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校長室だより

その人らしさ(全校朝会の校長講話)

令和5年6月29日 校長 林 敏幸

【各学級で校長講話を動画にて視聴】

最近は、じめじめした蒸し暑い日が続いていますが、水泳学習が始まり、プールからはみなさんの元気な声が響いてきます。
 また、先週の金曜日のみのり遠足は、とても楽しかったですね。川でヤゴや魚をつかまえたり、川原でバッタを捕まえたりして遊ぶみなさんは、素敵な笑顔になっていました。昨日は、「川で捕まえたヤゴがトンボになったよ」と、登校したときうれしそうに見せてくれた人もいました。班のみんなと一緒に川遊びをしたことで、前よりも仲がぐんと深まったことでしょう。

さて、今日は、誰もが知っているこの歌を最初に流します。
(「ぞうさん」の曲を流す)
 みなさん、この歌を知っていますよね。そう、「ぞうさん」です。この歌を作詞したのは「まど みちお」さんです。みなさんが音読している詩集の中にも、まどみちおさんの詩がたくさんありますね。
 今日は、まどみちおさんがつくった「ぞうさん」の歌詞、「ぞうさん、ぞうさん、お鼻が長いのね、そうよ、母さんも長いのよ」に込められた意味を考えてみます。この歌詞は、子どもの象が他の動物に「君は鼻が長いんだね」と言われて、「そうだよ。お母さんも長いんだよ」と答えたお話です。でも、よく考えてみるとどうでしょうか。子どもの象が、他の動物に言われた「君は鼻が長い」という言葉は、「君は、私たちと見た目が違う」と言われたことと同じです。自分だけがまわりと違えば「鼻が長いことをからかわれたような気持ち」になると思います。でも、子どもの象は悲しい気持ちにはならず、「そうだよ。お母さんもお鼻が長いんだよ。象の鼻が長いのは、象の個性なんだよ」と自信をもって答えているのです。個性とは、わかりやすく言うと「その人らしさ」です。つまり、象の鼻が長いのは「象らしい」ということになります。

私たち一人一人には、「その人らしさ」があります。自分とは考え方や行動が違っても、それはすべてその人の個性です。個性は、みんな一人一人違うからいいのです。「みんなとは違う」という理由で、その人のことを悪く言ったり、変な目で見たりしてはいけません。みなさん一人一人が「自分らしさ」を大切にすれば、毎日伸び伸びと楽しく生活できるし、友達のもつ「その人らしさ」を大切にすれば、もっとやさしい言葉や行動が増えるはずです。
 このあと、それぞれの教室で、1~3年生は「自分に自信があること」について、4~6年生は「自分らしさ」について話し合ってみてください。今まで気づかなかった「私らしさ」について発見できるかもしれませんよ。
 これで、私の話を終わります。