
校長室だより
全校朝会での校長講話①(集合型)
「品」について
令和7年5月8日 校長 早坂 和重
みなさん、おはようございます。五月晴れの日ですね。この時季は月山がとても美しいですね。千歳山の新緑もとてもきれいです。
さて、ちょうど一か月前、4月8日の入学式で、「『品』のある人になる」ことを皆で一緒に目指しませんかと、呼びかけました。今日は、そのことについて、この一か月間、情報を集め、考えたことを三つお話しします。
まず、一つ目です。「品のある人になる」という言い方について調べました。この「~になる」という言い方は、「ぜったいになるぞ」という、ホットな気持ちを感じる言い方です。この言い方をいつもしていた人を調べました。すると、カントー地方出身のサトシさんに行き当たりました。サトシさんは、1997年に「ポケモンマスターになる」と言い切り、旅に出ました。そして、25年後の「ポケモンワールドチャンピオンシップス」において世界王者となり、バトルで世界最強になりました。
しかし、アニメの最終回でサトシさんは「チャンピオンはゴールじゃない。俺はまだチャレンジャーなんだって思ってる」「世界中全部のポケモンと友達になりたい。それがきっとポケモンマスターってことなんだ。」と言っています。サトシさんは、ポケモンマスターになろうとし続けることが大切だと言っています。アニメは最終回を終えましたが、サトシさんは、今も冒険を続けている気がします。
次に、二つ目です。そもそも「『品』とは何か」についてです。ある人から「よく分からないときは、外国語にしてみるとはっきりする場合があるよ。」と聞いたことがあります。その考え方を当てはめて考えてみました。
「品」を外国語で何というか調べると「Elegance(エレガンス)」と出てきました。ここで思いついたのは、漫画「スパイファミリー」のヘンリー・ヘンダーソン先生です。彼は何よりも「品」を重んじ、周りの人の行動に対して品がよいと感じた時には、その人に対し「エレガント」とほめたたえ、品が悪いと感じた時には、「ノット エレガント」を連発しています。
結果的には、「品」を外国語にしてもあまりはっきりしませんでしたが、このヘンリー先生のキャラクターが、なぜかとても印象に残りました。
そして、三つ目です。「『品』とは何か」について、これまた別の人から聞いた考え方をしました。「あえて、逆に考える」という考え方です。「品」とは何かをはっきりさせるために、逆に「品」がない場合をたくさん挙げてみる考え方です。これはたくさん出てきます。
・ぞうきんをしぼらずにかける…。
・何も考えず、廊下を走る…。
・バスの中で騒ぐ、バスを降りてから駅前で走り回る…。
「ノット エレガント」です。ただ、こういう行動が、品のないことだなあというのは、誰でもぱっと判断できることです。
ここまでのことを整理整頓してみると、二つになりました。
まず、一つ目です。「品のある人」には、ゴールはないのではないかということです。サトシさんのポケモンマスターのように「求め続けるもの」ではないかということです。
次に、二つ目です。「品」とは、自分で自分をコントロールすることに挑戦する中で、身に付いていくのではないかということです。品のない、だめなことは、自分で簡単に分かります。つまり、ヘンリー先生のように他の人から言ってもらうのではなく、自分で自分に「ノット エレガント」とつぶやき、品のない行動は自分で止めることができます。そのように自分をコントロールすることに挑戦している姿は「品」のある姿なのではないでしょうか。
これらの考えは、まだまだ、煮詰まったものではありません。わたしも、人・もの・こととかかわりながら「品」について考え続けます。皆さんが「品」について、「ああじゃないか」「こうじゃないか」と思ったところを、教えてもらえたら嬉しいです。