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校長室だより

「いのち」と「いじめ」

6月全校朝会 校長講話 平成26年6月18日 校長 日伸哉

おはようございます。さわやかで元気なあいさつです。気持ちのよい一日がスタートできそうです。

今日は、皆さんに、「いのち」というテーマで、お話をしたいと思います。心の糸を張って、しっかり聴きましょうね。

まず、5年生ゆず学年の皆さん、ありがとう。ちょうど一週間前の6月11日に、5年生の皆さんが力を合わせて、プール掃除をしてくれました。あんなに汚れていたプールがピッカピカです。小プールも大プールもピッカピカです。これから始まるプール学習のために、みんなのために、縁の下の力持ちとして働いてくれました。尊いことです。これからのプール学習が楽しみです。ダブル握手です。ところで、「プールといのち」、関係があるのでしょうか。大ありですね。楽しいプールですが、油断すると大切な「いのち」を失ってしまいます。先日(6月10日)も、埼玉県の小学校で事故があり女の子が亡くなりました。痛ましいことです。尊い「いのち」が失われて、本当に痛ましいことです。事故を防ぐには、一人ひとりが気をつけなければなりません。皆さんも先生方も、みんなが気をつけなければなりません。数日前に、先生方は「いのち」を守る勉強をしました。「救急蘇生法」「心肺蘇生法」、聴いたことがありますか。心臓マッサージやAED(Automated External Defibrillator 自動体外式除細動器)の使い方を学びました。また、エピペン注射の勉強もしました。アレルギーで困ったときに打つ注射のことです。尊い「いのち」を守るために、先生方も真剣に学びました。「いのち」を失うような痛ましい事故がおきないよう、十分注意してゆきましょう。準備運動をしっかりしたり、プールでの約束をしっかり守ることが大切です。これが、1つ目の「いのち」のお話です。

二つ目のお話です。

何の音でしょうか?

そうですね、ミンミンぜみの鳴き声ですね。一生懸命、鳴いていますね。せみの「いのち」はどのくらいですか?そうですね、1週間くらいと言われていますね。でも、卵や幼虫の時代を4〜5年、土の中で暮らすんですね。そして、土から出てやっと成虫になって1週間のいのち。だから、一生懸命に夏を過ごすんですね。一生懸命に鳴くんですね。はかない「いのち」かもしれませんが輝いています。もう少しすると、こんなせみの声が聴こえてくることでしょう。

では、この音は?

明るい笑い声ですね。きっと素敵なクラスですね。では、私たち人間の寿命はどれくらいですか?そうですね、平均寿命は80歳(女性86.41 男性79.94)くらいです。でも、病気や事故で「いのち」を失ってしまうこともあります。それは、とっても悲しいことです。みんな長生きできたらいいのにと思います。かけがえのないいのちですから。おとうさん、おかあさんからもらった「かけがえのないいのち」ですから。

では、この音は?

いい声でしょ。赤ちゃんの笑い声です。明るいよね。楽しくなりますね。赤ちゃんの笑顔が浮かんできますね。もう一回聴きますか?いいですねえ。生き生きしています。

次の音は、何の音でしょう?

心臓の音です。もう一回聴いてみましょう。生きているから、心臓の音が聞こえます。ドックン、ドックン、心臓が動いています。鼓動しているんですね。実は、校長先生の奥さんの心音です。

では、この音は?

そうですね。同じ心音ですが、速くて力強い音ですね。実は、お腹の中にいる赤ちゃんの心臓の音です。もっと詳しく言うと、おなかの中にいる赤ちゃんのへその緒を流れる血液の音です。産婦人科のお医者さんに頼んで録音してもらいました。一生懸命に生きている音です。「いのちの音」です。実は、校長先生の娘が赤ちゃんだった時の心音です。みなさんも、お母さんのおなかで育っているとき、このような力強い「いのちの音」を響かせていたのです。お父さん、お母さんは、どんなにかうれしかったことでしょう。おじいちゃん、おばあちゃんもどんなにかうれしかったことでしょう。校長先生も、この音を聞いた時、涙が出るくらいうれしかったです。ですから、お父さん、お母さんからいただいた尊い「いのち」を大切にしてほしいのです。そして、「わたしの(自分の)いのち」を大切にするのと同じように、「お友達のいのち」も大切にしてほしいのです。そのことが、2つ目の「いのち」のお話です。

3つ目は、その大切な「いのち」、かけがえのない「いのち」を粗末にしてしまう、やってはいけないことのお話です。みんなは、生き生きと楽しく暮らしたいと思っていますよね。お父さん、おかあさん、先生方もそう願っています。なのに、そのことを台無しにしてしまうことがあるのです。それは、「友だちへの悪口やいやがらせ」です。「いじめ」ともいいます。まさか、みなさんの中に、そんなことをやっている人はいませんよね。友だちを馬鹿にしたり、いやなことをいったり、仲間はずれにしたり、インターネットやスマートフォンを使って人を傷つけたりしていませんよね。そんなことをやっている人を見たらすぐに止めて下さい。一人ひとりが責任を持って止めて下さい。やめさせてください。かけがえのない「いのち」を粗末にする人がいたら、必ず止めて下さい。見過ごさないで下さい。いいですか。もう一度言います。かけがえのない「いのち」を粗末にする人がいたら、必ず止めて下さい。見過ごさないで下さい。校長先生も、先生方も許しません。
 山形県では、「いじめ防止対策推進条例」をつくりました。法律です。当然守るべき、また、守らなければならない法律です。お家の人も含めて「いじめ・非行をなくそう県民運動」も行っています。かけがえのない「いのち」を、みんなで大切にする。そういう附属小学校、そういう山形県、そういうニッポンであってほしいと思います。

「いのち」をテーマに、3つのお話しをしました。各クラスや学年でも、「いのち」についてのお話を深めてほしいと思います。