは第2位からです。2位は「大好き」という言葉です。お家の人や友達から「大好き」と言われたら、思わずにこっとなりますよね。
 それでは第1位の発表です。1位は「ありがとう」です。なんと、調査した人の半分はこの言葉を選びました。つまり、断トツの1位ということです。確かに「ありがとう」と言われてうれしく思わない人はいませんよね。みなさんのクラスでは、「ありがとう」という言葉はでてきましたか。
 この「ありがとう」という言葉を漢字にすると「有り難う」となります。元々は「有り難い」という言葉で、「有ることが難しい」ということから「めったにないこと」を意味します。「人からしてもらうことは、めったにないこと、有り難いことなんだよ」ということから「有り難い」、そして「有り難う(ありがとう)」となりました。
 では、「ありがとう」の反対の言葉は何でしょうか。「有り難い」の反対は「有り難くない」、つまりそれは「当たり前」という言葉になります。人からしてもらうことを有り難いと思わず、当たり前に思っていることはないでしょうか。例えば、毎日おいしい給食をつくってくださる調理師さん、学校中のごみを集めてくださる用務員さん、毎日の登下校を見守ってくださる警備員さん、けがの手当てをしてくださる恵子先生。学校の中だけでも、みなさんのためにお仕事をしてくださる方たちがたくさんいます。「それは仕事なんだから、そうすることは当たり前でしょ」と思う人もいるかもしれません。でも、そういうお仕事をしてくださる方たちがいなかったらどうでしょうか。全部自分たちの手でしなければなりません。そう考えると、調理師さんや用務員さん方のお仕事は、とても有り難いことだとわかります。

みなさんの毎日の生活には、してもらって当たり前のようなことがたくさんあります。友達や先生、お家の方からしてもらっていることはもちろん、バスの運転手さんからも毎日お世話になっています。してもらっていることを当たり前に思わず、「ありがとう」とぜひ言葉にしてみてください。きっと、お互いが笑顔になり、心があったかくなるはずですよ。
 卒業式まであと13日です。「ありがとう」の言葉で、もっともっと笑顔あふれる附属小学校にしていきましょう。