
校長室だより
第75回 開校記念式 校長式辞
みなさん、おはようございます。
本日、ここに、PTA会長 押野 茂 様、同窓会会長 和田 宏司 様をはじめ多くのご来賓の皆様のご臨席のもと、第75回開校記念式を挙行できますこと、誠にありがたく、心より御礼申し上げます。
さて、附属小学校の誕生日を調べてみました。実は附属小には誕生日が2つあります。一つ目の誕生日が明治11年の10月1日です。二つ目の誕生日が昭和26年の5月20日です。明治の誕生日が「創立記念日」で、昭和の誕生日を「開校記念日」としています。75回目というのは、昭和の誕生日から数えた回数です。明治の誕生日から数えると、本年度は147年目となります。
誕生日を調べていたら、昔のものが、どこかに残っているかが気になりました。そこで、わたしは、1年生の皆さんと同じように、学校探検をしてみました。すると、ひと昔前の「平成」や「昭和」のものはたくさんありました。例えば、築山は昭和生まれです。校歌も昭和生まれですね。
昭和の前は何ですか。そう「大正」ですね。その時代のものも少しありました。この本です。約110年前の本です。
大正の前は何ですか。そう「明治」ですね。明治のものは探しに探してやっと見付けました。これが明治時代の本です。約130年前です。これらの本は、何だか見た目は古いですね。でも、中身はどうでしょう。今から約100年前の大正時代の本を、今の言葉にして読んでみますね。
「だれかが、だれかに教えるという時に考えなくてはならないのは、教えることと学ぶことが必ず並んで一緒に進むということである。教えと学びと一緒に行われているのでなければ、教える・学ぶということの本性を備えているとは言えない。見方によっては学習が主で教えることは副であるということもできる。そして自分で自分を育てることこそ教育の本質である」
このように述べています。どうでしょうか。この考えは今も古くないですね。本物は時間を超えても古くならないのです。ちなみに、この本を書いた人は、昔、この山形大学附属小に勤務しておられた槙山栄次先生です。先生は、江戸時代のお生まれで、この附属小に今から約140年前に勤務しておられた方です。槙山先生は、その後、ドイツに留学したのちに、今の「奈良女子大学附属小学校」の校長先生をされた方です。こうして槙山先生の本のページをめくって読んでみると、100年前の人とお話ししている気分になります。そして、これまでの147年間の附属小に、いろいろな子どもたちやおうちの人、そして先生がいて、今のわたしたちの附属小があるのだなあと改めて感じました。この、式の後、「大テーマ」の発表があります。皆でますますよい学校にしていきましょう。
結びになりますが、本日ご臨席いただきましたご来賓の皆様には、今後も変わらぬお力添えを賜りますようお願い申し上げ、式辞といたします。
令和7年5月19日 山形大学附属小学校 校長 早坂 和重