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第9回学長特別講演会「日本の進路とこれからの国際協力」を開催(10/25)

掲載日:2017.10.26

山形大学の使命「地域創生」「次世代形成」「多文化共生」を学内外に発信するため、山形大学ではシリーズで学長特別講演会を行っています。10月25日、第9回講演会を鶴岡キャンパスで初開催し、講師に加藤宏氏(独立行政法人国際協力機構(JICA)理事)を迎え、「日本の進路とこれからの国際協力」をテーマに講演いただきました。

加藤氏はJICA(国際協力事業団)入団後、外務省で勤務。2008年JICA研究所設立に伴い副所長、所長を歴任し、2013年からは理事を務めるなど世界を舞台に活躍されてきました。講演会では日本が過去60年の間に行ってきた国際協力・開発協力の歴史を振り返り、常に変化する時代のなかで日本は、大学は、山形で暮らす私たちはどのように国際協力に関わっていくことができるのか、それぞれの役割に注目しながらポイントに迫りました。

講演会ではJICAが担う役割の一つとして、長期的な人材育成への取り組みを紹介。鶴岡市にある本学農学部ではJICAとの連携により、2008年からアフリカ地域の研修生を受け入れて稲作技術を学ぶプログラムを実施しています。加藤氏は「日本への理解を深めてもらう留学生型のプログラムの充実が必要」と説明し、大学など協力機関との連携の重要性を語りました。

また、発展途上国への日本の技術協力についてもふれ、「日本の各地域は開発に役立つ技術と知恵の宝庫。地方にしかない技術がたくさんある」と紹介。都市部中心に進みがちな国際開発協力の現状に、地方の豊かな技術や知恵に期待していると述べ、地域と国際協力の関係性について説明しました。

後半に企画された小山学長との対談では、高校生や大学生を中心に参加者から質問が寄せられました。「将来国際協力に関する仕事がしたい。学生のうちにしておくといいことは?」との質問に対し、「自分の得意なこと、専門を伸ばすことが大事。また日本や地元のことをよく知っておくこと。相手国との比較の上で何ができるか考えられるし、日本文化を背負った日本人に関心が集まる」と両名からアドバイスが送られました。

講演の始まりと終わりには「JICAに勤務できたことがとても良かったと思っている」と笑顔で話した加藤氏。一部の人だけが取り組む時代は終わり、地域からでも誰もが国際協力に携わることができる新しい時代の到来に、世界への貢献・協力の必要性と期待感が高まる有意義な時間となりました。

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